―[メンズファッションバイヤーMB]―

 メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。
連載第550回をよろしくお願いします。
ユニクロUの最新作「過去最高のコレクション」「本家なら10万...の画像はこちら >>

最新のユニクロUは「過去最高のコレクション」

 いよいよ発売となるユニクロU。エルメスのディレクターを経験したクリストフ・ルメールとユニクロとの協業ラインであり、10年間続いているコラボでもあります(ユニクロUより以前は「ユニクロ アンド ルメール」名義)。

 10年間漏れなく全型購入してきた私が断言しますが、今回が過去最高のコレクションです。今回はマス向け・一般ウケを捨てて、服好きに全振りしてきたマニアックなコレクション。それだけに「着こなしが難しい」「写真では伝わらない」部分も大いにあることは理解していますが、ファッションアディクト達からすると垂涎のラインナップになっているのは間違いありません。

 そんな過去最高のコレクション、今回はマストバイ8選をお届けします。

ハイエンドなブランドにおいては見かけなくなったMA-1

・パフテックショートブルゾン 7990円

ユニクロUの最新作「過去最高のコレクション」「本家なら10万円超が約1万円に」完売前に買っておきたい“8つの最高傑作”
パフテックショートブルゾン
 近年のメンズミリタリートレンドはMA-1。シンプルでテクニカルな素材を使ったフライトジャケットが人気でした。しかし、ここ最近のハイエンドなブランドにおいてはMA-1は徐々に見かけなくなってきています。

 その代わりに登場しているのがCWUなどに代表される襟付きショート丈のフライトジャケット。CWUとは「Cold Weather Unit」の略でアメリカ軍採用のフライトジャケットデザインです。

 ミリタリー史を振り返るとMA-1の後継モデルとして開発されたのがCWUであり、MA-1のようなツルツルしたナイロン繊維ではなく、マットなアラミド繊維が採用され、また襟がつき大人顔になったのが大きな特徴です。

見事なバランスをデザインで実現

ユニクロUの最新作「過去最高のコレクション」「本家なら10万円超が約1万円に」完売前に買っておきたい“8つの最高傑作”
パフテックショートブルゾン
 今回のユニクロUもこの流れに乗り、ショート丈でガッシリとした天然素材のCWU風ブルゾンを制作。これがワイドパンツとよく合うのです。
裾はシャーリングがついており、やや窄んでいるイメージ。

 その反動で背中に膨らみが生まれるため丸みを帯びた男臭いシルエットが作られています。アームも袖先は細く、袖ぐり(肩から袖にかけた部分)は太くなっておりガッシリとした印象に。しかし、ミリタリーの象徴的なポケットディティールなどは省いており、土臭くなりすぎない……けれど、男性的でセクシーな印象を見事にバランスとって実現できています。

 画像だけ見ると「作業着」ぽくも感じられますが、上手にワイドスラックスなどに合わせるとコレクションブランドのようなバランスと印象が獲得できる。僕は175cm66kgでカーキのLをチョイスしました。

本家では上下で10万円もするアイテムが1万円ほど

・オーバーサイズカラーデニムジャケット 5990円

ユニクロUの最新作「過去最高のコレクション」「本家なら10万円超が約1万円に」完売前に買っておきたい“8つの最高傑作”
オーバーサイズカラーデニムジャケット
・ワイドフィットカラージーンズ 4990円

ユニクロUの最新作「過去最高のコレクション」「本家なら10万円超が約1万円に」完売前に買っておきたい“8つの最高傑作”
ワイドフィットカラージーンズ
 クリストフ・ルメール自身の名を冠した「ルメール」というブランドがありますが、まさにそのルメールの代表的アイテムであるデニムのセットアップを今回ユニクロUでリモデル。

「リモデル」というかほぼそのままくらいのイメージで制作しており、本家では上下で10万円もするアイテムが1万円ほどで手に入っちゃうのだから驚き。ルメール的にこれは大丈夫なんでしょうか。

 素材感もチープになってるというわけでもなく、十二分にデニムのガッシリとした上質さを楽しめる。製品洗いをかけてあり程よく縮みが加わりヴィンテージライクな印象に。

ワーク系なのにおしゃれなセットアップ

ユニクロUの最新作「過去最高のコレクション」「本家なら10万円超が約1万円に」完売前に買っておきたい“8つの最高傑作”
オーバーサイズカラーデニムジャケット
 また、ブラックデニムにブラウンステッチを組み合わせた珍しい色のコンビネーションはルメールの得意ディティール。古着によくあるボタン、やや短めの着丈、小さめの襟などユーロ(欧州)ワークウェアによく見られる特徴を丁寧に採用。

