6月30日、7人組アイドルグループ・WEST.の濵田崇裕が主演を務める舞台『歌喜劇/~蘇る市場三郎 冥⼟の恋~』が、東京グローブ座(7月27日まで同所)で開幕した。初日公演の前には、公開ゲネプロと取材会が行われた。
同作は2016年に初演、2018年に続編を上演。今作は「市場三郎シリーズ」待望の第三弾となる。これまで温泉宿、グアムと行く先々で実らぬ恋を経験してきた三郎だが、今度は現世とあの世を舞台に恋模様を描く。
市場三郎シリーズ
実に7年ぶりのカムバック。濵田は、「コロナ禍のときに共演者の皆さんと『三郎をやろう』と話していたんですが、できなくなってしまった。劇中にはフェイスシールドを着けたりするシーンも盛り込まれていたりして、『あの頃とは違うぞ』ということを感じている。あとは、7年経ったということは体力も7年分しっかり(衰えが)あります。稽古中の休憩で、床に寝転ぶとなかなか起き上がれない」と笑った。
タイトルにもある“歌喜劇”とは、アカペラの歌唱に心情や情景に乗せて物語を紡いでいくというオリジナルジャンル。濵田は、「音をはずすと全てが終わると思って、毎回気が抜けない」と話すと、今作のゲストとしてヒロインを演じる元宝塚歌劇団雪組トップ娘役・朝月希和は「アカペラで歌唱するときにはメロディの主旋律やハモリを歌うんですけど、この作品は楽器音やリズム音まで自分の声で演じるので、本当にキャストの皆さんが芸達者ですごい。それに日々感動してます」とコメント。さらに濵田が「実はステージ裏でも歌ったりしているから大変。
(ゲネで)横にいる朝月さんが着替えながら『ワオォ~ン!』って犬の鳴きマネをしていて、あまりのうまさに改めてびっくりしました(笑)」と明かした。
市場三郎シリーズ
初演から脚本を務める福田転球は、「濱ちゃんは稽古の段階からしっかり座長として見えているし、舞台で輝いている。俳優として、すごく成長したと思います」とベタ褒め。これには演出の河原雅彦も「もうね、三郎でしかないです」とうなずいていた。
最後に濵田は、「7年ぶりということで初めてご覧になる方も多いと思いますが、見終わったあとに何か心に残るものを大切にしてもらえたら。なにはともあれ、声を上げて笑っていただけたら嬉しいですね」とアピールした。
東京公演のあとは、京都劇場にて8月1日~10日まで上演される。グループ内でも天然の愛されキャラの濵ちゃんが、今回の三郎をどう演じ切るのかを楽しみにしたい。
取材・文/吉岡 俊 撮影/後藤 巧
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