人気インフルエンサーのゆりにゃさんの元カレである“たいちくん”(斎藤太一さん)が、破局後も未練タラタラだったのか、ゆりにゃさんの名前“YURIKA”の文字をタトゥーで彫ったことがSNS上で物議を醸した。
 “恋人の名前のタトゥーを入れること”って、どうなんだろうか……。


 そこで今回は、「恋人に自分の名前を彫られた人」と「恋人の名前を彫ってしまった人」に話を聞かせてもらった。また、ベテラン彫り師にも率直な意見をうかがった。

別れた彼女の胸にガッツリ自分の名前が…


「彫った時は満足だったけど…」“恋人の名前のタトゥーを入れた...の画像はこちら >>
「大学時代の話ですが、ドン引きですよ」と話してくれたのは、司さん(35歳・仮名)だ。

「大学3年の時に付き合っていた彼女が、別れた後に“TSUKASA”と彫ったんです。よく言えば寂しがり屋って感じの子ですが、なかなかキツかったですね」

 付き合った経緯は、「サークルの飲み会で持ち帰っちゃってなんとなく」だという。

「飲んで俺の一人暮らしのアパートに泊まって……。そのままずっと帰らなくて、『付き合ってますよね?』って聞かれて、可愛かったから『まぁ、いっか』っていう始まりでした」

 最初は「好き」「好き」と常に司さんについて来る彼女が愛おしく感じたが、付き合って2ヶ月も過ぎると「しんどい」と思うように。

「男友達の飲み会も禁止」彼女の厳しい束縛にヘトヘト


「サークルに行っちゃダメ、同じ学年の女とは目も合わせちゃダメ。バイトの飲み会もダメで、挙げ句の果てには男友達との飲み会にも行くなって言われました」

 彼女の束縛に疲れてしまった司さんは「もう別れよう」とLINEをして、一時的に埼玉の実家から大学に通ったそうだ。

「LINEも電話もすごかったけど『何?』とか適当にあしらっていました。そしたら、恐ろしいことに、無言で教室や食堂で俺を監視するという行動に出たんです」

 それでも司さんは無視を貫いた。すると、彼女から待ち伏せされることはなくなったが……。

“奇行”に走った元カノ


「でもその後……なんか同じサークルの友達が元カノと関係を持ったらしくて、『胸にお前の名前が彫ってあったぞ!』って言うんです。怖すぎませんか?」

 彼女はそのタトゥーを主張するように、司さんの周辺の男性とワンナイトを繰り返していたようだ。だが、最終的には……。


「他の彼氏ができたらしく、俺の名前の上に違うタトゥーを重ねて誤魔化しているようです(笑)。そんなすぐに消すぐらいなら入れるなよ!っていう」

 ちなみに司さんの今の彼女もタトゥーを入れているそうで「俺の名前入れないでよ」と釘を刺したところ、「金もらっても無理」と笑って流されたようだ。

彼氏の名前をノリで彫って「後悔している」

 次は反対に彼氏の名前を彫ってしまった真夏さん(28歳・仮名)のケースだ。

「今も付き合っている彼氏なんですが、マジでタトゥー入れたのは後悔しています」

 真夏さんのファーストタトゥーは21歳の頃。彫った理由は「ノリです」と笑う。

「昔はわかりませんけど、今タトゥーを入れている同世代って、特に思い入れとか意味とかない人がほとんどだと思う。ファッションの一部で、深く考えていないですね、少なくとも私は」

 温泉やプールでも不便はないそうだ。

「温泉は個室の予約ができるところに行けばいいし、ラッシュガード着たらプールも余裕。本当はダメかもしれませんけど、繁忙期なら全然バレませんね」

 今入れているタトゥーは「全部お気に入り!」というが、彼氏の名前だけは消したいそうだ。

喧嘩するたびに「マジで別れたらどうしよ」

 そもそも、なんで彼氏の名前を入れたんだろうか?

「なんか彫りたいなと思ったんですが、私の友達がカップルで名前を入れていて、それでそのまま結婚したので『いいなぁ!私も続きたいな!』って」

 定期的にタトゥーを入れていたが、その頃は特に入れたい絵柄もなく「あ、じゃあ彼氏の名前でいっか」という完全なノリだったそうだ。

「と言っても、“モロ!”って感じの名前ではなく、よーく見たら名前ってわかる程度ですが(苦笑)。彫った時は満足感でいっぱいでしたが、彼と喧嘩するたびに『マジで別れたらどうしよ』って毎回不安になるので、入れなきゃよかったってずっと思っています」

 ちなみに彼氏は「意外と喜んでいた」んだとか。

ベテラン彫り師は「恋人の名前は彫らない方がいい」と断言

「彫った時は満足だったけど…」“恋人の名前のタトゥーを入れた28歳女性の後悔。ベテラン彫り師も「絶対に反対です」
彫り師歴15年のTOMさん
「僕は恋人の名前を彫るのは絶対に反対です」と話してくれたのは、「ZERO TATTOO 金武店」に所属する彫り師歴15年のTOMさんだ。

「基本的にデザインに関してお断りをすることはありませんが、恋人や配偶者の名前を彫りたいと相談されたときは絶対に断ります。
100%後悔すると思います」

 TOMさんが強く言うのにはこんなわけがあった。

「今まで恋人や配偶者の名前を彫って『消したい』と後悔している人を死ぬほど見てきました(苦笑)。確かにピコレーザーなどで消せるかも知れませんが、タトゥーを入れた時よりも痛いし、お金もかかる。

 “カバーアップタトゥー”といって、元のタトゥーを他のタトゥーで消す(覆い隠す)方法があるんですが、この相談にくるお客さんのほとんどが、恋人の名前を彫った人です。元のタトゥーのサイズや場所、デザインによっては、そんなにうまく隠せない。さらに深く刺しすぎちゃっている場合、結局は名前が浮いて見えたりすることもあります。だから、本当にやめた方がいい」

「彫った時は満足だったけど…」“恋人の名前のタトゥーを入れた28歳女性の後悔。ベテラン彫り師も「絶対に反対です」
TOMさんの作品
 一方、名前のタトゥーでも子供や親の名前に関しては「いいと思います」と言う。

「子供や親とは離婚しても別れはきませんからね。血のつながっている人の名前は断りません。それはいいかなって。

 ただ、すでに全身タトゥーだらけみたいな人なら、恋人の名前も彫ってもいいかもしれませんね。そこまで極めていたら“ネタ”って風にも見えるし、いっぱい入っていたら目立たないので(笑)」

 さらに「どうしても恋人や夫婦でタトゥーを入れたい」と言う人には、こういった折衷案を出しているようだ。


「お互いの名前は入れず、サイズや色は一緒だけど、同じキャラクターで絵柄の少し違うものを同じ場所に入れるとかね。それなら別れてもそこまで気にならないはず」

「彫った時は満足だったけど…」“恋人の名前のタトゥーを入れた28歳女性の後悔。ベテラン彫り師も「絶対に反対です」
カップル用のタトゥー(TOMさん提供写真)
 TOMさんは終始「ずっと今の気持ちが続く保証はない。絶対やめた方がいい」と繰り返していた。

「彫った時は満足だったけど…」“恋人の名前のタトゥーを入れた28歳女性の後悔。ベテラン彫り師も「絶対に反対です」
お揃いで入れるマッチングタトゥー(TOMさん提供写真)
 筆者も以前、勢い余って推しの名前を彫ろうとしたことがあったが、推しは恋人でもなく、赤の他人。やっぱり彫らなくてよかった……!!

<取材・文/吉沢さりぃ>

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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