年収1億円以上の富裕層専門のコンサルタントの傍ら、出版社やプロダクションのオーナー業などもしている水野俊哉さんは、著書に最新刊『成功する人は、なぜリッツ・カールトンで打ち合わせするのか?~あなたを超一流にする40の絶対ルール~』(サンライズパブリッシング)を持ち、数多くの富裕層や成功者を見てきている。
 そんな水野さんは、「成功者には共有点がある」という。
今回、「成功者の法則」とも言うべき、彼らの共通点を聞いた。まずそのひとつが、ミーティング場所だ。

成功者の法則①成功者はリッツ・カールトンでビジネスミーティングする

富裕層専門コンサルタント・水野俊哉「成功する人は、リッツ・カ...の画像はこちら >>
「成功者がミーティングを行うとき、彼らが選ぶのは、ザ・リッツ・カールトンホテルやマンダリンオリエンタルホテルなど、高級ホテルのラウンジだ」と水野さんは話す。

「1杯のコーヒーが2,000円以上もするようなホテルのラウンジでミーティングをするなんて、打ち合わせコストがかかりすぎじゃないかと思われるかもしれません。ですが、高級ホテルのラウンジでのミーティングは、コーヒー1杯300円のチェーン店や600円の喫茶店での打ち合わせよりも、ずっと価値がある選択になりえるんです。

 私もよく高級ホテルのラウンジで打ち合わせをしますが、1時間の打ち合わせを数件まとめて入れるため、全部の打ち合わせが終了したら会計が2万円くらいになっていることもザラにあります。ですが、仮に1日に2万円の打ち合わせ代を払ったとしても、ミーティングには断然ホテルラウンジを利用するべきだと私は断言したいですね」(水野さん)

 その理由として、「単純に高級ホテルのサービスは非常に快適で、情報の秘匿性が高い」という点を挙げる。

「チェーン店の従業員は学生やフリーターなどのアルバイトが多いのに比べ、一流ホテルの従業員は、サービスのプロです。だから、オーダーや支払い時などもスマートに対応してくれます。

 さらに、テーブルとテーブルの間隔も広めにとられているため、打ち合わせの内容が隣の人に伝わる心配もありません。そもそもコーヒーの味や椅子の座り心地、内装などが豪華で快適なため、自分も相手も『大事な商談をしているんだな』というセルフイメージがアップする気がします。

 大事なビジネスの打ち合わせをチェーン店などで済まそうとすると、隣の席の話し声がうるさすぎたりして商談に集中できないなんて経験したことはありませんか? そんな店で『1億円儲かるビジネスです』なんて言われても、まず嘘だと思われるのがオチですよね(笑)。ところが場所がリッツのラウンジだとすると、途端に話の信ぴょう性がアップするくらいの雰囲気を持っています。


 自分だけでなく、クライアントにとっても最高の状態でミーティングに挑んでもらうことは、ビジネスにおいて非常に大事な要素です。高級ホテルのラウンジを選んでおけば、店選びが悪かったばかりにクライアントの機嫌を損ねて大切な商談がなくなってしまうという事態は、ほぼ排除できます。

 多少コストを払ったとしても、外的な不安要素は一切排除しておくに限ると考えるのも成功者に共通する思考です。そうした意味で、高級ホテルのラウンジはビジネスミーティングにとっての最高の選択肢といえます」(水野さん)

成功者の法則②成功者は会議を極力減らす

富裕層専門コンサルタント・水野俊哉「成功する人は、リッツ・カールトンで打ち合わせする」
 仕事の生産性を上げるためには、いかにして無駄な時間を削減するかが重要となる。

「成功者が労働時間を減らすうえで、できるだけなくしておきたいと思うのが『無駄な会議』です。まず、世の中にある多くの会議は単なる情報共有の場であり、決定の場ではありません。

 アイデアを出し合うブレインストーミング的な場として会議を設ける人も多いですが、その場ですぐにアイデアが浮かび、発言するのが得意な人にとってはいいものの、じっくり自分一人で熟考したいタイプの人にとっては適しません。

