そのためには、昨季57失点という守りの改善が急務の課題だ。進藤亮佑がV・ファーレン長崎、西尾隆矢がRB大宮アルディージャへ移籍。元日本代表GK中村航輔、2023年のU-20ワールドカップに参戦したDF田中隼人ら新戦力が加わり、新たな守備組織を構築しなければいけない。そのキーマンの一人と目されるのが、昨季水戸ホーリーホックのJ2優勝・J1初昇格の原動力となったDF鷹啄トラビスだ。187センチという高さを誇る24歳のDFは、市立船橋高校から駒澤大学へ進み、卒業後の2023年はJFLのFC TIAMO枚方からプロキャリアをスタートさせた異色の経歴の持ち主である。
「大学の(秋田浩一)監督から『本当に誰が見ているか分からないから、自分を信じて常にやり続けることが大事だ』と言われましたし、Jリーグで活躍するためにJFLは必要な舞台だと思ったので、前向きに捉えて進みました。当時は介護施設で働きながらのプレーだったんですが、その時からJリーグで活躍する姿は常に想像できていた。自信はすごくありました」
「当時の監督は二川さん(孝広/現アンバサダー)、コーチはオグリさん(大黒将志/現奈良クラブ監督)だったんですけど、特にオグリさんから『一番大事なのはサッカーを楽しむこと。試合も一番楽しいところなんだから、別にそんなプレッシャーを感じてやる必要もないよ』と言われた。それが大きかったですね」と鷹啄は述懐する。
マインドの変化が成長を助長し、1年でJ2を戦う水戸にステップアップ。
そのまま水戸に残ってJ1を戦うという選択肢もあったが、鷹啄が見据える世界はより高かった。香川真司や南野拓実ら世界に羽ばたく選手を数多く輩出しているセレッソに思い切って移籍し、自分自身の殻を破ろうと考えたのだ。
「セレッソはほぼ名前を知っている選手ですし、そういう経験のある選手の中で成長したいという思いが一番でした。パパス監督からの熱いオファーも自分の心を動かしました。水戸に残ってJ1でチャレンジするのも良い選択肢ではあったのですが、水戸だとある程度は自分の立ち位置が確保される。だけどセレッソは能力の高いが多いし、より厳しい競争の中でやれる。自分は高い山を登るチャンスがあるんだったら、迷わず行くタイプ。チャレンジしようと水戸を出る決意をしました」と鷹啄は偽らざる胸の内を吐露する。
セレッソでは井上黎生人や新加入の田中隼人らとの競争となる。まずはそこを勝ち抜き、畠中槙之輔のパートナーを射止め、百年構想リーグで手堅い守備を見せていくことが重要になる。
J1で確固たる地位を築ければ、市船時代の同期である鈴木唯人、畑大雅らがプレーする欧州への道も開けてくるかもしれない。大卒でJ3からキャリアをスタートさせ、日本代表、ドイツ・ブンデスリーガ1部へと上り詰めた安藤智哉のような軌跡を辿ることも十分可能ではないか。
「唯人からは『(J1昇格)おめでとう』と言われました。『もう少しで唯人と同じレベルに行けるから待っててね』という話はしましたけど、本当にここからは自分次第かなと感じます。JFLから日本代表や海外に到達した選手はいないと思うので、初めての存在になれるように頑張りたい。安藤選手を見ていると本当に現実的なことかなと思えてきますし、すごく勇気づけられる。自分もセレッソらしいサッカーをして、上のレベルにチャレンジしていきます」
目を輝かせる鷹啄。市船仕込みの雑草魂を持つ男は“飽くなき野心”を持ち続け、日本最高峰リーグで強烈なインパクトを残すつもりだ。2月7日のガンバ大阪との大阪ダービーで、97番をつける大型DFが異彩を放つことを、今から心待ちにしたいものである。
取材・文=元川悦子

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