ぽっちゃり体型を自身の個性・武器として活躍する女性インフルエンサーは少なくないが、3ケタ体重の女性たちは日常生活でどんな「あるある」や「悩み」があるのか。
今回は、肥満落下系堕天使アイドル「びっくえんじぇる」のマヨネーズ担当・えりぴよこと多田えりさん(169センチ、110キロ ※取材時)をインタビュー。前編に引き続き、みけぽアイドルのリアルと今後の野望について語ってもらった。
山あり谷ありの7年間だった
――「びっくえんじぇる」にはえりぴよさん含めて、みけぽが3名もいらっしゃるんですね。えりぴよ:ステーキ担当のはなっこりー(102キロ ※取材時)と、さつまいも担当のジュリジュリ(102キロ ※取材時)が猛烈な勢いで追い上げてきていて、グループ最重量の座を狙われています。
――「びっくえんじぇる」として活動してきた7年間は、率直にどうでしたか。
えりぴよ:けっこう山あり谷ありでした。世間のおデブに対する風当たりがまだまだ強いからこそ、おデブアイドルとしておデブを武器に立ち向かっていく「びっくえんじぇる」が、いろんな方に勇気を与えられる存在にもなっているのかなと。
はじめはYouTuberとしての印象が強く自主イベントが多かったのですが、温かいご声援のおかげで本気のアイドル界のイベントに呼んでいただくことが増えて、より一層おデブアイドルとして世間に認めていただけてるのかなと感じています。
体型を指摘するコメントについて思うこと
――風当たり強かったですか?えりぴよ:「痩せた」「太った」コメントがよく動画についていて、もし世の中の人が普段から職場や学校で他人の体重をこんなに気になっているとしたら、本当に窮屈でシンドイだろうなと。しかも、「太った」とコメントつけられた動画がけっこう痩せているタイミングだったりもするので。
――中高生が何か言いたいだけでコメントしているような感じかもしれないですね。
えりぴよ:おデブアイドルを公言していると、デブがアンチコメントにならないからか、たまに「金髪ゴリラ」みたいな暴言もあります(苦笑)。
「ぽっちゃり」より「おデブ」を打ち出すワケ
――えりぴよさんは、「ぽっちゃり」より「おデブ」「デブ」という言葉をよく使いますね。えりぴよ:否定的なイメージが強くて私も自分をデブだと言えなかったんですけど、だからこそ「デブ」という言葉が「びっくえんじぇるみたいで可愛いじゃん♪」みたいな言葉にすることが目標でもあります。
――表面的な言葉狩りより、文脈や関係性の視点のほうが大切なのかなとは思います。
えりぴよ:悪意のある「デブ」ではなく、愛のある「デブ~」みたいな感じで言えるような世の中になれば私は良いなと。私自身は「びっくえんじぇる」に入って、自分の人生が明るくポジティブになっていると感じていますね。
デビュー当初からファンの9割は女性

――最近、一番バズった動画は?
えりぴよ:CUTIE STREETさんの「かわいいだけじゃだめですか?」の替え歌動画「100キロ超えちゃダメですか?」が、450万回くらい再生されました。
――「びっくえんじぇる」のファンはどういう方が多いんですか?
えりぴよ:実はデビュー当初からファンの9割は女性です。
――女性アイドルグループとしては驚きの数字ですね。それだけ体型やルックスを気にしている女性が多いと。
えりぴよ:私もビックリでした(笑)。かわいいキレイな子たちが、私たちのことを「かわいい」と言ってくれる世界線は、とても不思議な感じがしますけど。
――めちゃくちゃ良い話ですね(笑)。えりぴよさんの現在の食生活はどんな感じですか?
えりぴよ:やっぱりマヨネーズ大好きですね。マヨネーズごはんが定番で、少し醤油を垂らしてかき込むのが最高です。カロリーは高ければ高いほどおいしいです。
どこかで代謝と釣り合って太らなくなる
――アイドル活動も体力勝負ですもんね。えりぴよ:トマト、メカブ、納豆は冷蔵庫で常にストックしていて、意外と健康や栄養バランスには気を遣っています。最近はあまり体重の増減がないので、過度なカロリーオーバーをしているわけではないのかなと。デブの体って不思議で、どこかで代謝と釣り合って太らなくなるんです。
――そんな中で、さつまいも担当とステーキ担当のメンバーが猛追していると。
えりぴよ:ステーキ担当の子は去年9月に入った新メンバーなんですが、当時94キロだったんです。それがいま108キロなので驚異的なスピードですね。どんな食生活しているのか私も気になります。
みけぽアイドルあるある「汗をかき過ぎて……」
えりぴよ:撮影の合間にメンバー全員でコンビニへ行って好きなだけ買うと、1万円は超えますね。先日YouTubeチャンネル登録者数が20万を超えたお祝いで、メンバー全員で叙々苑のランチへ行ったときのお会計は18万円しました。――行く先々で特需を巻き起こしているという。えりぴよ:ケータリングも、おにぎりとかファミチキとかてんこ盛りです。ただ、私自身はライブ前にごはん食べられないタイプで、一日掛かりのライブイベントだと時間もないし、おにぎり2個で夜まで動き続けることもよくあります。デブもそれぞれですが、よく食べる日とあまり食べない日の波があるという。
――みけぽになって「顔が丸くなった」とのことでしたが、他に実感した変化や困りごとはありますか。
えりぴよ:わりと筋肉質なので基本は筋肉でカバーできていますが、ライブで「この曲、前はもっとラクだったな」「息切れするようになったな」と思うことは正直あります。日常生活で一番困っているのは汗ですね。
――とくに今の時期は大変ですね。
えりぴよ:いつも汗だくで、ライブ後の特典会でも汗のかき過ぎでファンの方にも「大丈夫?」って心配されるという。最近はファンの方がミニ扇風機で風を当ててくれるようになり、有り難い傾向だと思っています(笑)。楽屋もクーラーでガンガン冷やすんですが、タイマンライブで他のアイドルさんと一緒のときは、他のアイドルさんが部屋を出ていってから楽屋の設定温度を一気に下げるという。
もっとビックなおデブアイドルになりたい

えりぴよ:本当に夏の野外イベントとかどうしたらいいのか。いろいろグッズは持っていますけど、対策しようがないです。夏は水筒が一番大事ですね。あと日傘も。
――最後にグループとして今後の目標などあれば。
えりぴよ:性別や国籍に関係なく世界中に愛される、もっとビッグなおデブアイドルになりたいですね。来年1月に「Zepp Shinjuku」で予定している全国ツアーのファイナルは、ワンマンとしては過去最大規模の会場なので、まずはそこを“満腹”にしたいです!
<取材・文/伊藤綾>
【伊藤綾】
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii