同社は5月の中期経営計画の中で「ラーメン提供食数世界NO.1構想」の実現を掲げ、ラーメンを第3の柱として成長させていく戦略を明言しています。昨年、京都の製麺会社である宝産業を完全子会社化するなど、その本気度はただなりません。
今回のまぜそばの実力について、吉野家ファンはもちろんのこと、多くの人々が注目していることは間違いありませんから、発売日当日に実食して、素直な感想をレポートしてみることにしました。私はリアルな食文化をリサーチするために、ファミレス、牛丼チェーン、ファストフード、星付きレストランなどを広く実食していますが、どのくらいの話題性や賞賛を呼び起こすか、冷静かつ公平に判定してみたいと思います。
価格は牛丼(並)より269円高いが、おいしいのか?

うん、これはおいしい! 濃厚さ、まろやかさ、コク、ニンニク感、どれをとっても秀逸です。吉牛の世界観にニンニクのパンチ感、魚粉の旨味が組み合わさり、それが小麦麺と絡み合うことで生まれる新しい味わい。吉野家らしい独創性をしっかり感じることができます。
最強トッピングは「紅生姜」。有料でオススメは?

さらに追加するのであれば、旨味と食べ応えをアップしてくれる塩さば、辛味と酸味を増強してくれるキムチが、味や栄養のバランス的には良いと感じました。
トッピングを増やしていくと、吉野家オールスター感を楽しめる

すべて完食したらおなかも心も満腹になりました。会計は、トッピング6種を足しても1777円。大冒険しても2000円を超えることは絶対にありませんから、たまには爆盛りを楽しむのもアリかもしれません。
唯一残念だったのは、無難すぎる麺

昨日ちょうどデニーズの飯田商店監修の担々麺メニューを食べたばかりだったこともあり、デニーズの期間限定商品の方が麺は美味しいなと感じたのが正直なところです。価格が違うと言えばそれまでですが、やっぱり麺の感動はほしいところです(飯田商店店主監修「オリエンタル冷やし豆乳担々麺」は1496円)。
皆さんは、吉野家のまぜそばをどう評価しますか? 今後はバージョンアップなども期待しつつ、引き続き注目していきたいと思います!
<TEXT/スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。世界中の健やかな食文化を追求。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。Twitterは@sugiakatsuki12。