こんにちは、シューフィッター佐藤靖青(旧・こまつ)です。靴の設計、リペア、フィッティングの経験と知識を生かし、革靴からスニーカーまで、知られざる靴のイロハをみなさまにお伝えしていこうと思います。

秋はアウトドアのシーズンです。自然を求めてトレッキングや軽い登山であれば普通のスニーカーでもいいのですが、ぬかるみが気になったり、岩場に指をぶつけるとイライラします。そんなときは、専用の登山靴まではいかないまでも、デイリーでも使えるアウトドアシューズがお勧め。防水性も備わっているので、街でも使えるのが最大のメリットでしょう。

最近は、冬も温暖化の影響で気温が高めに推移することもあり、ショップとしては早めに在庫を消化したいという思惑があり、今の時期は意外と掘り出し物があります。10~11月に入ると人気モデルは一気にサイズ欠けして品薄になるので、実は“今”が地味にチャンスなのです。

ここでは、これからの季節に活躍するお勧めのアウトドアシューズを4モデル紹介します。街でも山でも使える万能タイプから、コスパ重視の入門用まで幅広くピックアップしました。

通勤からトレイルまで使えるサロモン「センスライド5 ゴアテックス」

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「サロモン」といえば、硬くて薄いソールで本格トレイルを攻めるイメージを持つ人も多いかもしれませんが、実はランニングシューズの分野でも超実力派。その代表格が「センスライド5 ゴアテックス」です。

このモデルの魅力は“二刀流”であること。アウトドアはもちろん、コンクリートの街歩きにも適応する汎用性の高さを兼ね備えています。クッションは厚めで、膝に不安のある方でも安心。
防水透湿素材のゴアテックスを搭載し、パーツも少なく壊れにくい設計。さらに「山を走れる」レベルのグリップ力も備えています。

よほどの幅広足(4E以上)でなければ、多くの人にしっくりくるはず。最近は通勤用に電車で履いている人もよく見かけるようになりました。アウトドアと日常をシームレスにつなぐ、死角のない一足です。

毎年完売の人気モデル。HOKA「アナカパ2 ロー GTX」

2025年最新ゴアテックス登山靴&アウトドアシューズ「秋に買うべきお勧めモデル4選」
HOKA「アナカパ2 ロー GTX」。2万9700円。写真は公式HPより
次は、毎年入荷即完売で話題になるHOKAの「アナカパ2 ロー GTX」。特徴はHOKAらしい極厚のハイパークッションに加え、防水透湿のゴアテックス、そしてビブラム・メガグリップ搭載。グリップ力・耐久性・快適性すべてが揃った贅沢仕様です。

注意点としてはサイズ感。筆者(ボンダイのワイド28㎝着用)は、この靴では28.5でジャストでした。ゴアテックス仕様はタイトになりがちなので、普段よりハーフサイズアップがおすすめです。


一部レビューで「ソールがすぐ減る」という声もありますが、それは凸凹のアウトソールをコンクリで使うから。通勤靴として毎日使えば当然早く減ります。心配な方は、履き下ろし前に靴の補修剤「シューグー」でカカトを補強しておくと安心。アウトドア用として割り切れば、これ以上ない相棒になるでしょう。

防水×超幅広=ニューバランス「ナイトレルV6 GTX」

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ニューバランス「ナイトレルV6 GTX」。1万5400円。写真は公式HPより
幅広足の方に最適なのが、ニューバランスの「ダイナソフト ナイトレルV6 GTX」。メンズは4E、ウィメンズは2Eで展開しており、日本人の足型にぴったりです。

トレイルランニング用の設計ながら、採用されているのはフレッシュフォームやフューエルセルではなくダイナソフト。走るときの速い衝撃にも、歩くときのじわっとした衝撃にも両方対応できる柔軟なクッションです。

さらにトウガードも強化されており、岩場でつま先をぶつけても安心。街でも山でもタフに使える、コスパ抜群の一足です。

圧倒的コスパを誇るワークマン「アクティブハイク」

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ワークマン「アクティブハイク」。2300円。写真は公式HPより
最後に紹介するのは、圧倒的コスパを誇るワークマンの「アクティブハイク」。価格はなんと2300円。アウトドアに行きたいけれど予算は限界まで抑えたい、そんな方の強い味方です。


この価格ですが、歩き心地は十分に及第点。スニーカーで山に行って転んだ経験のある私からすると、この値段で必要十分な機能が手に入るのはありがたい限りです。撥水仕様でぬかるみでも安心、つま先補強もあり。ソールはしっかり硬く、アウトドア専用として割り切れば十分活躍してくれます。

ここでひとつ補足。よく「アウトドアシューズは頑丈だから靴底が減りにくい」と誤解されがちですが、それは半分正解で半分まちがいです。

前述のサロモンやニューバランスなどの例外もありますが、凸凹の激しいアウトソールは、あくまで土や泥の上で減りにくく滑りにくいように設計されています。

アウトドアシューズは万能ではありません。濡れたタイルでは滑る、コンクリートでは靴底が早く減るのも当たり前。大事なのは「どこで使うか」を想定して選ぶことです。

今回紹介した4モデルは、それぞれ用途に合わせて選べば必ず頼れる一足になるはず。ぜひ今のうちにチェックしてみてください。


【シューフィッター佐藤靖青】
イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます『シューフィッター佐藤靖青(旧・こまつ)@毎日靴ブログ』。11月1日に新刊『予約の取れないシューフィッターが教える正しい靴の選びかた』(扶桑社)を発売
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