中卒ホストが高校進学せずに後悔した理由
家庭環境以外の要因で中卒にならざるを得なかった人もいる。静岡県在住の愛斗さん(19歳)がそのケースだ。「小学生のときから人付き合いにストレスを感じやすく、その影響で中学生になるとめまいや蕁麻疹が出るようになったんです。医者からは心因性の病気と診断され、不登校気味に。学校からは『将来のために高校には行ったほうがいい』と言われたんですが、ひとり親の母は中卒だし、『体を大事に。自由な人生にしなさい』と言ってくれたので、高校は行きませんでした。
あとは姉が大学の学費や車代などを親に頼りっきりで、その姿勢に疑問だったのもあり、これ以上親の負担を増やしたくないと思ったのも理由です。中学卒業後は近所のコンビニで3年間、アルバイトを続けていました」
人気ホストの多くは大卒だった
次第にコンビニバイトの稼ぎに満足できなくなった愛斗さんは、華やかなホストの世界に足を踏み入れたが……。「店でも中卒は僕を含め2人だけ。ホストは顔さえよければいけると思っていたら“姫”に人気なのは話題をポンポン提供できる教養のある人で、上位ホストはだいたい大卒。僕は同世代の友達と過ごした時間も少ないから、はやりの話題にもついていけないし、丁寧語もまともに使えず姫の機嫌を損ねたこともあって、やはり学は必要だなと。
今はまだ月10万円しか稼げてませんが、早く100万円くらい貯めて定時制の高校に行きたいと思ってます」
ホストの世界に身を置いたからこそ、高校で学ぶことの大切さが身に染みたようだ。
取材・文/週刊SPA!編集部
―[[教育を奪われた]子どもの肖像]―