MF松本泰志が覚悟を持って広島に帰ってきた。サンフレッチェ広島は8日、明治安田J1百年構想リーグの新加入選手記者会見を実施。
浦和レッズから完全移籍した松本は復帰への思いを語った。

「正直ここに座っているのもびっくりしていますが、その分やらないといけない責任感を強く持っていますし、ピッチ内外でサンフレッチェ広島のために貢献できるように頑張りたいです」
 
 松本は2017年に埼玉の昌平高校から広島に加入し、2024シーズンは公式戦46試合に出場して4得点を挙げるなど主力として活躍した。2025年には「小さい頃からの夢や目標でもあった」という地元クラブの浦和レッズに完全移籍していたが、1年での古巣復帰を決断した。

「オファーがきた時はすごくびっくりしましたが、もう一度広島でプレーしたい思いが強くなったので帰ってくることを決めました」と明かした松本は、広島でチームメイトと再会を果たし、「僕がいた頃とそこまで選手の入れ替わりがないので、しっかりロッカールームではいじられて、帰ってきたなと感じました」と笑みをこぼした。

「『完全移籍で1年で帰ってくるやつがいるのか』といじられました。すごく仲良くさせてもらった先輩、後輩がたくさんいたので、本当にうれしい気持ちでいっぱいです」

 広島は今冬にMF田中聡がドイツ2部のデュッセルドルフに完全移籍したため、その穴を埋める形で松本を獲得。1年前に完全移籍で退団したばかりの27歳ボランチを再び完全移籍で獲得する異例の補強だったが、栗原圭介強化部長は、「基本的に(完全移籍で)1年で戻ってくることはサッカー界でなかなかないですけど、彼の思いやサンフレッチェ広島が今まで築き上げたものを考えると、それ(復帰)を迎え入れるクラブだと思うので移籍が決まったと思います」と話した。

 松本は昨シーズン、浦和で公式戦39試合に出場して3ゴールを記録。この1年間で、「より個の能力が足りないと思いましたし、広島にいた時は周りに自分の長所を生かされていたんだなとすごく感じました」と移籍を経験したからこその課題を痛感し、「また個の能力を伸ばせるように広島で上積みしていきたいです」と意気込んだ。

 昨年11月9日に行われた昨季のJ1リーグ第36節では、浦和のユニフォームをまとってエディオンピースウイング広島のピッチに立ち、試合後にゴール裏のホームサポーターに挨拶した時は涙を流した。

 松本は、「試合前はしっかりブーイングをしてもらって、最後に挨拶に行った時もしっかりブーイングされるかなと思っていましたけど、めちゃくちゃ温かい言葉を僕の耳に届くぐらいの声量で言ってもらったので、感謝の気持ちやいろんな気持ちが込み上げてきました」と振り返る。

 それから2カ月、松本は再び紫のユニフォームに袖を通した。
「広島のために自分の全てを懸けて頑張るだけです」。新たな覚悟を持った14番が帰ってきた。

取材・文=湊昂大
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