日本代表は14日(火)、キリンチャレンジカップ2025でブラジル代表と対戦する。会場は東京スタジアム(味の素スタジアム)で19時30分キックオフ。
試合の模様はテレビ朝日系列で全国生中継、TVerとABEMAでライブ配信される。

 9月のアメリカ遠征(vsメキシコ代表戦、アメリカ代表戦)では2試合連続無得点に終わり、パラグアイ戦の公式会見で森保一監督は「決め切ることにこだわってやっていきたい。勝つためには得点を奪わないといけないので、得点にこだわってアグレッシブにゴールを目指して欲しい」とコメントしていた。パラグアイ戦は2度先行を許す苦しい展開となったが、小川航基が先発起用に応える見事なミドルシュート、そして好調を維持する上田綺世の後半アディショナルタイム弾で辛くもドロー。「名波さんから『振れるタイミングで振るように』と毎日言われ続けていて、あの瞬間の頭によぎりました(小川)」という意識改革も実を結び、追いつけたことはポジティブだ。

 一方で2試合連続複数失点を喫し、これでメキシコ戦から数えて3試合勝利なしとなった。鎌田大地はパラグアイ戦後に「守備がちゃんとできないと(ブラジル戦で)大量に失点してしまうと思う」と警鐘を鳴らす。「やっぱりいい守備からいい攻撃をしないと、失点していたら勝てる試合も勝てない。守備は自分たちの土台だし、今日はアベレージに全く足りていなかった。まずはそこを戻して、そこから攻撃の部分をやっていかないといけない」と鎌田が語った通り、森保監督就任以降のベースとなっている“いい守備からの良い攻撃”をブラジル相手に体現したいところだ。

 ブラジルとは過去13度対戦し、0勝2分け11敗。1989年の初対戦からいまだ勝利がなく、奪った得点もわずかに「5」。
日本サッカーに立ちはだかる“最大の壁”と言っていいだろう。2022年6月の前回対戦に出場した田中碧は「前回はすごく勉強になったし、足りないなと感じました。とはいえ、勉強しに行くわけではないので、勝たないといけない。直近は勝っていないので、勝利へ最善の策を求めていきたい」と歴史的初勝利に向けた意気込みを語った。

日本代表vsブラジル代表 日本のスタメンは?

 前田大然が負傷により12日にチーム離脱し、25名でブラジル戦に臨む。森保監督は「ブラジルに初勝利したいという気持ちでいますし、できるだけの選手がいると思っている」と自信を示し、「勝利と成長、思い切ってチャレンジすることを考えて試合に挑みたい」と述べている。

 GKはパラグアイ戦に続き鈴木彩艶。飛躍的な成長を遂げている23歳の守護神を連続起用すると見た。最終ラインは右から渡辺剛、谷口彰悟、瀬古歩夢の3バック。並びは谷口が右、渡辺が中央という可能性もある。またパラグアイ戦で好プレーを見せた鈴木淳之介が連続で先発する可能性もありそうだ。ボランチは鎌田大地と佐野海舟のコンビと予想した。


 ウイングバックは右に望月ヘンリー海輝、左に中村敬斗。パラグアイ戦にフル出場した伊東純也は途中出場となるか。シャドーは南野拓実堂安律、1トップに絶好調の上田綺世と予想した。左足首の状態に不安を抱える久保建英は、11日から全体練習に合流し、12日はハーフコートでのゲーム形式もこなした。森保監督は「プレーできる状態」と明言した一方、「90分間プレーできる状態ではないというか、させるべきではないと思う。時間を限定してプレーしてもらいたい」とコメントしている。久保はベンチスタートとなり、後半途中出場から20分~30分程度の出場となりそうだ。

 アジア最終予選では圧巻の突破劇を見せ、W杯での目標を「優勝」に定めたものの、W杯出場国を相手に現在3戦勝ちなし。その道が平坦なものではないことを改めて突きつけられている。そんな中で迎えるブラジルとの一戦、日本サッカーの歴史を変える一勝を掴み、「優勝」へ向けた機運をさらに高めるような熱戦に期待したい。

取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)
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