元々はタレント業に携わっていたりかさんが、なぜYouTubeチャンネルを始めたのか。現在の暮らしぶりやおすすめのキャンプ場などと併せて聞いてみた。
「台本に沿って何かをすること」ができなかった
――りかさんの経歴をお聞きしますが、高校を卒業された後は大学や専門学校などに行かれたのですか?
りか:行っていないんです。高校卒業後はテレビに出るようなタレントになりたくて、高校時代はタレントの養成所に通っていたんです。卒業後は、事務所のオーディションを受けたりしている過程でSNSをやることを勧められ、取り組んでみたら伸びたりして。
それで、深夜のテレビ番組とかに出演させてもらったのですが、そもそも台本に沿って何かをするっていうのが全然できないなと思って……。自分らしさを発信できるのはSNSだと気づいてという感じです。
――なぜ、キャンプの動画を撮ろうと思ったのですか?
りか:お父さんがキャンプをやっていて、自宅にギアが揃っていたんです。やっぱり身近に教えてもらえる人がいるのは大きいです。それと、キャンプを始めること自体が自分にとって新たな挑戦でしたし、新しい自分を見つけたいっていう気持ちもありました。
最初はタレントでずっとやっていきたいという夢がありましたが、その夢に挫折して新しいことを始めたいと思っていた時に、身近にあったキャンプをやってみようと。あと、キャンプで自然の中にいると、精神的にフラットになれるじゃないですか。思い切って自然に飛び込んでみようと(笑)。
今は“生きてる”感じがする
――YouTubeチャンネルを始める前と暮らしは変わりましたか?
りか:動画を投稿するために編集に追われるので、暇な時間がなくなりました。一週間の流れとしては、週明けに一泊のキャンプへ行って撮影し、それからすぐに編集して金・日に動画を投稿しています。キャンプの行き帰りの移動時間も長いですしね。
ただ、忙しい反面、逆に精神的に病まなくなりました。暇な時間があると考えてしまうじゃないですか。キャンプのYouTubeチャンネルをやっているおかげで、ある意味そういう無駄な時間がなくなって、なんて言えばいいんですかね……なんかこう“生きてる”っていう感じがしますし、精神的にも余裕がありますね。
事故を起こしそうだから「免許は絶対に取らない」

りか:車の運転免許を持っていないので基本的に電車移動なんです。なので、埼玉などを中心に関東エリアがほとんどですね。お父さんに車で連れて行ってもらう時は、山梨県の浩庵キャンプ場など遠出したりしています。
――車の免許は取得する予定は?
りか:いろいろな方から「りかちゃん大変そうだから車の免許を取りなよ」って言われるのですが、私の性格だと絶対に交通事故を起こしてしまうと思うんです。なので、免許は絶対に取らないって決めていますね。
普通乗らない電車に乗れるのが楽しい
――おすすめのキャンプ場はどこですか?
りか:埼玉の寄居町にある「KAYANO camp ground」です。一番行っているんじゃないかなと。本格的な岩風呂がすごく気持ちいいですし、水回りがすごくきれいなんです。キャンプ場の目の前にバス停があって行きやすいですし、一番好きなキャンプ場です。
もう一つも埼玉なのですが、「KAZUキャンプ場」っていう、木材屋さん(吉田木材工業株式会社)に併設されたキャンプ場です。木材屋さんの社長さんが受付とかもやっているのですが、すごくよくしてくださるんです。木材を運んでいるお仕事中でも、「あっ、また来てくれたんだ!みたいな感じで快く迎え入れてくれて。
私がYouTubeチャンネルをやっているからよくしていただいているとかじゃなく、いろいろな方に満遍なく声かけに行ったりとか、すごくいい人なんです。キャンプ場はロケーションや設備も大事ですけど、管理棟のスタッフさんの人柄もすごく大事ですよね。「また行きたい!」って思うきっかけになりますから。
――埼玉以外で、今後行きたいキャンプ場はありますか?
りか:私のチャンネルでは、鉄道でキャンプ地に行くじゃないですか。荷物を運ぶのは大変なのですが、普通の日常生活を送っていたら乗らない電車に乗れるのが楽しいんです。なので、ローカル線の多い東北に行ってみたい思いはありますね。
寝具の良し悪しでキャンプは変わる

りか:何年か前、視聴者さんからヘリノックスのコットをいただいたんです。キャンプを始めたばかりの頃はグランドシートを敷いて、その上にエアマットみたいなものを敷いて寝ていたのですが、ゴツゴツしたところだと体中が痛くなってしまって…。ただ、コットは快適過ぎて、コット一つで本当に変わるんだなと思いました。
キャンプをされている方は絶対に持っているギアだと思いますが、キャンプを始めたばかりだったり、未経験の方には「こんなに違うんです」ってことを伝えたいです。値段は安くないですけど、絶対に買ったほうがいいですよ。
――ほかにも、おすすめのギアはありますか?
りか:ナンガの寝袋もおすすめです。関東だとマイナス10度とかにはあまりならないと思っているのですが、そこまでいかなくてもやっぱり1月、2月はかなり気温が下がるじゃないですか。でも、ナンガの寝袋があったおかげで生きられました。持っていない時は寒さが本当にしんどかったのですが、「ナンガの寝袋があれば、生きていける」っていう感じになりましたから。
先ほど挙げたヘリノックスのコットもそうですが、やっぱり値段が高いだけあるなと(笑)。キャンプって楽しんだ後にしっかり寝ないと体力的に持たないじゃないですか。もう本当に寝具でキャンプは変わるって言ってもいいくらいなので、そこにお金をかけるべきかなと。私はお金を全然かけない貧乏キャンパーみたいな感じなんですけど、寝具だけはしっかりしたものを使いたいと思っています。
自分が楽しいことじゃないと続かない
――調理道具でおすすめはありますか?りか:ユニフレームのクッカーですね。フライパン、小さめの鍋、大きめの鍋が重ねられてワンセットになっているのですが、すごく便利で使用頻度が高いです。
あと、私がキャンプのギアで一番最初に買ったのがグローブなんです。熱いものを持つ時や焚き火をする時、薪割りをする時に使っていますし、今でも重宝しています。やっぱりグローブがないと危ないですし、必須ギアですね。
――こういったギアを電車移動で持ち運ぶのは大変じゃないですか?
りか:荷物が多くなればなるほど、めちゃめちゃ大変ですね。
――鉄道でキャンプ地へ行くっていうのは、他のチャンネルではあまりないですよね。差別化できている部分なのかなと思いますが、いかがですか?
りか:差別化している意識は全くないです。やっぱり自分が楽しいことじゃないと続けられませんし、私が楽しそうでなければ視聴者さんも楽しくないと思いますし。なので、誰かと違うことをしたいとか、誰かと自分を比べたりとかっていうことはないですね。
<取材・文/浜田哲男>





【浜田哲男】
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界を経て起業。「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ・ニュース系メディアで連載企画・編集・取材・執筆に携わる。