コンビニで長く働いてきた筆者。辞めていた時期もあるが、現在はライター業の傍ら、知り合いの店長に「人手不足」を理由に頼まれ、空いた時間だけ手伝う生活をしている。

 今回は客の行動によってコンビニ店員が抱える怒りやストレスについて述べていきたいと思う。
 

ゴミを勝手に捨てるな

コンビニで「何も買わない」のにイートインスペースを使う客に店...の画像はこちら >>
 店内にはゴミ箱が設置してあるが、外からの持ち込みは禁止だ。それでも勝手に捨てて帰る不届き者が多いので、店内の奥に置くことにした。それからはかなり減ってきた。

 ゴミ箱は基本的に店で発生したゴミと、商品を購入したお客さんへのサービスのために置いてある。

 それなのに女性2人組は、どこかのコーヒー店で購入した透明カップに入っているアイスコーヒーを何の断りもなく、氷が入っているままゴミ箱に捨てたのだ。信じられない。

 目の前でやられたらさすがに注意するところだが、接客中だったのでそれもできず。何か買ってくれればまだ救われるが、そのまま帰っていった。そのあとがストレスで、ゴミ箱からカップを取り、氷を洗い場に捨てるという、とんでもない怒りが湧いてくる作業をしないといけない。

 お客さんが店で購入した栄養ドリンクの瓶や、アイスコーヒーのカップなどはもちろん捨ててOKだ。もしゴミ箱の場所がわからなかったらスタッフに尋ねればいい。しかし、スタッフのいないレジカウンターや、コーヒーマシンの横に置くといった、失礼な人も存在する。


 酷かったのは夏場の夕方、労働を終えた中年男性4人組がアイスコーヒーを購入。最初から態度が悪かったので嫌な予感がしたが、彼らは外で話しながらコーヒーを飲んでいた。しばらくすると彼らの姿は見えなくなったが、飲み終わったカップを捨てに来ないのでに確かめに行くと、そのまま4つのカップが放置され、さらに喫煙禁止区域なのにタバコの吸い殻まで4本落ちていた。

 結局、片付けるのはスタッフである。ゴミ箱が目に付くところにないと思ったのなら、「飲み終わったカップをカウンターに置いておきます」と言ってくれれば全ては済むのに……。イライラする気持ちを抑えながら筆者はそれらを片付けた。
 

イートインスペースはカオス状態

 
 イートインのできる店舗は喫煙所を兼ねている場合が多い。通常、その店で商品を購入して店内で食べる。タバコを吸いたい人は、飲み物を買って喫煙所で休む。もちろん何も買っていない人は使用してはいけない。それは社会的常識だ。時間を潰したい人は、せめてコーヒーやジュースを1杯購入し、10分~30分ぐらい利用するならば問題ない。

 筆者の働く店の近くに、2階がイートインスペースになっているコンビニがある。
そこには行ったことはなかったのだが、同じ店のスタッフが休憩時間にタバコを吸いに行っている。その彼が言う。

「浜さん、あそこのコンビニのイートイン、なかなかカオスだよ。気合の入った店員が一人いて、不届きな客には、レジから階段をのぼって2階まで行き、強い口調で注意しまくっているんだ。面白いから観察してくれば」

 なるほど。それを聞いたら気になってしまうので、休憩時間に筆者もそこの喫煙所に通って観察することにした。

非常識な客と怒鳴る店員

コンビニで「何も買わない」のにイートインスペースを使う客に店員が怒り「図々しい。非常識」
イートイン
 その店員は30歳ぐらいの男性。筆者が行った時間帯は彼一人しか店員がいなかった。もしかしたら他の人は休憩中かもしれないが、それはわからない。その店員は、いつもピリピリしている感じだ。相当、ストレスを抱えているのだろう。

 筆者は飲み物を購入し、2階の喫煙所に入ってみる。驚いたのは、何も購入しないでただ休んでいるだけの人や、タバコだけ吸いに来る人が意外と多いことだ。
ベテラン店員に聞くと、店員がぜんぜん注意しないイートインの店では、何も購入しないで何時間も時間を潰している客が多いそうだ。これは信じられないし、非常識なことだ。

 もしも筆者がそんな店のスタッフだったら、大きなストレスを感じるだろう。ただ、ここの店では前述の怒りっぽい男性スタッフがレジから駆け足で飛んできて、「お客さん、何か購入しましたか?」と烈火のごとく注意をする。

 客の反応はマチマチで、ほとんどの人が「あ、すいません。なにか買います」となるが、3割ぐらいの人がムッとして出ていってしまう。

 それにしてもいい年して図々しい客がいるものだ。彼の行動を見ながら共感してしまう時もある。逆ギレしてくる客にはどう対処しているのか……その点は少し心配だ。
 

迷惑客のオンパレード

 イートインスペースのある店は大体22時まで利用可能だが、掃除も大変だろう。筆者はしばらく通って眺めていたが、正直、イイことなんて何もなさそうだし、利益も低いだろう。

 サービスでやっているのだろうけど、いかがなものかと思ってしまう。

 20代らしき若い女性が5人で話をしていた。
かなり盛り上がっているが、購入しているのはその中の一人だけみたいだ。話したいなら、せめて1人につき1つは商品を買えよと思ってしまう。しかも長時間いるようだ。すると、例の店員がやってきて言う。

「お客さん、困りますね。商品をちゃんと買ってください」
 
 その中の商品を買っている女性が言い返す。

「ちゃんと私、買っていますけど」
「この場所を利用するなら、お1人様につき1商品を買ってください。そうでなかったら、他のお客さんも利用する場所なのでお引き取りください」

 正論だろう。このグループは話したいのなら、全員が安いアイスや飲み物でも購入したりして、店に気をつかうべきではないか。

 この女性グループはブツブツ文句を言いながら店を出た。

 さらに酷い客がいた。店では何も買わないで、よそで食べ物を買ってきて食べる人だ。
中には家から持ってきたような弁当を食べている人もいる。せめて、みそ汁やお茶でも買えば店員も文句を言えないのに……。レジ横で防犯ビデオを観ていた店員が走ってきて、すかさず注意をしていた。

 驚いたのは個人でやっているのだろうか、パソコン教室である。先生みたいなのが、生徒3人をそこに連れてきて、パソコンを出して教えているのだ。信じられない光景。

 もちろん注意書きはしてあるが、そんなのは無視されている。店で何かしら購入して飲食しながらやっているならわかるが、何も買っていない様子……。

 当然、彼がやってきて注意されている。そりゃ、そうだ。

無人レジでイートインボタンを押さない

 
 俺が店に行く時間帯は、レジに彼しかおらず、無人レジが2台ある。ちなみにイートインを利用する場合、わずかだが値段が高くなる。
レジで会計するときに「イートインです」と言わないといけないのだが、無人レジで、そのボタンを押さない人がいる。ちなみに差額は数円だが、故意にしているか、ただ忘れているのかはわからない。

 ある日、筆者が彼のいるレジに行くと、それまで無人レジで精算をしていた男性が2階のイートインに向かった。すると店員の彼は、接客中の筆者を置き去りに無人レジに行き、会計の内容をチェック。そして舌打ちしたと思ったら、猛スピードで2階に駆け上がり、イートインの差額分の数円を徴収していた。

 筆者はその間、レジに取り残されていた。彼もストレスが溜まって大変なのはわかるが、「ごめんなさい。少々お待ちくださいね」ぐらいは言って欲しいなと思ったのだった。

<文/浜カツトシ>
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