10月はケガのため不参加となったキャプテン遠藤航が先発復帰すると見られたこの一戦。蓋を開けてみると、森保一監督が送り出したボランチは田中碧と佐野海舟だった。特に佐野は10月のパラグアイ代表戦で小川航基の1点目をアシストし、ブラジル戦では持ち前の対人守備力を強烈にアピール。存在価値を引き上げていただけに、今回の一挙手一投足が大いに注目された。
ブラジル戦で前半に主導権を握られ、自陣に引かされた反省を踏まえ、ガーナ戦の日本はスタートからハイプレスに打って出た。上田綺世、南野拓実、久保建英の前線3枚が3バックに食らいつき、中盤の佐野、あるいは最終ラインの選手がボールを奪って縦に展開という形が序盤から出て、確実にリズムを掴んだ。
とりわけ、佐野の“デュエル”の迫力は凄まじいものがあった。2024年7月からドイツでプレーする背番号21は、そこまでアフリカ勢との対戦経験が豊富なわけではない。それでも恐れることなく体をぶつけ、敵をなぎ倒していく。
南野が奪った前半16分の先制点もお膳立てしたのも佐野だった。相手エースFWアントワーヌ・セメニョへの遠目のパスを谷口彰悟とともにカット。堂安律、谷口を経由して自らドリブルで前進し、走り込んだ南野拓実に迷うことなくラストパスを送り、アシストを記録したのである。
「(相手の)前線にキープできる選手がいるので、サンドするところだったりは意識していましたし、奪ってから前にスペースがあったのでうまく運べた。綺世くんがすごくいい動き出しをして(DFを)釣ってくれたので、そこにパスを出すことができた。ゴールに繋がって良かったです」と本人も自信を深めた様子だった。
その後も相手との巧みな駆け引きを見せ続け、ファウルすれすれの当たりや寄せで中盤を制圧した。SNS上では「全盛期のエンゴロ・カンテを彷彿とさせる出来」という称賛の声もあったほど。まさにガーナ戦の“MVP”にふさわしいパフォーマンスで、遠藤や鎌田大地、守田英正のアジア最終予選の中盤主軸トリオ不在を全く感じさせなかった。
相棒が田中碧から藤田譲瑠チマに変わっても、佐野はブレずに自らのタスクを遂行し続けた。
米子北高校でプレーしていた10代の頃は世代別代表とは無縁で、プロキャリアもJ2のFC町田ゼルビアからのスタート。そこから鹿島アントラーズ、マインツと少しずつ階段を駆け上がってきた非エリートであるからこそ、「自分はまだまだだ」「もっとやるべきことがある」という志向になるのだろう。今の日本サッカー界は谷口や伊東純也など遅咲き選手も少なくないが、間もなく25歳になる佐野もここへきて一気にブレイクしそうな予感を色濃く漂わせている。
「彼の存在感は試合ごとに高まっている。ボールを奪う動きもどんどん先回りして行っている。それはブンデスリーガの試合を見ていてそうですけど、奪って前につけて出ていくという意識も本当に高いし、それは点につながったのはチームとしても大きいと思います」。日本代表のレジェンドでもある日本サッカー協会の宮本恒靖会長も感心していたが、W杯でさらなる躍進を遂げようと思うなら、佐野や鈴木淳之介ら新顔の台頭が必要不可欠。それはキャプテンマークを巻いた南野も指摘していた点だ。
「ここへ来てすごく若い選手が増えたし、24~25歳くらいの若さと経験も積んだ本当に勢いのある選手たちが今日もピッチに立っている。それはすごくチームにとっていいことだと思います」と先輩アタッカーは期待を込める。それに応えるためにも、佐野は先陣を切って突き上げ役を担ってしていくべき。そして日本代表の中心選手として、自らアクションを起こせるようになってほしいものである。
取材・文=元川悦子
【ゴール動画】南野拓実&堂安律のゴールでガーナを下す

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