イングランド代表は9日、国際親善試合でウェールズ代表と対戦するが、同試合の前日、イングランド代表を率いるトーマス・トゥヘル監督が会見に出席。北中米3カ国で共催される来年に控えたFIFAワールドカップ26に向けて、イングランド代表の立場を明確にした。
イギリスメディア『スカイスポーツ』が8日、会見の様子を伝えている。

 イングランド代表はFIFAワールドカップ26欧州予選・グループKで5戦全勝、13得点無失点という圧巻の成績で首位を快走している。9日は欧州予選の試合が組まれておらず、ウェールズ代表との国際親善試合に臨むが、続く14日にはラトビア代表との欧州予選グループK第8節が控えている。2位のアルバニア代表は第8節に試合が組まれていないため、第7節の結果、同時に3位のセルビア代表の第7節を含めた2試合の結果次第では、イングランド代表がラトビア代表に勝利した時点で、8大会連続17回目の本大会出場が決まる。

 直近ではFIFAワールドカップロシア2018で4位、続くFIFAワールドカップカタールではベスト8、さらにEUROでは2大会連続で準優勝に終わるなど、なかなかメジャータイトルとは縁がないイングランド代表。1966年に行われた自国開催のワールドカップ以降、“世界の頂”には手が届いていない。だが、プレミアリーグで活躍する選手を中心に、圧巻の選手層を誇ることも事実で、近年のFIFAワールドカップやEUROでは、度々“優勝候補”の筆頭として名前が挙がってきた。

 一方で、トゥヘル監督の意見は異なるようだ。トゥヘル監督は会見において、テニスの4大国際大会の1つとして知られるウィンブルドン選手権を引き合いに出し、「仮にウィンブルドンで一度も優勝したことがないならば、優勝候補の一角として名前が挙がることはあるかもしれないが、筆頭候補とは言えないだろう。それが現実だ」と発言。「たとえば、ブラジル、アルゼンチン、スペイン、フランスなどは、近年優勝を果たした国々だ」と言葉を続け、2000年代に入ってからFIFAワールドカップを制した複数の国々を挙げながら、次のように意見を発した。

「もちろん、我々にチャンスがないとは言わない。
だが、まずはこの予選突破を果たすことで、その後で出場の意義が明確になる。当然、優勝を目指して大会に臨むことになるとは思うが、我々の立場を明確にすべきだ」

「なぜ我々が『最大の優勝候補』という重圧を背負う必要があるのか理解できない。最後に優勝したのはいつだ?我々は一歩ずつ進む必要があるんだ。今は準備を整え、前進するためのチームを構築している。我々の目指すチームは、誰もが『対戦したくない』と思うようなチームだ」


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