 パンツはハイウエストで足のラインを拾わないように裾まで太い仕様。
セットアップで合わせると「作業着っぽくなるんじゃ……」と思うかもですが、スラックスのパターンを引用しており、上品な見た目になっているため問題なし。

 セットアップでもこうしたワーク系でおしゃれになるものはかなり珍しい。特に量販店ではあまり見かけないため、めちゃくちゃオススメ。他人と差がつけられます。

リラックス感はあるけど、だらしない印象にはならない

・コーデュロイユーティリティパンツ 3990円

ユニクロUの最新作「過去最高のコレクション」「本家なら10万円超が約1万円に」完売前に買っておきたい“8つの最高傑作”
コーデュロイユーティリティパンツ
 とにかくシルエットがいい。

 ウエストやモモ周りがかなりゆったりして股上も深め。楽ちんなシルエットですが裾に向けてテーパードがかかっています。リラックス感はあるけど、だらしない印象にはならない大人には程よい雰囲気。コーデュロイは畝が程よい太さになっており、ワーク感あるシルエットにしては上品な光沢感を備えています。

 コーデュロイは畝の太さで印象が激変するもの。太すぎればワーク感が出て細すぎればフォーマル感が出てくる。こちらはシルエットやデザインはワーク調だけど、畝はフォーマルに近いやや細めにしてありバランスがとにかくいい。これは万人に好まれるでしょう。


流れるようなドレープ感がたまらない

・ハイネックセーター 4990円

ユニクロUの最新作「過去最高のコレクション」「本家なら10万円超が約1万円に」完売前に買っておきたい“8つの最高傑作”
ハイネックセーター
 ウールにナイロンなどを混紡し光沢感を強めたニット。リンキングが美しく、流れるようなドレープ感がたまらない。

 通常、Tシャツなどは針と糸を使って制作されますが、ニットはパーツごとに編み地を繋げていく「リンキング」という職人の作業が必要。手間がかかるのと同時に技術によって凹凸感に差が出るのがリンキング。

 こちらは首元や袖周りなど継ぎ目がフラットで美しい。ナイロン混紡により物性も安定しており、型崩れもしにくい。

 ゆったりしたショルダーラインと対比するように着丈は短くてコンパクト。かなりマニアックな出来ではあるけれど、誰もが着用すれば「なんかきれいだなこれ……」と驚くはず。

インナーとしても、アウターとしても使えて便利

・ダブルフェイスフルジップジャケット 6990円

ユニクロUの最新作「過去最高のコレクション」「本家なら10万円超が約1万円に」完売前に買っておきたい“8つの最高傑作”
ダブルフェイスフルジップジャケット
 光沢感のあるメリノウールを使ったフルジップのジャケット。インナーとしても使えるしアウターとしても使える。

 さらにZIPを上まであげれば、ハイネックのジャージライクなデザインとしても活用できるので何かと便利なアイテム。

 普段、ユニクロが扱っているメリノウールと比べるとそれなりに厚手のものに変更してあり、高級感とともに「アウターらしさ」がちゃんとある。

 ペラペラな印象にはなっていません。秋~冬の着こなしを支えてくれる便利アイテム。


着心地いいのに風合いも美しくかつイージーケア

・ブラッシュドスウェットハーフジップシャツ 3990円

ユニクロUの最新作「過去最高のコレクション」「本家なら10万円超が約1万円に」完売前に買っておきたい“8つの最高傑作”
ブラッシュドスウェットハーフジップシャツ
・ブラッシュドスウェットワイドパンツ 3990円

ユニクロUの最新作「過去最高のコレクション」「本家なら10万円超が約1万円に」完売前に買っておきたい“8つの最高傑作”
ブラッシュドスウェットワイドパンツ
 最強のワンマイルウェアでしょコレ。

 ユニクロでもGUでもこの手の「外出できるスウェット上下」はよくありますが、ここまでハイクオリティな素材はない!

 一見するとウールライクな起毛感と光沢感がありますが、着用感は少し硬めのスウェットというところ。着心地いいのに風合いも美しくかつイージーケア。着用を続けると毛羽立ちはあるものの、耐久性も悪くはありません。

 よくあるスウェットのワンマイルウェアから一歩を差をつけたい人はこちらがおすすめ。ハーフジップのトップスなので「部屋着感」も薄く、上からコートを羽織れば冬のスタイリングとしても十分使える。これは万人におすすめ。

 以上、ユニクロUマストバイでした!

―[メンズファッションバイヤーMB]―

【MB】
ファッションバイヤー。最新刊『ロードマップ』のほか、『MBの偏愛ブランド図鑑』『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Xアカウント:@MBKnowerMag)
編集部おすすめ