残暑スポットの「不快指数」を調査!
夏うつの発症リスクは働き方や職場環境によって大きく左右される。パークサイド日比谷クリニック院長で精神科医の立川秀樹氏は、こう警告する。「猛暑にもかかわらず出勤が必要な人や外回りが多い人は要注意。特にスーツ着用を義務づけられていると、暑さによる不快さから逃げられず、リスクが高まります。また、外気と冷房の寒暖差も自律神経が刺激され、過覚醒を誘発する要因にもなるので避けたいところです」
冷房の効いたオフィスと屋外をよく行き来する人や外での現場仕事が多い人は注意してほしい。
さらに、残暑が厳しい地域に暮らす人もストレス度は高くなる。気象予報士の森朗氏は語る。
「北海道や東北もここ数年で軒並み9月の過去最高気温を更新し、もはや“北は涼しい”とは言えなくなっています。盆地はもちろん、平野部も要注意。特に埼玉県熊谷や群馬県桐生などの関東内陸部でも高温が観測されています」
もちろん、ヒートアイランド現象の影響が顕著な都市部も危険だ。
「特に東京は東京湾の海水がぬるいため、暖かい海風が街にこもっています。日陰であっても、生暖かいビル風が不快感を増幅させます」(森氏)
残暑うつリスク大!? 危険スポットを歩く

手元には温度計、腕には不快指数を計測するためのスマートウォッチを装着。ビルに囲まれ、人通りが多いと思われる新宿区や渋谷区に向かった。
最初に気温を観測した渋谷区のあおい公園では、15時に40.6℃を記録。直射日光と地面からの照り返しが凄まじく、9月とは思えない環境に愕然とした。


これは上で述べたように、寒暖差による自律神経への負担とも直結しそうだ。
そして記者が帰路に就いた18時前、日没を迎えても昼間の熱気がビル群にこもり、街はサウナのように蒸し暑く、気温は32℃。心身はじわじわと疲弊していく。
僕らが若い頃に経験していた「涼しい秋」はもうこないのか。
残暑うつになる働き方は?
① 長時間の外回りがある
② テレワークや在宅勤務の機会が少ない
③ スーツ着用が義務づけられている
④ 屋内と屋外で極端な寒暖差がある
⑤ 職場がビル群に囲まれていて熱気がこもりやすい
【精神科医・立川秀樹氏】
パークサイド日比谷クリニック院長。著書に『「こころの病気」から自分を守る処方せん』(毎日コミュニケーションズ)など
【気象予報士・森 朗氏】
ウェザーマップ代表取締役社長。数多くのテレビ・ラジオで天気解説を担当。著書に『異常気象はなぜ増えたのか』(祥伝社)など
取材・文/週刊SPA!編集部
―[[残暑うつ注意報]が発令中!]―