キリンチャレンジカップ2025が14日に行われ、日本代表とガーナ代表が対戦。前半に南野拓実、後半に堂安律が得点を挙げた日本代表が2-0で勝利した。


 この試合では日本の1点リードで迎えた後半序盤、田中碧がミドルシュートを打つタイミングで、ボールを奪おうとしたアブ・フランシスの足が交錯。フランシスは担架でピッチを後にし、長期離脱も懸念される負傷交代となった。

 森保一監督は試合後の会見の冒頭、「フランシス選手にとっても、ガーナ代表にとっても、非常に大きなケガになると思いますが、フランシス選手が少しでも早く、良い状態でサッカーができるようになること、けがの回復が順調にいくことを願いたいと思います」と自ら切り出し、慮った。

 田中は68分に交代でピッチを後にする際、ガーナベンチへと向かい、謝罪の言葉と述べたが、ガーナのオットー・アッド監督も「ハードにぶつかり合う場面も発生しますし、残念ながらこのようなことも起こり得ます。ですが、そのようなことがあったとしても、謝りに来られることは当たり前ではないです」と、田中の行動を称えた。森保監督も「碧らしい、そして日本人として相手を思いやるという行動は素晴らしいと思います」と田中の振る舞いに対して同様の見解を示した。

 シュートを放とうとした際のアクシデントとはいえ、ガーナ代表の選手たちはもちろん、田中やフランシスの元同僚でもある上田綺世なども動揺の表情を隠せていなかったが、森保監督はピッチ上から、胸を叩きつつ、交代するまでの時間で選手の集中が切れないようにアプローチした。森保監督は「試合は難しくなったと思います」としつつ、「選手たちはそこで集中力を切らしていなかったら、こういった結果にはなっていなかったと思います」と、戦い抜いた選手たちへの感謝も口にしている。

 メンタル面での姿勢については、「メンタル的に落ちてしまうようなアクシデントがあったとき、試合展開で理想通りにいかず、集中力が切れてしまうことがあります。今日はプレーをし続けることが両チームの選手にとって、けがを目の当たりにしていたので難しかったと思います。悲しい気持ちとけがをした選手に対して回復への思いを持ちながらも、選手たちがプレーを続けてくれたことは、どんな状況になっても、まだ試合が続いている限りは、勝つために自分たちが目の前の現実の中で、最善・最適なプレーを続けるというところを、選手たちは強いところ、タフに戦えることを見せてくれたと思います」と、今回は試合中のアクシデントという不運な形ではあったが、それだけでなく、「まったく違うことですが」とした上で、10月の2試合でもビハインドから追いつく、逆転するという、「今の最適・最善を尽くすことは、選手たちはやり続けてくれていると思います」という、困難な状況における選手たちの姿勢について称えている。

 田中については、「悪質なプレーかどうかで言えば、ファウルではなかったと思います。
一生懸命にプレーした先のけがなので、こういうことがもちろん起こってほしくないですが、碧に非はないと思っています」とプレーでの悪意はなかったとかばい、「フランシス選手には順調に回復してもらい、またフットボーラーとして充実の時間を過ごせるよう、リハビリがうまく進むことを祈っています」と、改めて早期回復を願っている。


【ゴール動画】久保と堂安の関係から追加点!


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