―[トップロープより愛をこめて]―

新日本プロレスの人気プロレスラーにして「100年に一人の逸材」と言わしめ、第11代社長(’23年12月就任)も務める棚橋弘至が、日々の激務のなかでひらめいたビジネス哲学を綴っていく。今回は仕事ができる男の入場曲について。
棚橋社長はいったいどんな結論に至ったのか。(以下、棚橋弘至氏の寄稿)

新日本プロレス社長・棚橋弘至のビジネス奮闘記

 暑い日が続いていますね。どうせ9月も残暑なんでしょと、想像に難くないですが、日常は続いていきますから。なんとかして、暑い日々も全力で過ごしたいものです。

 今回のテーマは、この「なんとかして」。どうすれば、毎朝、奮い立つようなエネルギーが湧いてくるのか。

 考えに考え抜いた結果、一つの答えにたどり着きました。それは、皆さんにも「入場曲」を決めてもらおうと。

プロレスラーだけじゃない!シーンに合わせた自分の「入場曲」が...の画像はこちら >>
 プロレスの入場には、選手それぞれの曲が使われています。個人差はあると思いますが、僕は自分の入場曲「LOVE & ENERGY」を聴くと、試合へのスイッチが自動的に入ってしまいます。なので、逆に試合以外のときは入場曲をあまり聴きたくなかったりします。

 そう、記憶と音楽は深く結びついています。これをうまく利用しない手はない!というわけです。


 4月に入社された皆さんは、半年近くたち、仕事にも慣れてきたか、もしくは、毎日ギリギリで頑張っている頃でしょうか。状況は違うかもしれませんが、きっと希望に燃えていた時期があるはず。

 そのときに聴いていた曲は、スイッチをオンにするのに、とても効果的だと思うのです。アラームをその曲にするもよし。出社までの移動中に聴くもよし。

 この「スイッチ」のオンオフを自分で切り替えることができたら、仕事の効率も爆上がり間違いなしですね。

 え? そんな簡単なものじゃないって?

プロレスラーだけじゃない!シーンに合わせた自分の「入場曲」が「シゴデキ」への鍵/棚橋弘至 vol.46
大阪のフェスでたくさんのアーティストさんに会えて、「音楽好きでよかった!」ってなりました(自慢)©新日本プロレス
 確かに、プロレスという仕事は、毎回、試合会場が替わり、お客さんも違い、モチベーションを上げやすいということもあります。……ありますが、この曲を聴くだけで起こる無意識下の瞬発的な反応は、絶対に使ったほうがよい。

 世の中にいる「シゴデキ(仕事ができる)」の皆さんは、なにかしらの切り替えスイッチを持っている……はず(断定)。なので、読者の諸兄の皆様にもこのテクニックをシェアしておこうと。

 あと、このテクニックは仕事以外のときにも有効です。休みの日には、楽しかった思い出の曲やリラックスできる曲を。
告白やデートのタイミングには、勇気が湧いてくる恋の歌を。

 逆に考えると、仕事ばかりではなく、プライベートも充実していないと、思い出の曲というものは増えていかないのかもしれない。

【仕事の充実⇄プライベートの充実】ということなんですね。仕事も100%。プライベートも100%。

 理想論になってしまうかもしれませんが、最初から無理だと決めつけていては、何も生まれません。

 昔、大先輩のマサ斎藤さんも「ゴーフォーブローク」、当たって砕けろ、とおっしゃっていましたし……。

 もし砕けてしまったら、そのときは、ほら、また、拾い集めてさ(笑)。

今週のオレ社訓 ~This Week’s LESSON~

音楽をスイッチに、仕事もプライベートも、100%で充実させるべし!

<文/棚橋弘至 写真/©新日本プロレス>

―[トップロープより愛をこめて]―

【棚橋弘至】
1976年生まれ。新日本プロレスの第11代社長(’23年12月就任)であり現役プロレスラー。キャッチコピーは「100年に一人の逸材」。得意技は「ハイフライフロー」。
身長181㎝ 体重101㎏
編集部おすすめ