そこで今回はキラキラネームを付けられて親を恨んでいる子供と、キラキラネームを付けてしまい後悔している親、それぞれの話を聞かせてもらった。
「ゴリゴリにキラキラネームなので親を恨んでいます」
今年35歳になるAさんは、「ゴリゴリにキラキラネームなので親を恨んでいます」と話す。彼女の名前は、1度見たら絶対に忘れなさそうな漢字のチョイスで確かにキラキラネームだ。
「私ってバレてしまうから、あんまりヒントも出せませんが、名前を言うと失笑されますね……」
大人になった今も名前に苦しむことがあるそうだ。
「小さな時から名前を言うと『あぁ……』みたいな顔をされて、祖父や祖母も『なんでこんな名前にしたんだろうねぇ』と言っていたのを幼心に覚えています」
Aさんの名前は海外の子供の名前で、漢字は完全に当て字。「画数も何も見てくれていないのがまた頭にきます」と語気を強める。
「なんでこの名前なのかというと、母が『外人みたいな可愛い女の子になって欲しかった』そうなんですが、私めちゃくちゃ日本人顔なんですよ(苦笑)。
だから、小さい時とか名前をいうと『え? ハーフ……?』ってよく聞かれて。でも顔を見たらどう考えても日本人にしか見えなくて、漢字を見たら『あぁ(察し)』みたいな表情をされることが多くて。“私って変な名前なんだな” って、ずっと思っていました」
何回か名前を変えることも考えたが、母親だけでなく父親にも止められて断念したんだとか。
「母は『やっぱり思い入れがあるから変えて欲しくない』というし、父は『お前が気にするほど変じゃないよ』というけれど。
もしもキャラクターの名前だったりしたら変えたかもしれないけど、そういうわけでもないしなぁ……と考えているうちに35歳になってしまいました。諦めたというのと、若干、時間が解決したっていうのもありますが、正直、名前に関しては恨んでいますね」
婚約者の親が名前で不安に…
社会人になって苗字で呼ばれることが増え、友人にも苗字で呼んでもらうようにしてストレスは軽減されていったというが、最近ちょっとしたトラブルもあったようだ。
Aさんは結婚が決まったが、彼氏の親からは“子供にキラキラネームをつけるなんて、Aさんの親はヤバい人なのかも?”と不安に思われていたそうだ。
両家顔合わせで“普通の人”ということがわかって、彼氏の親はとても安心していたとか……。Aさんは結婚してから生まれてくる子供には「絶対にキラキラネームだけは付けません」と話していた。
ホストの源氏名のような名前

「生まれた時のあまりの可愛さに……第一子だったし、テンションが上がってしまって、旦那とも相談のうえ、すんごいキラキラネームを付けてしまったんですよ……」
三船さんの子供は男の子。こちらも「バレたら嫌なので、本名は出さないでほしい」とのことだが、ヒントをいただくと“ホスト”っぽい名前だという。
「全然そういう意図ではありませんでしたが、生まれた時に結構シュッとしていて『イケメンになりそうー!』って感じだったので、カッコいい名前というか、今時のホストの源氏名みたいにしてしまったんです」
現在、子供は小学校5年生。写真を見せてもらったが、とても可愛い野球少年だった。
「可愛いことは可愛いんだけど、真っ黒で丸坊主(苦笑)。名前がTHE・イケメンだから、ギャップが……。本人はすごく明るいので『俺、見た目と名前があってないよね? 変えてくんない?』と笑いながら言ってきます。気にしてないからよかったものの、もっと普通の名前にしておけばよかったな……と、私も旦那も後悔しています」
息子の名前を「キラキラネーム」と言われて困惑
筆者(吉沢さりぃ)にも、2歳の息子がいるが、息子の名前も「結構キラキラだね」と言われることが多い。
息子の名前は読み方は普通だが、漢字がやや当て字なので「そう読むんだ!」と驚かれるのだ。名前自体はよくある名前だから、まさか自分の子供の名前がキラキラと言われるなんて予想外だった。
名前でいじられることはないだろうけど、成長して「読めねぇよ!」とか言われたら申し訳ない……と思いつつ、画数にはかなりこだわっていて、これ以上ないくらいの大吉なので、たぶん問題ないと信じている。
そんな自分の体験からも、意外と自分の子供の名前がキラキラだと気がついていない親は多いのかもしれない。
<取材・文/吉沢さりぃ>
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720