
【概要】エブリイ、ハイゼットカーゴなど軽バンの車中泊仕様車4台を紹介。車中泊専門誌『カーネル』&「SOTOBIRA」の過去記事「車中泊の達人」シリーズから4名をピックアップし、抜粋記事を紹介する。
①ダイハツ・ハイゼットカーゴハイルーフ/渡辺圭史さん

アウトドアや車関連のフリー編集者である渡辺さん。車中泊をしながら取材先に向かうことも多く、愛車のハイゼットカーゴハイルーフは、車中泊&仕事部屋として使っている。

構想期間は約3カ月。材料はすべて、ホームセンターと通販サイトのアマゾンで買えることが条件。木材加工に1日をかけて、車への組み付けは2日。計3日のDIYで基本的構造物が完成した。

フロアはカフェ杉という厚い板を置き、メタルプレートで木材を連結して固定。リアサイドは朝日を感じたいので、スリット状の木製シェードを自作。磁石で脱着できるようになっている。

自作のテーブルの下にあるのはワイン用の箱。自宅の荷物整理用に購入していたものを2個を並べて、鉄のクランプで2カ所固定し、横長に置いている。洗面用具、食器、ガスコンロ、ランタンなど、すべてがこの中に。

テーブルや収納ボックスは置いているだけなので、ボディのサービスホールにアンカーを取り付け、カラビナやロープで固定している。
ガラスのジャグと排水用のステンレスロートも設置。水回りを設置するか悩んだが、車内で食後の歯磨きができるのはありがたいという。

電源はSUAOKIのポータブルバッテリーを使用。電気容量は222Whタイプ。あまり電気を使うシーンがないので、十分なサイズだという。室内の照明やカメラの充電などに使うことが多い。
自宅で充電することはなく、そのすべてを走行充電でまかなっている。シガーソケットからの充電だと満充電されないことが多く、昇圧器を間に接続している。
出典:カーネルvol.49 2021年春号
写真:中里慎一郎
▼SOTOBIRA「簡単DIYでウッディな軽バンに。車中泊の達人が仕上げた動く仕事部屋」▼
②スズキ・エブリイ/三沢真実さん
“キャンプのある暮らし”をテーマに、ライフスタイルを発信するクリエイターズユニット「キャンモック」の三沢真実さん。
三沢さんはキャンプを軸にした撮影、スタイリング、イベント企画運営などを行っているので、仕事では荷物をたくさん運ぶことが多い。

そんなとき、バンライフ仕様のこの車が活躍してくれる。さらに、子どもとのキャンプ旅行では、この車が大切な時間を過ごすための欠かせない存在となった。

効率的に利用できるラゲッジスペースは三沢さんのこだわり。荷物がたくさん載せられるように、棚などの出っ張りをなくし、広い空間を確保した。バンライフ車両を製造する「シエルブルー」が手がけている。

ラグやマットを組み合わせて、車内でリラックスできる環境を作っている。仕事やレジャーの両方で使うので、限られた空間でありながら、オンとオフを切り替えられるのも大切な機能性といえる。

エクステリアは、三沢さんが一目惚れしたモデストカーズ「ピコット」のキットで、レトロなヨーロピアンスタイルが完成。

ルーフキャリアは積載量を考えた大型タイプ。荷物の積みおろしのために、リアにラダーを装着している。
出典:カーネルvol.49 2021年春号
写真:中里慎一郎
文:渡辺圭史
▼SOTOBIRA「センス抜群の軽バン・エブリイ! バンライフ仕様で車中泊キャンプや仕事に大活躍!」
▼【三沢真実さん連載】「アリとおかあさんの車旅」▼
スズキ・エブリイ/萩原さん

趣味の釣りを楽しむために、エブリイを車中泊仕様にDIYしているという萩原さん。
釣りを楽しむのは自分だけ。なので奥さんへのサービスとして、東京都内へ食事や買い物に出かける際にもこのエブリイを頻繁に使用。そんなときにゆったりくつろげるようになっている。

ベッドはイレクターパイプでの自作も一考。

床の高さは300mmから400mmに調整が可能。ある程度の高さが確保されていることで、釣り道具はもちろん、かさばるチェアなども収まる。

「綿密に計算して高さをギリギリに調整した」という収納を兼ねたバッテリースペース。ベッドキットのフレームに干渉しないように、リア左側に設置。電源まわりのスイッチも備えられている。

車中泊を楽しむ際のマナーを気にするそうで、「現場では静かにすること。まわりに迷惑をかけないこと」をモットーに楽しんでいる。

いっぽう、車内で燃料を使って食事をとることに躊躇があり、調理道具はすべて電気製品で統一しているのが特徴。電気でも十分に食事を楽しめるとのこと。
出典:カーネル 2019早春号 vol.42
▼SOTOBIRA「【車中泊の達人】軽バン・エブリイを釣り車中泊仕様に!」▼
ダイハツ・ハイゼットカーゴ デラックス/沢崎さん

夫婦+愛犬で車中泊旅を楽しむ沢崎さん。

自作ベッドの寝室空間は、夫婦ふたりでも余裕あり。荷室スペースはもちろん、助手席まで倒してベッドの面積を広げたことで、ゆとりのある空間を実現。助手席を倒した状態の全長は約230㎝。

フロアは木材を使って自作。床下から高くして、掘りコタツのようにくつろげるリビングになっている。ふたりが向かい合って座っても、足下にゆとりあり。これはイイ!

沢崎さんが「コレだ!」と気に入って、わざわざ探してまで同車を手に入れた理由。それが車内天井左右にある空間。幅10㎝ほどのスペースがあり、小物が置けるようになっている。

この10cm足らずのスペースが、リアから後席天井まで続いている。沢崎さんはインテリアバーと網棚を使って天井に収納スペースを確保。片側だけ設置して頭上空間への干渉を軽減。
さらに、バッテリーへの配線もそのまま隠すことが可能。ほかにも収納へのこだわりは多数あり。

ラゲッジの収納棚には、様々な道具が機能的に収められている。2×4と1×4、パイン材を使って製作されており、棚の高さは綿密に計算されている。靴箱の裏には電源まわりの棚がある。
出典:カーネル 2019早春号 vol.42
取材:野里卓也
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