
【概要】YouTuber・まるななさんが愛車の軽キャンピングカー・テントむしについて語るシリーズ企画。今回はテントむしのポップアップルーフについて、良かった点と気になる点などを解説。
テントむしのポップアップルーフについて語ります!

今回は、軽キャンピングカー(以下、軽キャンパー)・テントむしの「ポップアップルーフ」について。
ポップアップルーフとは、クルマの屋根部分が持ち上がり、天井を高くすることができる装備。ポップアップすることにより車内が広くなるほか、ロフト部分ができるため就寝人数を増やすことができます。
私の乗っている軽キャンパー・テントむしの名前の由来にもなっている特徴的な装備。発売当時(2006年)から、車中泊キャンプを意識したようなネーミングですね。
実際に5年間、テントむしに乗り続けた筆者が「ポップアップルーフってどう?」という率直な感想を書いていきます。
まるなな……中古で購入した軽キャンピングカー「テントむし」でキャンプ、登山、車中泊を楽しむ軽キャン女子。その模様はYouTubeやブログで配信中。
[ アルバム : 【画像ギャラリー】軽キャンパー・テントむしのポップアップルーフ はオリジナルサイトでご覧ください ]
ポップアップルーフって必要?
実は、ポップアップルーフをほとんど使っていません。年に数回、日干しを兼ねてポップアップするくらい。
その理由はひとりでの車中泊旅がメインで、シートを展開したベッドで寝ているから。
ポップアップルーフは必要派と不要派がはっきり意見が別れるので、私の体験談がすべての人に当てはまるものではありませんが、私が感じたテントむしのポップアップルーフのメリットとデメリットについて解説していきます。
テントむしのポップアップルーフの良いところ(メリット)

● 天井が高くなる
● 換気ができる
● 虫が入ってこない
● 涼しくなる
● 暖かくなる
● 明るくなる
● 荷物置き場ができる
● 就寝人数が増える
天井が高くなる
ポップアップすると、一気に天井が高くなり開放感がまったく違います! もちろん、立って着替えもできますが、テントむしの車内は普通乗用車よりも天井が高く、ポップアップしなくても不便は感じません。
換気ができる
車内でニオイの強い食べ物を食べたり、車内が結露した時に、ポップアップすると一気に解消します。扇風機が2個あると、さらに効率的に換気ができるのでおすすめです!
虫が入ってこない

テントむしのポップアップルーフは、ジッパーを開けると全面網戸! 「車内なのに車外」という不思議な空間。
自然の空気や鳥の鳴き声を楽しめるのに、まるで蚊帳の中にいるかような安心感。キャンプがしたいけど、虫が苦手という方でも快適に過ごすことができます。
涼しくなる
車内の上部にこもった熱気を排出したい時には、ポップアップするに限ります。テント部分のジッパーを開けると、大きな網戸になるので夏の暑い時期のポップアップは効果的です。
暖かくなる
何言ってるの?って感じですが、寒い時期に車中泊すると朝方冷え込みますよね? 太陽が昇ってきたら車内が暖かくなるイメージですが、キャンピングカーは違います。
車体が断熱されており、普通のクルマより窓の面積が少なく、遮光カーテンで日差しを遮っているため、車内温度は普通車より上がりにくいのです。
朝方冷えた車内に多少、朝日が当たっても車内の温度が急に温度が上がることはなく、外に出てみると車外の方が暖かく感じるときがあります。
そのため、日差しがあるときにポップアップすると、温室のように車内が暖かくなります。もちろん、曇りの日や外気温が低い時期にポップアップすれば寒いです(笑)
車内が明るくなる

キャンピングカーの車内って意外と暗いのです。イベント展示車は、ライトアップしているので意外と気づきにくいところかもしれません。
テントのような生地なので、ポップアップすると車内が一気に明るくなります。
荷物の置き場が増える
軽自動車のため、収納スペースが少ないのが現実。そんなときはポップアップし、ロフト部分に荷物をよけておくことができます。
就寝人数が増える