 さらに、数時間にわたって延々と議論された内容が、最終的には上司の一声でひっくり返されたりすることも多く、『これまで議論してきた時間はなんだったんだ』と悶々とした経験は誰しも持っているのではないでしょうか。

 それがわかっているからこそ、成功者は会議を必要最小限に抑えるし、大半の意思決定は会議ではなく、メールなどでのやりとりで決める傾向にあります」(水野さん)

 水野さんも、社内の人と会議をするときは、「会議の議題は事前にメールで送っておくこと。直接いきなりプレゼンするのは禁止」というルールを定めているという。

「これは、私自身が何かを決めるときには事前にいろいろと吟味したいタイプというのもあります。重要な決定ほどじっくりと検討したり、過去のデータを見返したりといった準備が必要になるため、会議の場では即答できないことが多いからです。

 自分が意志決定する立場にある人こそ、会議の場で即決できないケースが多いことを体験的に知っています。
だから、会議を避けるのです。

 会議だと、言葉のニュアンスによってそれぞれの受け止め方が違うことも多くありますが、メールなどテキストベースのやりとりであれば、そのミスマッチを抑えることができるのです」(水野さん)

 また、会議を減らすメリットとしては、時間的な問題もある。

「会議がなければ、当然ながら有効活用できる時間も増えます。溜まった仕事を片づける時間も生まれるし、うまく仕事を調整すれば休日を増やすこともできるかもしれません。いかに自由な時間をつくり、有効活用できるかが成功者への分かれ道。そのためにも無駄な会議は極力減らす、もしくは参加しないことを心がけてください」(水野さん)

成功者の法則③成功者は周囲の声に耳を貸さない

富裕層専門コンサルタント・水野俊哉「成功する人は、リッツ・カールトンで打ち合わせする」
 大きな成功を収めるためには、それと引き換えに、大きな決断を下さなければならないこともある。

「本当にこの決断は正しいのか?」
「自分の判断に間違いはないのか?」

 リスクを恐れるばかりに、自分一人では確信をもって決められず、周囲にその決断を相談したくなる人も多いだろう。

「ですが、『大事な決断ほど周囲の人の意見を求めるな』と私は声を大にして言いたい。なぜなら、身近な人であればあるほど、彼らは必ず『その決断に反対するから』です。

 もちろん彼らには悪気があるわけではありません。相手を心配する気持ちがあるからこそ、できるだけ失敗が少なく、リスクのない道を提案するのは当然のことです。もしかしたら無一文になったり、大きな借金を残すことになるかもしれない道には、誰だって大事な人を送り出したいとは思わないですよね。

 ですが、世の中の大半の人が『正しい』と思うことをしても、成功者にはなれません。
これが多くの人が成功者になりたいと願うのに、結局はその境地にたどり着けない大きな理由だと思っています」(水野さん)

 成功者の多くは、明らかに普通の人では考えつかなかったアイデアを思いついたり、普通の人であれば決してとらないようなリスクのある行動をとることが多い。どう考えても、「常識」とはかけ離れている。それが成功者の特徴であり、共通点だと水野さんは言う。

「極端なたとえですが、もしも『40階建てのビルの最上階から飛び降りたら10億円もらえる』と言われたら、どうするでしょうか。おそらく1万人のうちの9,990人は、『そんなことをしたら死んでしまう』と断るでしょう。

 でも、世の中には一握りの常識を気にしない人たちがいて、残り10人の“逸脱者”たちは、なんとかして40階から飛び降りても助かる方法を考えるのかもしれません。そのくらい、ぶっとんだ思考の持ち主でないと、成功を掴むことはできないものです。

 仮に素晴らしいアイデアが思い浮かび、そのアイデアを実行するためにリスクのある行動を取る必要がでたとしても、決して周囲の人の声を聞いてはいけません。常に常識を疑い、自分の頭で考え、自分を信じること。これが、成功者になるためには絶対に欠かせない素質ですから」(水野さん)

