物価高騰が常態化し、生活コストが家計をじわじわと圧迫する現代。収入の伸びが物価上昇に追いつかない状況下において、多くの人が「どう生き抜くか」に悩んでいる。
そんな時代において、現実的なサバイバル術として注目すべきは、「稼ぐ」よりも「使わない」ことに目を向けるという視点である。本記事では、ひろゆき氏が提唱する「節約を楽しむ」ための考え方と実践的な習慣を紹介する。
※この記事は、『貧しい金持ち、豊かな貧乏人 賢い安上がりな生き方80の秘訣』(徳間書店)より一部抜粋、編集したものです。

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1万円の増収を目指すより、1万円の節約

 日本経済はこれまで過去30年近くにわたってデフレだった。でもこの2~3年は一転してインフレをたどっている。

 本来、インフレなら物価が上がったぶん人々の収入も増え、生活水準は向上していく。でもいまの日本では物価高に賃上げが追いついていない。だからみんな汲々とした生活を余儀なくされている。この救いようのない状況はこれからしばらく続いていくだろう。

 そんな日本でどうやって生きていくのが賢い方法なのか。ひとりひとりがまず見直すべきなのは「収入」ではなく「支出」である。

 もちろん収入を増やせるに越したことはない。でもそれはひどく骨の折れる作業だ。
たとえ1万円増やすにしても、会社で自分の評価を上げたり、副業をしたりとがんばらなければいけない。そのうえ運も絡んでくる。優秀な人なら努力しだいで高い給与を得られるだろう。でも、それができるのはほんの一握りにすぎない。

僕の食費、娯楽費、雑費の総額は月6万円くらい

 収入を1万円増やすのは大変だ。かたや支出を1万円減らすのは簡単である。どうでもいい飲み会には行かない。ほとんど利用していないサブスクは解約する。それだけで月1万円は余裕で節約できるだろう。僕のひと月あたりの食費、娯楽費、雑費の総額は6万円くらいだ。それで十分楽しく暮らしている。

 収入を1万円増やしても、支出を1万円減らしても、財布のなかの金額は変わらない。であれば、支出を減らすほうが得策だ。


 インフレやデフレに振り回されて嘆いたところではじまらない。それより手元の1万円にこだわろう。そうやってこつこつお金を貯めていくのだ。それがいちばん正しい生存戦略である。

節約の成功体験を積み重ねよう

 節約=我慢という考えは捨てよう。今日は休日だ。映画館に行こうか。でもお金がもったいない。ここは我慢だ。──そんな調子では長続きしない。苦痛を感じるような節約なんてしないほうがマシだ。人生がつまらなくなる。

 節約は渋々やるものではない。
積極的にやるからこそ意味がある。 財布の紐が緩みがちな休日。お金を使わない楽しい過ごし方を考えてみる。自宅にこもってユーチューブを観たり、ゲームをしたりして過ごすのが鉄板だろう。でもそればかりだと味気ない。今日は快晴だ。弁当をつくって公園でのんびりしよう。いま話題の本を読みに図書館に行こう。

 そうやって臨機応変に休日を満喫する。そんな人こそが節約強者だ。

節約=儲けの記録をつけていこう

 ようするに、節約を楽しめるマインドが物を言うのである。仕事が終わってコンビニに脇目もふらず帰宅できた。
喫茶店に寄らず自宅でコーヒーを淹れてひと息ついた。それで500円は浮いたことになる。なにもしなくて500円。なにもしなかったから500円。つまり働かずして500円儲けたわけだ。そう思えれば節約が楽しくなるだろう。

 なんなら、その〝儲け〟をそのつど記録しておこう。どんどん増えていく金額を目の当たりにするのは快感だ。小さな成功体験の積み重ねがあなたを節約強者に導く。いつしか節約があなたのデフォルトになるのである。

 そうなってしまえばしめたものだ。怖いものなしだ。
たとえ急に収入が減ったとしても、もともとあまりお金を使わないのだから大きな痛手にはならない。お金の不安から解放されるわけだ。

 お金をかけずに楽しめる人生こそ最高だ。それにまさる豊かさはない。

ひろゆきが教える「お金の不安から解放される」考え方。収入を増やすよりも大事なのは
『貧しい金持ち、豊かな貧乏人 賢い安上がりな生き方80の秘訣』(徳間書店)


【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』
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