今や大半の選手が欧州でプレーするようになり、日本との行き来は「めちゃくちゃ大変なこと」と森保監督も理解を示す。「時に愚痴こぼしている選手がいるかもしれないですけどね。ただ、それを超える日の丸を背負って戦える誇りがあるので、みんな充実していると思います。代表のキャリアを重ねていける選手は、そこに誇り持つことができる」と力説した。森保監督は“日本代表でプレーする”ことの価値についてこう続ける。
「まずインターナショナルマッチウィークは、普段クラブでプレーしている選手にとって一旦オフとなり、リフレッシュできる期間です。疲れはあると思いますが、そこを覚悟して代表に来てくれています。今までのリーグ戦の疲れに加え、さらにプレッシャーがかかって、インテンシティも上がる中で代表戦を戦わなければならない。代表活動が終わったら、みんなリフレッシュして良い準備をしている自チームに戻り、疲れている状態でプレーすることになります」
「ですが、そういった環境に身を置くと、自分を磨いて向上させることができる。代表には『俺が一番』『俺が王様』というギラギラした選手たちがいます。自分自身も選手として代表に入っていた時に感じたのですが、突き抜けた向上心を持つ人たちの中に身を置くことは、どれほど自分に刺激を与えてくれるか。
また昨年は国内組で臨んだE-1選手権で見事連覇。多くのJリーガーが日本代表初キャップを刻み、早川友基や安藤智哉(※ドイツ1部ザンクトパウリへ移籍)は常連組になりつつある。森保監督には国内組の日本代表招集は「全てが本人だけではなく、クラブやJリーグのためになる」という信条がある。森保監督はサンフレッチェ広島で指揮を執った経験を踏まえ、日本サッカー界にもたらす好影響についてこう語った。
「代表で選手が抜けると新しい選手を試すことになります。『それだと練習や良い準備ができないのでは?』と言われるのですが、実は形上の練習よりもそのタイミングで次の芽が出てくることが多い。それで代表選手がチームに戻ってきたらどうなるのかというと、他の選手たちが『こいつには負けない』という空気になります。練習の熱量も上がり、次の試合に向けたエネルギー、パワーが上がっていきます」
「皆さんも目にしたことあると思うのですが、試合になると今度は対峙した選手がめちゃくちゃ頑張る。なかなか試合で力を発揮できないと『それで代表選手か?』という見られ方になります。それをまた超えていかないといけない。結果的に選手自身、クラブ、リーグ全体が相乗効果で上がっていく。
FIFAワールドカップ26開幕まで約半年。日の丸を背負い、世界の舞台に立てる選手は、前回大会と同様であれば26名。極めて狭き門だ。ただ「日本代表の価値は公式戦でも親善試合でも変わらない」と森保監督は話す。その一試合、その一分一秒に、日本代表としての価値と、日本人としての誇りが詰まっている。
「日本人の誇りを持って戦えるという舞台に来ないと、なかなか分からないこともあります。日本の誇りを持って戦える。その舞台に立てる人たちは本当に限られている。そこに行くことは、全てポジティブです」。その言葉は、日の丸を背負う覚悟の重さを、静かに、確かに伝えていた。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)
※2025年12月17日取材実施

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