そのほかにもアウトドアモデルやメディア出演、観光プロモーションディレクターなど、幅広いシーンで活躍するUKIさんに、キャンプを始めたきっかけやギアに対するこだわりなどを聞いた。
“胎児の頃”からキャンプへ行っていた
――UKIさんはキャンプ歴が31年とのことですが、現在のご年齢は31歳ですよね。「キャンプ歴=年齢」という言い方もされていますが、どういう意味ですか?UKI:たまたま両親がアウトドア好きで、私が胎児の時にもキャンピングカーでキャンプに行ったりしていたので、そのように表現しています。母親のお腹の中にいる時に連れて行ってもらったので、自分が実際にキャンプをしていたわけではありませんが、「キャンプ歴=年齢」というワードがキャッチーじゃないですか(笑)。
仕事には“表”と“裏”が。その中身は?
――確かにインパクトがありますし、一度聞いたら忘れられません(笑)。現在はキャンプやアウトドアを楽しむ様子をYouTubeやInstagramなどで発信されているほか、さまざまな活動をされていますが、以前はどんなお仕事をされていましたか?UKI:新卒で旅行会社系の広告代理店に入社し、企画営業職で6年間務めた後に独立しました。広告代理店では地域に集客するためのイベントなど、観光プロモーション業務に携わっていました。現在は個人事業主ですが、お仕事は “表”と“裏”に分けられるのかなと。
――“表”のお仕事とは?
UKI:キャンプをはじめとしたアウトドアのインフルエンサーとして、メディアに出演させていただいています。関西のケーブルテレビ・eo光チャンネルの番組「たけだバーベキューとキャンプな休日」でキャンプや釣りをしたり、Webメディア「Motorz」の公式YouTubeチャンネル「モーターズ チャンネル」では、キャンピングカーを実際に使用してレポートをしたりしています。そのほかにはアウトドア系のメディアでモデルをさせていただいたり、いろいろなお仕事に携わっています。
――一方、“裏”のお仕事とは何ですか?
UKI:会社員時代の観光プロモーション業の経験を活かして、地域を活性化するためのプロモーションのディレクションやSNSの運用代行などを行っています。
キャンプは「気づいたらやっていた」
――キャンプを始めたきっかけは?UKI:幼い頃から両親と一緒にキャンプに行くことが多かったせいか、キャンプを始めたという感覚がないんです。実家にはいろいろなキャンプのギアがありましたし、「気づいたらやっていた」という感覚です。
ただ、中学や高校ではバスケ部で忙しかったですし、大学時代も含めて一度アウトドアから疎遠になった時期もありました。でも社会人になってからは、自然とまたキャンプに行くようになっていましたね。
――YouTubeチャンネルを始めたきっかけは?
UKI:キャンプの魅力を伝えるため、最初はInstagramで発信していたんです。ただ、キャンプには釣りだったり、カヤックで川を下ったり、美味しいものを作って食べたり、前乗りで車中泊をしたり、いろいろな要素があるじゃないですか。そういったものを1枚の写真では詰め込み切れないと思ったんです。Instagramのリールが流行る前だったという事情も重なって、「それならYouTubeの動画で伝えよう」ということになりました。
“伝えたい”という意欲が原動力に

UKI:何かを伝えるための手段はいろいろありますが、“トーク”で誰かに何かを伝えることの難しさや奥深さ、面白さに興味があったんです。広告代理店に入ったことも、SNSを始めたことも、YouTubeを始めたことも、根底には“伝えたい”という意欲があったんだと思います。伝えることを通じて社会の役に立っていければいいなと。
――YouTubeチャンネルを始められて4年以上経っていますが、暮らしに変化はありますか?
UKI:1日の過ごし方が変わったのは会社を辞めて独立した時ですね。YouTubeチャンネルは独立した年に始めたのですが、1年で投稿した動画は8本だけでした。
撮影も「今日はYouTubeの撮影で〇〇へ行こう」ということはあまり多くなく、用事があってどこかへ行くついでにカメラをまわしているイメージなんです。メディアが運営されているチャンネルや他のYouTuberの方のチャンネルに出演させていただく場合は別ですが、自分のチャンネルの動画を撮りに行く時は、「せっかく面白いことをやるなら、みんなにシェアしよう」という感覚なので。
行動範囲は「日本全国どこまでも」

UKI:「(アウトドアを通じて)この世界はこんなにも面白くて美しい」といったことをメディアやSNSを通じて発信してますし、キャンプを楽しんでいる様子を動画で投稿しているので、親は喜んでくれていると思いますよ。もともと両親が私にアウトドアを教えてくれたわけですしね。
――活動エリアはどのあたりですか? 大阪から秋田まで車で移動されたり、行動範囲が広く、かなりアグレッシブな印象です。
UKI:「日本全国どこまでも」を合言葉にしているくらいですし、全国津々浦々いろいろな所をまわっています。車はスバルのサンバーディアスワゴンです。
ズボラな視点でギアをプロデュース
――ギア対してのこだわりなどがあれば教えてください。UKI:キャンプでも車中泊でもそうなのですが、ポイントは“億劫にならないギア”です。経済的な負担がそれほどなく、心理的にも、持ち運ぶ際にも億劫にならないことが一番なのかなと。例えば、テーブルとしても収納ボックスとしても使えるギアなど、一台で何役かをこなせるギアは重宝しますよね。
それと、私がプロデュースしている「うきッティングボード」というギアがあるのですが、1台でまな板、鍋敷き、盛り付けの3役をこなせるカッティングボードなんです。
――億劫にならないことがポイント?
UKI:そうですね。億劫にならず、身軽な移動を実現できるようなギアはやっぱりいいですね。それとは別の切り口になりますが、日本の古き良きものとアウトドアを融合させたギアも魅力的です。焚き火をする時に使う椅子(座布団)で、素材として畳を使用したものもあるのですが、そういうギアも素敵だなと思っています。今後もズボラな私ならではの視点で、億劫にならないギアなどをプロデュースしていければいいなと考えています。
<取材・文/浜田哲男>
























【浜田哲男】
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界を経て起業。「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ・ニュース系メディアで連載企画・編集・取材・執筆に携わる。X(旧Twitter):@buhinton