今年6月をもって閉幕したFIFAワールドカップ26アジア最終予選において、日本代表はグループCを首位で終え、8大会連続8度目のワールドカップ出場を決めた。
アウェイでの北中米チームとの2連戦を未勝利で終え、今回の10月シリーズでは、ホームで南米勢との2連戦に臨む。その第1戦目として、大阪府の『パナソニックスタジアム吹田』で迎え撃つのは、FIFAワールドカップ26南米予選を6位で終え、4大会ぶり9度目の本大会出場を決めたパラグアイ代表だ。
日本代表から見て、パラグアイとの通算対戦成績は5勝4分2敗(PK負けは公式記録上ドローとカウント)。FIFAワールドカップ南アフリカ2010のラウンド16で、PK戦の末に涙を飲んだ相手だが、以降は4連勝中と、相性は決して悪くない。
パラグアイ代表相手に5連勝を目指す今回のゲーム。森保一監督はお馴染みの「3-4-2-1」の布陣をチョイス。最後尾を託されるのはGK鈴木彩艶で、最終ラインは右から瀬古歩夢、渡辺剛、鈴木淳之介。中盤のセンターでは田中碧と佐野海舟がコンビを組み、ウイングバックは右に伊東純也、左に中村敬斗。2シャドーは堂安律と、キャプテンマークを巻く南野拓実で、最前線に小川航基が入った。
試合は序盤から、日本代表が両ウイングバックを中心にゴールに迫り、5分には伊東の上げたクロスボールから小川がヘディングシュートを放つも、枠を捉えきれない。
対するパラグアイ代表は、序盤こそ押し込まれる時間帯が続いたが、徐々に敵陣へ侵入する回数を増やす。14分には敵陣左サイドでミゲル・アルミロンが倒され、フリーキックを獲得すると、ディエゴ・ゴンサレスが低弾道の鋭いボールを供給。ニアサイドでジュニオール・アロンソがフリックし、最後はグスタボ・ゴメスが頭で合わせたが、ここはわずかにゴール右へ外れる。
試合の流れを引き寄せるパラグアイ代表は20分、アントニオ・サナブリアのポストプレーから、シンプルなパスワークで中央を破り、ボックス左でフリーになったアルミロンにボールが渡る。だが、アルミロンはダイレクトでフィニッシュまで持ち込めず、マイナスへの折り返しも味方には合わない。
それでも、直後の21分には1本のロングパスで日本代表の守備陣を攻略。ダミアン・ボンバディジャが右足で背後への浮き球パスを供給すると、フリーで抜け出したアルミロンが、ワントラップからGK鈴木彩艶の股下を通す一撃を沈める。シンプルな攻撃を完結させ、パラグアイ代表が先手を取った。
日本代表としては、ホームで先手を取られる苦しい展開を強いられたが、26分には意外な形でスコアを動かす。日本代表は素早い切り替えから敵陣でボールに制限をかけ、奪い切った佐野が縦へ繋ぐと、ペナルティエリア手前で前を向いた小川が右足一閃。強烈なミドルシュートはGKロベルト・フェルナンデスが弾いたものの、小川のシュートの勢いが勝り、そのままゴールへ吸い込まれる。日本代表が試合を振り出しに戻した。
1点を取って勢いに乗った日本代表は、立て続けにビッグチャンスを構築。まずは30分、右サイド大外でボールを持った伊東が、内側のスペースを駆け上がった田中を使い、中央へグラウンダーのボールを送ると、中村の落としに反応した南野が左足を振ったが、ここはGKフェルナンデスに弾き出される。40分には左サイドからカットインした中村が、右足でインスイングのボールを上げると、小川が頭で合わせたが、またもGKフェルナンデスが立ちはだかり、前半は1-1で終了した。
後半に入ると、先にチャンスを作ったのは日本代表。49分、伊東の蹴った右コーナーキックから、小川が強烈なヘディングシュートを放つが、GKフェルナンデスがセーブ。このプレーで得た右CKをショートで繋ぎ、堂安が左足でインスイングのボールを供給すると、ファーサイドで南野が押し込んだが、ここはオフサイドのために得点は認められない。
日本代表は悪くない後半の入りを見せていたが、次の1点はパラグアイ代表に生まれる。64分、ペナルティエリア手前右寄りの位置でセカンドボールを拾ったフアン・カセレスが、フリーでクロスボールを送ると、フリーで渡辺の前に入ったディエゴ・ゴメスがヘディングシュートを沈めた。
またも1点ビハインドを強いられた日本代表は66分、南野と中村に代えて、鎌田大地と、この試合が日本代表デビューとなる斉藤光毅を投入。78分には田中と堂安を下げて、町野修斗と相馬勇紀を送り出し、より攻撃的な形へシフトするが、同点弾は奪えないまま時計の針が進む。
このまま終盤に突入すると、89分には佐野と小川を下げ、藤田譲瑠チマと上田綺世を投入。すると、背番号を「18」に変更した“ストライカー”が、大仕事をやってのける。
この後、日本代表は14日、キリンチャレンジカップ2025でブラジル代表と対戦予定。パラグアイ代表は韓国へ渡り、14日に韓国代表と対戦する。
【スコア】
日本代表 2-2 パラグアイ代表
【得点者】
0-1 21分 ミゲル・アルミロン(パラグアイ代表)
1-1 26分 小川航基(日本代表)
1-2 64分 ディエゴ・ゴメス(パラグアイ代表)
2-2 90+4分 上田綺世(日本代表)
【スターティングメンバー】
日本代表(3-4-2-1)
GK:鈴木彩艶
DF:渡辺剛、瀬古歩夢、鈴木淳之介
MF:伊東純也、田中碧(78分 町野修斗)、佐野海舟(89分 藤田譲瑠チマ)、堂安律(78分 相馬勇紀)、南野拓実(66分 鎌田大地)、中村敬斗(66分 斉藤光毅)
FW:小川航基(89分 上田綺世)
【ゴール動画】日本、パラグアイともに2点ずつを奪う