夏は出会いが多い季節。
紗来さん(26歳・仮名)は「夏は……“サンダル”を履く季節の恋愛は怖いです」とうつむく。サンダルが原因で失恋したとは、いったい何があったのだろうか?
コロナ禍でデートを重ねた2人
「2020年の話なんですが、好きな男性がいたんです。3つ年下で、まさに歯に衣着せぬ感じで、思ったことをなんでも素直に言っちゃうタイプの子でした。一緒にいるとハラハラさせられるんですが、そんなところも可愛くて大好きでした」友人の紹介で出会い、コロナ禍だったが順調にデートを重ねた2人。
「告白されたわけでもないけど、毎日連絡して週に1回は会っていたから、いい感じではあったと思います」
会話の中でも「俺が彼氏だったら」「紗来の友だちの前で彼氏ヅラしていい?」などと言われ、付き合うのも時間の問題と思っていた。そんなときに事件は起こった。
時短営業で20時に閉店、宅飲みをすることに
「コロナで時短ではあったけど、2人ともお酒が好きなんでよく飲みに行ってました。いつもは20時には解散していたんですが、その日は結構酔っ払っていて。珍しく『もう少し飲まない?』って、彼に誘われたんです」彼女は「もちろん!」と快諾したものの、開いている店が見つからず、結局は彼の家で飲み直すことになったんだとか。
「闇営業している店は怖いし、いきなり自宅もどうかなぁと思ったんですが、まだ帰りたくなかったんです。それに、さすがにそろそろ進展もあるかなって期待して」
コンビニで酒とつまみを買い、彼がひとり暮らしする家に向かった。
「手洗いとうがいをしてから乾杯しました。
彼の視線が唇ではなく下半身に

「いつになく顔が近くなってきて、“これはキスされるのかな?”ってドキドキしていました。でも彼の視線は、私の唇じゃなくて、下半身の方にいくんです。なんだろうと思っていたら……」
そこで、衝撃の一言が飛び出した。
「彼が急に真顔で『ねぇ、この足、梅毒じゃないよね?』って……。私は、たしかに足が汚いんです。水虫とか皮膚病とかではなくて、靴擦れがひどくて。サンダルやピンヒールが好きで、春から秋までずっと履いているんです。だから、カサブタとか、擦り傷が多くて。でも、まさかそれを梅毒って言われるとは思いませんでした」
デリカシーがなさすぎる!
紗来さんの事情を知らない彼は、足を持ち上げて、まじまじと観察してきたという。もしも足がツルツルだったとしても嫌だろう。「笑いながら『絶対、梅毒でしょ? これ!』って、しつこいんです。『靴擦れがひどいの!』と言っても聞いてくれない。
その後も彼は「ちゃんと病院に行きなよ!」と笑い続けていたという。紗来さんはいたたまれなくなり、早々に帰宅したそうだ。
完全にトラウマ、その後は足が気になって…
「まだ付き合ってもいない段階で、デリカシーがなさすぎますよね。好きな人に足が汚いと言われるだけでもショックだと思う」その後も彼は何事もなかったように、飲みや遊びに誘ってきたらしいが、紗来さんは首を縦に振れなかったという。
「あれがなければ今頃は付き合ってたかもなぁとも思いますけどね。足のことを気に病んでいたら、いつの間にか夏が終わっていました……。いろんな皮膚科やフットエステに通って、とにかく治療に専念していました。彼に梅毒って言われて以降、本当にトラウマで。女友達や親戚の家でもサンダルを脱げなくなりましたもん。足はだいぶ改善されましたけど、いまだに人前に出すのは気が引けます」
じつは、紗来さんに限らず、靴擦れなどで足を気にしている女性は少なくない。男性陣はそこを突っ込むのではなく、“おしゃれを頑張った証”として優しい目で見てはくれないだろうか。
<取材・文/吉沢さりぃ>
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。