シンママになって2年。
仕事が楽しい!と思えるのが何より幸せ……だが、時たま言われてしまうのが「仕事よりも子どもとの時間を大切にしろ」という言葉。これはシンママに限らず、ワーママたちを悩ませるセリフだと思っている。
「そりゃそうだ」と思うが、そんなに簡単ではない事情があるのだ。
シンママに対する「仕事よりも子どもと一緒にいろ」という無責任なセリフ

他人にわざわざ言われなくても、そんなことは自分が1番よくわかっている。
子育てに全集中できるママに嫉妬して、何回か泣いたこともある。
毎日児童館に行って、離乳食をちゃんと作って……。ひっくり返ってもシンママの自分にはできないことだから羨ましかった。でも泣いたって仕方がないのだ。
泣いたって1円にもならない。
自分しか子どもを食べさせてあげられないからだ。簡単に「子どもと一緒にいろ」と言うが、片親にとって、どれだけ無責任な発言なのか考えてほしい。
ベビーシッターをお願いすると結局は収支がマイナスになることも
東京都はベビーシッター利用支援事業という制度があり、実施区に住民票がある未就学児に限り、利用料の一部を区市町村が補助してくれる。だが、完全に無料というわけではない。交通費はもちろんのこと、ベビーシッター会社によって値段が違い、当日予約や土日の予約、お風呂に入れることなども加算対象となることもある(とはいえ、正規料金ではとても頼めないので、非常にありがたいサービスだと思っています!)。
余談だが、私は加算料金がほぼないベビーシッター会社の受付の人に「メールの返信が遅い」という理由で嫌われてしまい、予約を入れてもスルーされていることもあった。
おそらくメールの不具合で連絡が届いていなかっただけなのだが、いまだによくわからん……。
話を戻すと、いろいろと加算料金もあるので、シッターさんに頼むことが重なると、助成金を使っても月に5万円も消えてしまうことがある。確かに「貧乏なくせにシッターさんに頼んでまで仕事をする必要はない」というのも一理あるのかもしれない。
1回仕事を断ったら2度とオファーがこない可能性がある

そもそもシッターさんが捕まらなければ仕事にも行けなかったわけだが、正直、1万円マイナスは大きな痛手だ。
母に頼んだ身ではあるが「これじゃあ働いているのにマイナスだよ」とチクチク嫌味を言うと、「働いてばかりいないで、子どもと一緒にいてあげるべきだ! そんなに働かなくてもいいでしょう!可愛い時期に」と返されてしまったのだ。
その発言に筆者も頭に血がのぼってしまい、「じゃあ誰が代わりに働くんだよ!」とブチキレてしまった。
確かに、その日の仕事はそもそも1万円以下のギャランティだったので、仕事を受けず、母の言う通り、働かず子どもと一緒にいてもよかったかもしれない。
ただ、私はフリーランスなので、その仕事を断ったら、もう2度とそのクライアントから仕事をもらえなくなってしまう可能性がある。
子どものために仕事を断ることも可能だが、どうしてもではない時に子どもを理由に断っていたら絶対に信用はなくなるだろう。
「吉沢さんは子どもがいるから頼むのは難しいね。現場に来るか来ないかわからないから」と思われてしまったら終わりだと思っている。
だから、割に合わなくてもマイナスでも今はなんでも仕事をするのだ。するしかないのだ。
実際に今まで受けた安い案件も、その仕事を見た別のクライアントからいい仕事がきたりとプラスに働くことは多い。マイナスがいずれプラスにもなる。ただ断っていたらプラスになることは絶対にない。
これはあくまで私個人の考えであり、当たり前に正解ではない。
子どもとの時間を最大限に確保しながら、賢く在宅ワークで稼いでいるママもいるだろうし、子どもとの時間を最優先して仕事をセーブし、最低限の生活を送っている人もいる。幸せは人それぞれなのだ。
たくさん稼いでたくさんの経験をさせてあげたい
筆者の場合は、子どもは大切だが、自分の人生も大切と考えていて「子どもがいるから」という理由で自分のやりたいことを諦めたくないし、たくさん稼いでたくさんの経験を子どもにさせてあげたい。そのために仕事をたくさんしたい。何より、息子が大きくなって筆者の手を離れた時に「あなたがいたから何かを諦めた」とは絶対に言いたくない。
だから自分が「やるべきだ!」と感じた仕事は全部やる。たとえ、シッター代や諸々でマイナスを被ってもやる。そのことについて「子どもと一緒に時間を使うべき」などと言うことは、他人はもちろん、自分の母親にも言われたくない。
「子どもがかわいそうだから仕事をセーブしなさい!子どもが20歳になるまで毎月20万円あげるから」とか言ってくださるならばOKですが、そうでない場合はシンプルに「お仕事頑張って!」と言ってください。
<文/吉沢さりぃ>
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。