成功者の法則④成功者は電話を好まない

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 1日に何本の電話をかけて、何本の電話を受けているだろうか。もちろん業務によって違いはあるだろうが、多い人だと仕事時間の1~2割くらいを電話に費やしているかもしれない。

 電話はかつて主流のビジネスツールの一つだったが、近年は「成功者ほど電話を嫌う」傾向があるという。
なぜか。

「一番の理由は、効率化が進む昨今、電話によって業務を妨げられることを嫌う人が増えたからでしょう。電話をしている間はほかのことができずシングルタスクになるため、作業効率が悪い。

 一方、メールであれば、ながら作業も可能だし、一度中断して他のことをしてから送信するなどということも可能ですよね。

 成功者の多くは多忙です。ゆえに彼らは効率的に物事をこなすためにマルチタスクで作業することに慣れています。特に大量に届いたメールを返信しているところに電話がかかってきて15分、20分と時間をとられると、相当なロスになります。

 しかも、一度電話で作業が中断されてしまうと、集中力を取り戻したり、頭を切り替えなければならないので、エネルギーが必要になり非常に非効率です。そのため、自分の集中力やスケジュールを妨げる電話という突然の闖入者を喜びません。

 自分で時間をコントロールできない不自由さ。それがわかっているからこそ、他人の時間を奪わないように、周囲の人とコミュニケーションを取るときには電話以外のツールを選ぶようになるのです。実際、誰もがスマホやPCを持つ今の時代、仕事の用事であればたいていのことはメールやSNSで済んでしまいます」(水野さん)

 もちろん、緊急性や重要性が高い案件で、どうしても電話をしなければならないこともあるだろう。
自分よりも目上の人から電話で連絡がきた場合は、ビジネスマナー上、電話で折り返しをせざるを得ない。そういうときはどうするべきか。

「成功者は、『電話は移動時間にする』と決めている人が多いですね。たとえば都内でのタクシー移動の時間などを使って、電話を折り返すようにいる。電話中心のビジネスは時代遅れになりつつあることを、ぜひ知っておいてください」(水野さん)

「自分の仲のいい知人5名の平均年収が自分の年収になる」というのは、よく聞く話である。アメリカの起業家であるジム・ローン氏の言葉だ。

「もしも自分の周りに富裕層が一人もいなかったとしたら、まずは富裕層の集まる場所に近づき、彼らと同じ場所に身を置き、彼らを観察し、彼らと同じ空気を吸って吐いてみてください。

 リッツ・カールトンホテルのラウンジでかまいません。わずか数千円の投資があなたの人生にもたらす効果は計り知れないほど大きいものになります。そして、その経験がいつまでも自分の人生に付き添い、好影響を与えるはずです」(水野さん)

<構成/日刊SPA!編集部>

【水野俊哉】
1973年生まれ。作家、出版プロデューサー、経営コンサルタント、富裕層専門コンサルタント。ベンチャー起業家、経営コンサルタントとして数多くのベンチャー企業経営に関わりながら、世界中の成功本やビジネス書を読破。
近年は富裕層の思考法やライフスタイル、成功法則を広めるべく執筆活動をしている。現在は自ら立ち上げた出版社2社や文化人タレントプロダクション、飲食業のオーナー業の傍ら、執筆やコンサルティング、出版プロデュース業を営んでいる。国内外問わず富裕層の実態に詳しく、富裕層を相手に単にビジネスにとどまらない、個人の真に豊かな人生をみすえたコンサルティング・プロデュースには定評がある。
著書はシリーズ10万部突破のベストセラーとなった『成功本50冊「勝ち抜け」案内』(光文社)など27冊、累計40万部を突破。最新刊に『成功する人は、なぜリッツ・カールトンで打ち合わせするのか?~あなたを超一流にする40の絶対ルール~』(サンライズパブリッシング)がある。
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