【車中泊DIY】年間300日過ごせるN-VANの作り方② 車内インテリアで大事なのは「引き算の美学」

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【概要】人気軽バンのホンダ・N-VANで年間300日車中泊するruiさんが、愛車のDIYについて紹介。②ではユーティリティーナットの活用法、収納、電源&照明、インテリアコーディネートのテクニックなど。



新車だからクルマに穴をあけたくなかった。丸ノコで木を切ったこともなかった。それでもN-VANならここまでできる! 初心者のためのDIY裏技まるっと公開その②!



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少しの手間だけで全体の印象はガラッと変わる!



▼その①▼





キャンピングカーの内装は、どうしても白を基調としたものが多数。デザインも北欧風かオールド・アメリカン、ごくたまに和風モダン、といったものが多い。



オリジナリティと自分の好みに全振りするために、このN-VANのコンセプトは「アジアンテイストの雑貨店」をモチーフにした。



バリ島の家具などに見られるダークブラウンを再現するために、木材に塗るオイルに「ワトコオイル」のエボニーを使用。ほかではあまり見ない、暗いインテリアを目指した。



初心者がやると、どうしても「お父さんの日曜大工」感が出てしまう木を使ったDIY。その印象を一発で払拭できる技は「角をすべて丸くする」こと。



パッと見てダサいと思う要因は、木材の角が四角いからだ。地味で時間のかかる作業だが、使用する材料の角を可能な限りていねいに面取りするだけで、車内の印象が一気に変わる。



そのため、工具を買うときは必ずサンダーも買っておいたほうがいいだろう。



また、見た目の印象を大きく左右するのが、インテリアやファブリックなどの色選び。



センスのある人はさまざまな色味のアイテムを合わせても、全体的に統一感を出せるもの。しかし自分のセンスに自信がないなら、使う色を統一しておくのがセンスアップへの最短距離。



お気に入りのショップやブランドを決めてアイテムをそろえるのも、おのずと統一感が出るのでおすすめだ。



そのため、気に入っているのに色が合わないアイテムも多々出てくるかもしれないが、そこは潔くカット。大事なのは、「引き算の美学」。何を足すかではなく、何を使わないか? なのだ。



N-VAN車中泊仕様のワザ



テーブルのギミック



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画像1: テーブルのギミック



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画像2: テーブルのギミック



運転席側の後ろを占める大きなテーブル。引き出しには跳ね上げ式の天板を設置、L字テーブルとしても活用できるようにした。



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画像3: テーブルのギミック



テーブルの下を隠すつもりで作った側板は、折りたたみ式の棚受け金具を取り付け、テールゲートを開けた際の小テーブルに。



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画像4: テーブルのギミック



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画像5: テーブルのギミック



電源タップやUSBハブは最初から裏に固定しておくとテーブル上がスッキリする。



ユーティリティーナットをフル活用



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画像1: ユーティリティーナットをフル活用



荷室の壁面にあいているユーティリティーナットに1×4材をM6のボルトで固定。この板ならいくらビス打ちしても車体は無傷。さまざまなものを気兼ねなく装着可能になる。



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画像2: ユーティリティーナットをフル活用



ユーティリティーナットの縦列のピッチは約12cm刻み。

詳しい図面はホンダのサイトにもある。1×4材の基礎となる縦板をボルト留め。



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画像3: ユーティリティーナットをフル活用



断熱材を入れて、同じ1×4材の横板をビス打ちするとウッドパネルの完成。縦板は最初に4枚作っておくとあとが楽だ。



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画像4: ユーティリティーナットをフル活用



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画像5: ユーティリティーナットをフル活用



収納棚も縦板にビス打ちで固定。こちらも裏には断熱材を入れておく。棚の裏にあらかじめ照明用の配線を通しておくと、ケーブルが隠れてスッキリする。



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画像6: ユーティリティーナットをフル活用



違う照明に変えたいときやケーブルが断線したときのために、メンテナンス用のフタを作っておいた。



高さが自在な可動棚



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画像1: 高さが自在な可動棚



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画像2: 高さが自在な可動棚



テーブルの後ろに取り付ける柱には、棚受けレールというパーツを設置。これは好きな高さにブラケットを差し込むことによって、棚の位置を自由に変えられるパーツ。



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画像3: 高さが自在な可動棚



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画像4: 高さが自在な可動棚



まだ何を入れるか決まっていない場合でも、棚の高さをいつでも変更できる。



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画像5: 高さが自在な可動棚



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画像6: 高さが自在な可動棚



基礎の縦板と先ほどの柱にレールをつけ、その間に棚板を設置。これでテーブルも車体に固定できる。



天井収納



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画像1: 天井収納



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画像2: 天井収納



ベッドキットを組まない場合、収納はおのずと上方に作ることになる。そこで、棚の天板とウッドパネルの上部の高さをそろえて、1×4材を並べると、かなりの収納力がある天井収納ができる。



