セクシー女優の事務所移籍の裏事情
セクシー女優は、事務所と芸名を変えて再デビューするのが当たり前の世界。移籍を数回繰り返すなどしょっちゅうで、中には回遊魚のように5社以上を渡り歩くツワモノさえいる。業界的に移籍を重ねるのはあまり良いこととされていないが、円満退所していれば、他の事務所が受け入れてくれることも多い。ただし、女優に非があっての退所となると話は別だ。セクシー業界は横の繋がりが深く、不義理を働けば速攻で噂が回ってしまう。
事務所を円満退所できないと、女優人生が“詰む”ことすらある。一見、入所と退所をみんな繰り返しているせいで出入りがとても自由に思えるかもしれない。しかし、それは“表面的”なものにすぎないのだ。
多くの女優はきちんと話をつけて事務所を抜けるのだが、音信不通からの急な「やめます」宣言や、決まっていた撮影スケジュールを一方的にキャンセルしての退所、運営陣と大モメ、ルール違反での解雇など、たまに“荒っぽいやめ方”をする女優もいる。
ひとつのトラブルで要注意人物扱いに…
芸能系は対人間の商売。“筋を通す”ことに関しては非常にうるさいため、そこを曖昧にすると後から必ずツケが回ってくる。そもそも、業界は女優の素行を常にチェックしているのだ。
それなりに売れていても「素行が悪いから」とか、「評判が最悪」といった理由で他事務所への移籍を断られる例さえある。特に前の事務所のやめ方に問題があると、同じことを繰り返すのではないかと疑われやすい。
また、業界内で影響力のある事務所から抜けると、かつての“住処”から全面共演NGを喰らうパターンもある。一緒に仕事ができないとなれば行ける現場の数が限られ、最悪の場合は干され状態となるだろう。この手のタイプは、移籍したのにも関わらず厳しい状況を強いられたままの活動が苦しくなり、結局は引退を余儀なくされる女優も少なくない。
みんなバンバン移籍しまくっているように思えるが、あくまで問題を起こしていない女優に限る話。不義理を働けば行き場をなくし、ほぼ全ての事務所が受け入れ不可となるため、引退コース不可避なのがこの業界の怖いところである。
事務所の“やめ方”が重要

もっとも重要なのはやめる事実よりも引き際の方で、一般企業と同じく「立つ鳥跡を濁さず」が絶対。
また、スカウトマン経由での退所・移籍トラブルも、業界ではよくある話だ。これは完全にスカウトマンのせいであることが多く、女優の事情を無視して自身のバックが高く発生する事務所へと誘導する。先を見据えず、目先のお金だけ追うスカウトにありがちな手口だ。結果的に女優を使い捨てるパターンも少なくない。
何も疑わない&気づかない女の子は、彼らの操り人形と化す。仲介人がうまく話をつけず、言いなりとなった女優に関しては、事務所側も警戒せざるを得ない。実際にスカウトのせいであちこちに移動させられ、最後は“詰む”なんてことも少なくはないのだ。
セクシー女優の独立は無謀
「事務所がダメならフリーになれば良い」と思うかもしれないが、キャリアがないままの独立はとにかく無謀。コネもノウハウもなく、SNSでの見せ方もわかっていないと、事務所にいた方がよっぽどラクだろう。やめ方が悪すぎて恨まれ、業界を抜けた元関係者の人間にSNSでリークされる話もあるので、退所を考える女優は細部にまで気を払うべきだ。
やめる自由はあるが、筋を通すことが“次の人生”を左右する。どこの世界においても義理堅さがなければ、いずれ足元をすくわれる……という話なのだ。
文/たかなし亜妖
―[元セクシー女優のよもやま話]―
【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。