「歯が痛いわけじゃないから歯医者には最近行っていない」「仕事が忙しくてつい自分の健康は後回しになってしまう」——実はそれ、将来の大きな出費に繋がってしまうかもしれません。歯の健康を守ることで生涯の医療費を大幅に削減できるという事実、ご存知でしたか?
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健康を守りながら医療費も抑える“賢い男が実践している歯を守る習慣”とは? 今すぐできるお口の健康に関するライフハックを紹介します。


大きな出費は“歯の不健康”から



「歯の治療は想像以上に高額」生涯の医療費を大幅に減らせる、賢い男のライフハック4選
50代の男性患者。むし歯、歯周病、抜歯、義歯……と様々な治療が必要な状況
「歯医者は歯が痛くなったら行くもの」と思っていませんか?

実は、この考え方こそが医療費を膨らませる元凶。歯や歯茎のトラブルは、早期に対策することで治療費も時間も最小限に抑えられます。逆に、放置して重症化すると、治療費は一気に跳ね上がるだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼします。

歯の治療は想像以上に高額となるケースが多いです。

また、歯周病は糖尿病や心疾患、脳卒中など重大な病気とも密接に関わっていることが近年の研究で明らかになっています。つまり、歯を守ることは「お金」と「健康」の両方を守る最強のライフハックなのです。

なぜ「男の口腔ケア」は後回しになりがちなのか?


「歯の治療は想像以上に高額」生涯の医療費を大幅に減らせる、賢い男のライフハック4選
40代、50代で入れ歯になる患者もいる
30~50代の働き盛りの男性は、仕事と家庭で多忙になりやすく、自分自身の健康管理が疎かになりがちです。特に男性は「多少の痛みなら我慢」「歯医者は面倒」と感じやすい傾向があります。しかし、その“放置癖”こそが、将来の高額な治療費や生活の質の低下を招くのです。

40代、50代の働き盛りの時期から入れ歯を使用されている患者さんもいます。入れ歯は見た目にも影響しますが、これからの人生をずっと入れ歯がないと食事がしづらくなることが一番の問題です。

歯を失い、入れ歯がどんどん増えていくと、ご飯も食べられないものが出てきて、楽しみがなくなっていくのは大きく生活の質を低下させます。食は人生の大きな楽しみであり、健康な歯がないと、思うように楽しめないのです。

歯を守る「今すぐできるライフハック4選」



「歯の治療は想像以上に高額」生涯の医療費を大幅に減らせる、賢い男のライフハック4選
※写真はイメージです
ここからは具体的な方法を4つ紹介します。

1:2~4ヶ月に1回プロの検査・クリーニングを受ける


「歯の治療は想像以上に高額」生涯の医療費を大幅に減らせる、賢い男のライフハック4選
歯についた白いものは歯石である。歯石は歯ブラシでは落とすことができない
定期的な歯科検診は、歯周病やむし歯の早期発見、早期対策を考えられる最良の手段です。特に30代以降は、自覚がないまま歯周病が進行していることも多いので、プロの目によるチェックは不可欠です。
また、歯周病の予防は、セルフケアとプロのケアの両方を行う必要があります。

プロのケアでは、歯ブラシでは落とすことができない歯石を除去し、日常のセルフケアのアドバイスを受けられます。

検診とプロのクリーニングで病気を未然に防ぐことで健康で清潔なお口を維持することができます。

2:歯間ブラシやデンタルフロスを習慣に



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プラーク(歯垢)を染め出した。歯と歯の間や奥歯、歯と歯茎の間が染まっている
歯ブラシをどれだけ丁寧に行っても、歯と歯の間を清掃することはできません。

歯と歯の間の汚れはフロスや歯間ブラシでしっかりケアを行う必要があります。物詰まりを取るために行うのではなく、歯間に蓄積した歯垢をこすり落とさなければいけません。そのため、毎日、特に毎晩使用しましょう。使用し始めるときは、歯科医院で自分に合ったツールを相談し、正しい使い方を教わると安心です。

3:糖分はダラダラ摂取を避ける



砂糖の摂取量を控え、野菜やたんぱく質をバランスよく摂取するのが理想的です。しかし、そうは言っても、忙しい日の昼食は手早く食べられるものや外食になることも多くなってしまいます。また、仕事中のストレスや口寂しさから、お菓子や甘いコーヒー、ジュースなどが飲みたくなるものです。毎日身体のことを考えた食生活を維持するのは大変なことです。

その中でも、少しだけ気を付けてほしいのが、よく噛んで食べることと、ダラダラ食べを避けることです。噛むことで唾液の分泌が促されるためお口の中が洗い流されます。
間食が多い方は、無糖ガムに置き換えるとむし歯予防に役立つので活用してみてください。

4:お酒・タバコとの付き合い方を見直す



「歯の治療は想像以上に高額」生涯の医療費を大幅に減らせる、賢い男のライフハック4選
30代ヘビースモーカーの患者。歯茎の色味が悪い
アルコールやタバコは歯周病リスクを高める大きな要因です。飲酒・喫煙の頻度や量をコントロールすることも、長い目で見れば医療費節約に直結します。特にタバコは、歯周病の最も大きなリスクとなります。電子タバコの紙タバコと同様に影響するため禁煙をしましょう。

アルコールはそれ自体が大きなリスクとなるわけではありませんが、糖の含まれているお酒をダラダラ飲んでしまう、飲んだまま寝てしまうということが続くとリスクとなります。お酒も時間や量を決めることが重要なのです。

賢い男の選択は“攻めの予防”


忙しい人こそ、今日から歯の未来投資を始めてみませんか?「健康な人生」と「将来の医療費」のどちらも守れるのが、予防歯科の魅力です。歯を守る積極的な“攻めの予防”を日常のルーティンに取り入れましょう。

<文/野尻真里>

【野尻真里】
一般診療と訪問診療を行いながら、予防歯科の啓発・普及に取り組んでいる歯科医師です。「一生涯、生まれ持った自分の歯で健康にかつ笑顔で暮らせる社会の実現」を目標にメディアで発信をしています。X(旧Twitter):@nojirimari
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