もしもあの時こうしていれば……。
今回は、若気の至りで不貞行為をした挙句、借金まみれとなってしまったエピソードを紹介する。
「不貞行為の末に、望まない妊娠をさせてしまった」
人生最大の失敗は「独身女性と不貞行為の末に、望まない妊娠をさせてしまったことです」と赤裸々に話してくれた山本望さん(仮名・30代)。彼は15年前、飲食業界に板前として飛び込んだ。
「最初は、包丁を持たせてもらえず、食材にも触れられず、怒鳴られ殴られ食材を投げつけられる日々を送っていました。現在ならパワハラです。円形脱毛症にもなりながら、なんとか頑張っていました」
上司と新入社員の仲を取り持つはずが、まさかの展開に
そんな中でも、徐々に仕事にも慣れてきた山本さん。当時は人手が足りず、高卒の新入社員が次々と入ってきた。「上司が新入社員のA(女性)を好きになったんです。僕は、すでに結婚していましたから、仲を取り持つことになって。上司と僕、Aと同期のB(女性)の計4人で夜の海に行くことになりました」
翌日は休日だった4人は、海で花火をするなど、真っ暗な砂浜で遊んでいたという。
彼女に誘われてラブホテルへ

すると、新入社員のBから思いもよらない言葉が返ってくる。
「Bが『お風呂に入りたい』と言ったので、僕は『じゃあ、帰ろう』と返しました。しかし、まさかの『今日は帰りたくない!』です。僕は既婚者なのですが……結局、誘惑に負けてラブホテルに行きました」
これがきっかけで、山本さんとBは男女の関係に陥った。
「その頃、僕には妻と3歳の子がいました。職場までは車で50分かかるため『今日は会社へ泊まる』と嘘をつきながら、ラブホテルに通い詰める日々が続きました」
山本さんは、自分自身も家庭に息が詰まっていたのか、次第にBとの交際が楽しくなってきたという。そんな関係が2年ほど続いた頃、Bの妊娠が発覚してしまう。
2年間の男女の関係で残されたのは後悔と借金
「Bはつわりがひどく、職場には違う理由で具合が悪いと報告し、2人でどうするか話し合いました。結果おろすことになり、費用は僕が借り入れをして払いました。そして、僕はなんとなく職場にいることが気まずくなり、辞めることになりました」それからはお互いの連絡先を消し、会うことはなかったそうだ。
「彼女との関係で、何か残ったものはあったのか。生まれてくる予定だった子どもに自分はなんてことをしてしまったのか……」
じつは山本さんはBと関係するために、借金をしていた。月々の給料は家族との生活費に充てていたので、本来は火遊びをする余裕なんてなかったのだ。
借金の返済は今も続いている。そのたびに過去の過ちが脳裏をよぎり、「もうしない」と誓う。現在は、子どもたちの成長が生きがいなんだとか。
<取材・文/chimi86>
【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。