スノーピークが「車中泊」業界に!? 日本仕様のトレーラーをリリース!雨に強いオーバーランドスタイル

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【概要】スノーピークのカーゴトレーラー「フィールドトレーラー」の特徴などを紹介。



キャンプ好きなら誰もが一度は耳にしたことがあるアウトドアブランド・スノーピーク。

同社が手掛けたカーゴトレーラーが発表された。



カーゴトレーラーの名前は「フィールドトレーラー」。トレーラーの専門メーカー・ブラストトレイルとタッグを組んで開発。なんとスノーピークからラブコールを送って、製品化が実現したという。



初お披露目の場は、2024年1月に行われた「東京オートサロン」。さっそく実車をチェックするとともに、製品について話を聞いた。



[ アルバム : 【画像ギャラリー】スノーピーク「フィールドトレーラー」 はオリジナルサイトでご覧ください ]



会場でスノーピークの担当者に会ったとき、思わず「どうしたんですか?」と聞いてしまった。それほどまでに「スノーピークがカーゴトレーラーを出す」ということに衝撃があったからだ。



「そうですよね。突然どうしたんだろうって感じですよね(笑)」と笑顔で対応してくれたのは、このフィールドトレーラーの開発担当である金子紘大さん(スノーピーク 未来開発本部Gear開発課エグゼクティブクリエーター)。



もちろん、オートキャンプとクルマは切っても切り離せない関係で、過去にも他ブランドの名を冠したキャンピングカーやレンタルキャンピングカーもあったけれど、なぜスノーピークがカーゴトレーラーの発売に踏み切ったのだろうか。



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「実はけっこう前からカーゴトレーラーを作りたいという話は出ており、代表取締役の山井(山井 太氏)が切望していた製品でもあります。

スノーピークは数年前から海外進出を本格化していますが、そのなかで海外から影響を受けたものがいくつかあって。そのひとつがカーゴトレーラー+ルーフトップテントの組み合わせでした」と金子さんは話す。



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スノーピークのユーザーはファミリー層が多い。ファミリーキャンプを楽しむためには大きいサイズのテントが必要となるが、当然、設営や撤収には時間がかかる。



その時間を短縮でき、アクティビティなど+αを楽しめるギアのひとつが、“クルマのルーフ”ではなく、“カーゴトレーラーのルーフ”に、テントをドッキングさせた「フィールドトレーラー」というわけだ。



「ファミリーキャンプを楽しむ層に、『キャンプ+αの楽しみ』という新たな価値観を提案したい」というのが狙いだ。



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「ルーフトップテントはファミリー用のサイズですが、設営は付属している滑車のロープを引き、支柱にもなるハシゴを取り付け、あとは4カ所をペグダウンするだけ。女性の力でも5分ほどで展開、撤収が可能です。



それにカーゴ部にはキャンプ道具だけじゃなく、アクティビティの道具も存分に積み込める余裕があります。設営・撤収にかかる時間を大幅に減らし、さまざまな野遊び道具を積み込んで、アクティビティなどのキャンプ+αを楽しんでいただければと思っています」(金子さん)



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カーゴ部はブラストトレイルが、ルーフトップ部はスノーピークがメインで担当。近年注目を浴びている「オーバーランドスタイル」を意識しているが、見た目のカッコよさだけではなく、スノーピークがこれまでキャンプギア開発で培った技術が注入されている。



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「現在流通しているルーフトップテントの多くは海外製。

アメリカやオーストラリアなど乾燥地帯で使うことを前提に作られているので、濡れたときのメンテナンスを考えられていないものが多くて。だからスノーピークが作るなら、日本の気候や道路環境などに合わせたものにしたかったんです」



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と金子さんが話すように、雨や露などで濡れた際の対策も、しっかり盛り込まれている。そのひとつが、ルーフトップテントでありながら「取り外しやすい」ということ。



フィールドトレーラーのテント部は一般的なキャンプのテントのように、フレームからフック、フロア部は面ファスナーを外していけば、幕だけ取り外すことができる。



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これができると濡れたまま撤収した際、ルーフトップテントだけを乾燥できる。後日クルマごと移動して干す、という手間が軽減されるのはかなり楽だ。



「干す場所がなければ、スノーピークの“乾燥サービス”を利用することもできます。また、例えば穴が開いてしまったなんてときには、テントだけ送ってもらって修理対応ができるというメリットもあります」(金子さん)



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さらに、ルーフトップテント本体の上に「シールドルーフ」という屋根が取り付けられた二重構造になっているのも特徴。



テント本体もルーフも、生地は同社タープで採用されている厚めの210Dを採用。耐水圧は1500mmミニマム。重さはあるが、クルマで運ぶものなので軽量化よりも頑丈さ、遮光性を優先している。



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そしてテント本体の上部には「メンテナンスハッチ」を装備。

これは例えば雨天時などに、メンテナンスハッチを開けばテント内から幕の取り外し作業ができる。雨のなか濡れながら、屋外&高所で作業しなくてすむ便利機能だ。



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ほかにも、テントのフロアサイズに合わせたインナーマットや、傾斜地でもテントを平行に保つために高さ調節ができるスタビライザーを標準装備。カーゴ部分はアルミニウム合金製で、タフに使えてメンテナンスも容易だ。



けん引免許は不要で、普通自動車免許でけん引OK。ヒッチメンバーの取り付けや各種手続きが必須だったり、駐車場探しなども必要になるが、この1台があればきっとアウトドアや旅の楽しみが広がるはず。



なにより海外製が多かったこのカテゴリで、日本のキャンプギアブランドが、日本で使いやすい素材や機能を搭載して作り上げたという安心感がある。



今後もモビリティ系の開発を予定しているのか聞いてみると、「具体的な計画はまだお伝えできませんが、このフィールドトレーラーだけで終わりにはしたくないと思っています。キャンプギアブランドではありますが、キャンプ場の中だけで使うものに収まりたくはない。もっと広い視野で展開できればという思いがあります」(金子さん)



本受注は2024年4月からだが、イベント出展時なでどでも先行受注を受け付けている。納期は約半年とのことだ。



スノーピーク フィールドトレーラー



価格:261万8000円



セット内容:トレーラー本体、テントベースフレーム、テント本体、シールドルーフ、バイザーフレーム、テントキャリーバッグ、滑車、梯子×2、輪留め×2、インナーマット×2



ルーフトップテント展開室内サイズ:約320×200×H125cm
就寝定員:4名
カーゴ部荷室内サイズ:約172(最大)/128(最小)×238×H99cm





写真、文:横山穂波(SOTOBIRA編集部)