ポップアップしたロフト部分がベッドになり、就寝人数を増やすことができます。大人ならば1名、子どもなら2名くらい就寝可能です。
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テントむしのポップアップルーフの気になるところ(デメリット)
● ポップアップできる場所が限られる
● 音が気になる
● 強風時は破損の可能性あり
● 雨、雪のときに浸水する可能性あり
● 車内が寒くなる
● ポップアップベッドは揺れる
ポップアップできる場所が限られる
ポップアップルーフは使える場所が限られます。正々堂々とポップアップできるのは、オートキャンプ場やRVパークなど、車中泊を可としているスポットのみ。たまに日干し目的で、公園の駐車場を利用することもありますが、短時間に留めています。
どこでも好きな場所でポップアップルーフができるわけではない、というのがポップアップルーフをを使わない一番の理由です。
音が気になる
私の乗っているキャブコンタイプの軽キャンパーは防音にも優れていますが、ポップアップすると、テント部分から車外の音がダイレクトに車内に入ってきますし、その逆に車内の音が外に漏れ出してしまいます。
強風時は破損の可能性あり

強風時は、破損が怖いのですぐに下ろします。もし、破損ということになれば修理費が怖いです(笑)
雨、雪のときに浸水する可能性あり
ポップアップ部分の素材によりますが、雨天時は浸水するものもあるようです。濡れてしまったときやしばらく使っていないときは、カビ防止のため日干しが必要です。
車内が寒くなる
冬季は、テント部分より冷たい空気が入ってきます。寒い時期にFFヒーターを使っている場合は、下は暖かいけど上が寒いということがあります。ちなみに夏はその逆になります。
ポップアップベッドは揺れる
クルマなので、下の人が寝返りを打つとロフト部分で寝ている人は震度1くらいの揺れを感じます。敏感な人なら酔ったり、目が覚めちゃうかも?
ポップルーフありきで就寝人数を決めるのはちょっと待って!

最近の軽キャンパーは、ポップアップがあれば軽自動車でも4名就寝ができることが、アピールポイントになっていますが、家族4名での車中泊はかなり厳しいのでは?と思っています。
1階部分に大人2名、ロフト部分に低学年以下の子ども2名なら……いけるかも? お子さんが小さいときにだけ……と割り切って使うのもありかもしれませんが、いずれ手狭になり、買い替えを検討したくなると思います。
ポップアップルーフありきで、就寝人数を決めるのは危険です。
キャンピングカーメーカー各社のポップアップルーフ車

左から、テントむし、インディ108、インディ727、バロッコ。
一見同じようなポップアップルーフでも、キャンピングカーメーカーにより、素材や開口部の大きさ、網戸の位置が違います。

テントむしは、テントのようなナイロン生地。網戸の開口部が大きく、車内なのにまるでテントの中にいるような感覚です。
でも私はポップアップルーフは使わない派
北海道は雪が降ります。
FFヒーターが設置されているとはいえ、ポップアップするとテント部分から冷気が入り込み、降雪時は雪下ろしが大変なので、冬にポップアップすることはありません。
ただ、最近の北海道は日中暑い日が多く、断熱の効いた冷房のないわが家では、室内の熱が外に逃げにくいため、夜でも部屋の中が暑いままということがあります。
そんな日は、自宅の駐車場で車中泊。ポップアップルーフのおかげで自宅より快適に眠ることができました。
そこで、今まで気がつかなかったポップアップルーフならではの、新たなメリットに気がつきました!
いくら暑いとはいえ、車中泊で窓全開にして寝るのは危険。車内をのぞかれたり、人が入ってきたり、物を入れられる心配がありますが、クルマの上部を開放するポップアップならその心配が少ないです。
車内の横の窓を開けなくても涼しく寝られるメリットは、ポップアップルーフならでは!
ですが、郊外のキャンプ場は真夏でも朝晩は寒いこともありますので、夜に暑くて網戸にしたり、ポップアップして寝るということは、ほとんどありません。

ポップアップルーフは必要ないと書きましたが、せっかく装備されているものなので、就寝以外のことで活用しています。開放的で明るくて気に入ってます。
私の場合はポップアップルーフはあくまで車内を広くするための補助ツール。メリットとデメリットをふまえて使えば、便利なアイテムです。
軽キャンパーの主な使用用途が、「キャンプで車中泊」か「旅で車中泊」かによってポップアップルーフの使用頻度は変わってくると思います。
あくまで一個人の意見として、参考にしていただければと思います。
写真、文:まるなな