カーテン



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画像1: カーテン



窓にカーテンをつけると、毎晩面倒なシェードの着脱から解放される。内張りに穴をあけてレールを取り付けるのが一般的だが、穴あけなしでもできる一例を紹介しよう。



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画像2: カーテン



カーブに合わせて自由に折り曲げ可能な出窓用カーテンレールを用意。ポイントは、壁付け金具がL字のものを選ぶこと。



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画像3: カーテン



このL字の金具を押し曲げて、内張りに挟み込めるようにすると、穴をあけずにレールを取り付けられる。レールは5mあれば前+左右各2枚までの窓をカバー可能。



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画像4: カーテン



内張りを少し引き出し、レール取り付け金具を挟んで元に戻せば意外としっかりと固定される。



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画像5: カーテン



ほかの車種だと、この部分が鉄板の場合もあるので、その場合は強力な両面テープやフック付きマグネットなどで代替することもできる。



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画像6: カーテン



レールを取り付ける際には、たたんだ状態のカーテンが運転席と助手席の窓にかからないように余裕をもって長さを決めなければならないので注意(道路交通法第55条第2項)。



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画像7: カーテン



また、走行中に誤ってカーテンが閉まらないように、しっかりとタッセルで固定しよう。



タッセル&カーテンフック



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画像1: タッセル&カーテンフック



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画像2: タッセル&カーテンフック



カーテンをスタイリッシュに見せるポイントは、じつはカーテンそのものではなくタッセルとフック。無難なもので済ませるのではなく、しっかりインテリアにあったものを選ぼう。



インテリアテープ



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画像1: インテリアテープ



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画像2: インテリアテープ



DIYで多用されるアイアンバー。いろいろ吊るせて便利だが、そのままだと走行中に動いてしまうので、インテリアテープなどを巻いて滑り止めにする。



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画像3: インテリアテープ



おしゃれ度もアップして一石二鳥だ。



電源&照明



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画像1: 電源&照明



車中泊の必需品・ポータブル電源は、必ず直射日光の当たらない場所に設置すべし。



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画像2: 電源&照明



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画像3: 電源&照明



車内で使う照明器具はすべてUSBで電源供給できるものを選び、スイッチ付きハブで集中管理。



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画像4: 電源&照明



容量不足にならないようにAC電源が使えるセルフパワーのハブを選ぼう。



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画像5: 電源&照明



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画像6: 電源&照明



天井に吊ったLEDランプのケーブルを隠すために使ったフェイクグリーンを、ランプ本体にも巻くと間接照明っぽくなった。



収納



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画像1: 収納



収納が完成したら、実際に車内で使うものをカテゴリー分けして入れてみる。



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画像2: 収納



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画像3: 収納



このとき、プラスチック製や木製の入れ物よりも、布製のものやカゴなどを使うと、多少容量オーバーでも形が柔軟に変形してくれるので便利だし、見た目もおしゃれだ。



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画像4: 収納



棚や引き出しをDIYするときは、必ず入れるモノを先に決めてから、それに合わせて作るのがポイント。



今後の展開は?



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画像1: 今後の展開は?



このDIYをするにあたり、マイクロバスをDIYして車中泊を楽しんでいる「旅するくまころりん」親方に弟子入り。



経験豊富な親方のもと、木の切り方から塗装の仕方、ビスの打ち方など、いちからご指導いただき、1カ月半かけて作りあげた(その間、ずっとマイクロバスに居候していた)。



想像していたよりもすごいものができあがり、その後は年間300日、このクルマで車中泊しているがまったく不自由は感じていない。



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画像2: 今後の展開は?



ただ、当時から仕事の環境が大きく変わり、デスクワークが増えてきたので、今度は足を下ろして座れるレイアウトにしたいな、といまもクルマの中で妄想を膨らましている最中である。



写真:rui、まるなな、逢坂聡 
文:rui 
初出:カーネル2024年9月号vol.68



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