旅行業大手の株式会社エイチ・アイ・エス(HIS)と、トッテナム・ホットスパーがオフィシャル・リージョナル・パートナーを締結。14日に会見を行った。
会見にはスパーズのチーフ・レヴェニュー・オフィサー(CRO)のライアン・ノリス氏、HISの矢田素史代表取締役社長、加治木宏法人営業本部長が出席。調印書を取り交わした。

 契約期間は2027-28シーズンまでの2年半。2026年4月18日(ブライトン戦開催予定日)には、スパーズの本拠地であるトッテナム・ホットスパー・スタジアムで日本文化や芸能、芸術を世界に発信する機会として“ジャパンデー“を開催することも発表している。

 今回の契約締結に際してHISは、スパーズが掲げる『To Dare is To Do』(挑戦なくして成功なし)と、同社の理念である『「心躍る」を解き放つ』と深く共鳴したことを理由に挙げている。今後はオフィシャルツアーや現地でのレジェンドとのミートアンドグリートといったツアーだけでなく、日本の店舗などで「スパーズの聖地のようなものができれば」(加治木本部長)としている。また、スパーズはサステナビリティについて、高く評価されているクラブということもあって、スポーツを軸としたプログラムを開発してBtoBでの取り組みも展開していきたいとしている。

 加治木本部長は上記の説明のほか、スパーズの本拠地であるロンドンまで日本からの直行便があることやHISのヨーロッパ拠点があることも理由として挙げ、今回発表した取り組み以外にも「ここをスタートして、さらに拡充したいと考えています。BtoCにおいては子どもから大人まで2世代、3世代の旅行もターゲットにしていますが、コアのターゲットはサポーターとなる30~50代」と続け、契約期間の先とはなるが2030年までのゴールとして「ヨーロッパ=HIS」としたいと続けた。

 ノリスCROは、2024年7月にスパーズがプレシーズンマッチを行った数カ月前に初来日以後、計8回訪日をしているとのことで、「毎回新しい学びや出会いがある中、クラブとしても紳士的に取り組むべきと考えている」と日本全体も高く評価。サステナビリティ分野での取り組みは事実上初と言っていいものとなり、あえて記者会見で発表することは「これまでのパートナーシップでもなかなかないこと」と重要度を強調。ブランドや取り組みの認知は「一夜ではできない」とし、「長期でブランドを育てたいと思っています」と続け、短期で終わらないものとしたいとコメントしている。


 また、日本を選んだ理由として「大きなファンベースがあること」も挙げる。スパーズはこれまでソン・フンミンの影響もあって、韓国人を中心とした多くのアジア人がスタジアムを訪れ、韓国企業のスポンサーも多くついた。一方で、今夏にソンは退団。長期にわたって胸スポンサーを務めている香港企業の「AIA」も2027年夏からは形を変えたパートナーシップとなり、胸スポンサーからは外れる。転換点と言ってもいいタイミングになるが、「この数年、いろいろな企業との取り組みが増えています。もちろん、ソニー(ソンの愛称)の存在も大きいですが、もう一つはプレミアリーグ内でも随一のアジアファンベースがあります。その情報も蓄積されています。プレシーズンマッチはこの10年で8回アジアで行っており、例えばAIAのサッカー教室では、約25万人の子どもたちを教えてきました。スパーズとして、これからもそういった価値を提供していきたいと考えています。ファンベースをさらに拡大していき、より近い関係をつくることに期待しています。デジタルやソーシャルなども駆使し、アジアや世界がどれくらい近く感じられるかなど、HISとの関係においても、そういった部分の期待があります」と、

 スパーズは2025年夏に高井幸大と古賀塔子の日本人選手2名を獲得(高井は今冬にボルシアMGへ半年間のレンタル移籍)。今冬にはチェルシーから浜野まいかをレンタルで迎え入れている。
日本人選手との関わりも増えたが、「オン・ザ・ピッチでの取り組みや戦略にも大きく関わります。アジアの選手も増え、これからも優秀な選手の獲得はクラブとしても期待している部分もあります」と、気になる発言も残している。
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