SNSを見ていると、連日のように「愛車の盗難」に関する発信が流れてきます。先日も埼玉県内のヤードで盗難車と思われる高級車が見つかったというニュースがありました。
では一体、どのような車が盗まれたり車上荒らしにあったりするのでしょうか。じつは、共通点があるんです。ディーラー勤務経験のある筆者が、当時の経験なども踏まえて解説します。

①希少な車

元ディーラー営業マンが暴露「盗難される車」に共通している3つ...の画像はこちら >>
何より狙われやすいのが、高級車をはじめとした入手困難な車です。特に狙われやすいのが海外での人気が高い車で、トヨタのランドクルーザーやアルファードを筆頭に、新車では入手困難な車なども名を連ねます。また、映画「ワイルドスピード」の影響で1990年代~2000年代初頭に作られた国産スポーツカーも狙われやすくなっています。

例えば日産スカイラインGT-Rやトヨタスープラ、マツダRX-7といった往年の名車と呼ばれる車は盗難リスクが高いです。筆者は日産系ディーラーに勤めていましたが、当時でもスカイラインGT-Rは整備入庫中などでも厳重に保管されていたと記憶しています。

②車内が散らかっている車

盗難に気をつけなければならないのは、車両本体だけではありません。車の中に置いてある貴重品もまた盗難リスクが高いのです。車の中に無防備にバッグを置いていたり、モノが乱雑に置かれている場合は、“車に対して関心が低い”と見られてしまい、犯人から狙われやすいといえます。簡単にできる防衛策としては、車の中に必要なモノ以外は置かない、貴重品は肌身離さず持っておく、車内は常に整理整頓を心がけるといったところです。

厳重にやるのであれば車にカバーをかけて保管するとか、カーセキュリティを導入するなどがあります。

③“意外な部分”が無防備な車

元ディーラー営業マンが暴露「盗難される車」に共通している3つの特徴。“意外な部分”が無防備な車は要注意
ナンバープレート
意外と思われるかもしれませんが、車のナンバープレートの盗難にも気をつけたいところです。日本のナンバープレートはなぜか海外でも人気で、盗まれたものが海外に流通しコレクターの手にわたるということも珍しくありません。


ナンバープレートが盗難に遭うと最寄の陸運支局に行って再発行の手配をしなければならないので手間になりますし、何より車が使えない期間が生じてしまいます。通常ナンバープレートはプラスドライバーで外せるビスがついていますが、これを特殊な道具でないと外せないロックボルトに変えるのが一番手軽です。1本あたり1000円程度で買えるので対策してみましょう。

また、車についている純正のタイヤホイールも狙われやすいです。高価なブランド物のホイールが盗まれやすいと思われがちですが、盗んだ後の流通を考慮すると足がつきやすいため、比較的流通量の多い純正ホイールを狙った窃盗も増えているのも事実です。こちらもやはり特殊な形状のホイールナットにするなどの対策をお勧めします。

少しの出費で愛車を守れるならば…

当然、盗む人間が悪いのでユーザー側が対策にお金をかけるのは無駄に感じます。ですが、盗まれた時のショックを考えると、少しの出費で愛車を守れるならば安いと思います。

盗まれた車や部品などが見つかることは極めて稀ですから、防衛することに越したことはありません。SNSを見ていても盗まれた車が見つかったと投稿している人は少ないため、冒頭でお伝えしたヤードから海外へ輸出されている可能性が高いのかもしれません。

高いお金を出して買った愛車ですから、オーナー自ら防衛するようにした方が良いのではないでしょうか。

<文/宇野源一>

【宇野源一】
埼玉県在住の兼業ライター。
大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801
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