
【概要】スズキのコンパクトハイトワゴン「ソリオ」と「ソリオ バンディット」を車中泊目線でインプレッション。ラゲッジの広さや、車中泊にベストなシートアレンジ、乗り心地などを紹介。
後部席と荷室の広さ、+100mmの快適性を問う

写真はソリオ バンディット。
ソリオのもともとの祖先は、ワゴンRシリーズのワゴンRワイド。ソリオという名称が付いてから20年の月日が経ち、5年ぶりのフルモデルチェンジで4代目となった。
その人気の秘訣は、5ナンバー規格に収まるコンパクトなボディと広さの両立。近年、スズキのコンパクトカーで稼ぎ頭的存在なのだ。

こちらがソリオ。ソリオとバンディットの主な違いはフロントグリルなどの形状。外観デザインのベースは前モデルを踏襲しているが、ソリオは前モデルからフード先端を45mm、バンディットは25mm上げて、フロントまわりの厚みを増している。
今回のフルモデルチェンジで、大きく変わったのは荷室の長さ。ボディ全長はソリオで80mm、バンディットで70mmほど、前モデルより長く変更。それが荷室の奥行の+100mmに反映されている。

前モデルからソリオで80mm、バンディットで70mmほど全長が延長されている。その分、ラゲッジの奥行が100mm拡大。
荷物をより多く積載でき、5人乗車の際は後席が広く使用できるようになった。ボディサイズは長くなったが、最小回転半径4.8mは前モデルと変わらず。小回りのよさをスポイルしていないのは評価したい点といえる。
乗車人数や荷物の多さで使い分けられるラゲッジスペースも要チェック。後席が左右独立して可動し、さらに後席シートをスライドすることによって、荷室長が550mm拡張可能だ。

全幅も両モデルともに20mm広がっている。
メイングレードは、1.2ℓ直4エンジン+モーターのアシストによるマイルドハイブリッド搭載モデル。ストレスフリーかつ低燃費だ。
「スズキセーフティサポート」の進化で、夜間の歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキを採用し、乗員の安全を優先したファミリーカーに仕上がっている。
まずはラゲッジをチェック!


ほぼスクエアな空間のため、最大室内幅1420mmがむだなく使えるラゲッジスペース。荷室床面長は通常550mmだが、後席を前にスライドして715mm。さらに後席を前倒しすれば1390mmまで広がる。


後席はセパレートで動かせるので荷物によって使い分けが可能。
車中泊するなら、どんなシートアレンジがベスト?


上の写真は、前席の背もたれをリクライニングして、後席の座面に合わせた状態。身長175cmだとギリギリ。頭が少し後席の背もたれにかかる。
同車で車中泊するなら、上写真の状態がベスト。前席はリクライニング、後席は背もたれを前に倒して、前席の背もたれと繋げるアレンジだ。
ちなみに、ラゲッジチェックでも紹介したが、助手席も前倒しできるので、ソロの場合は助手席&後席右側を前倒しにしてもスペースは十分。ただし、前後のシート間のすき間が大きいのが問題かも。
運転のしやすさは?

左右一体型のインパネはセンターにメーター類を設置。ややドライバー方向に角度が変更されている。ナビモニターは全方位モニターとして駐車をサポート。

減速時のエネルギーで発電し、専用バッテリーに充電するマイルドハイブリッド。

ドライバーシート正面に立ち上がるヘッドアップディスプレイはスズキの小型車では初。

足まわりは15インチアルミホイールを装着。
[SPEC] SUZUKI SOLIO HYBRID MZ 4WD
全長×全幅×全高:3790×1645×1745mm
乗車定員:5名
車両重量:1040kg
エンジン形式:直列4気筒DOHC+モーター
総排気量:1242cc
WLTCモード燃費:18.4㎞/ℓ
エンジン最高出力:67kW(91ps)/6000rpm
エンジン最大トルク:118N・m(12.0kg・m)/4400rpm
モーター最高出力:2.3kW(3.1ps)/1000rpm
モーター最大トルク:50N・m(5.1kg・m)/100rpm
トランスミッション:CVT
燃料・タンク容量:レギュラーガソリン・30ℓ
駆動方式:4WD
価格:214万8300円
※価格は車両本体価格で、消費税(10%込み)
出典:カーネルvol.49 2021年春号
写真:佐藤正巳