夏になると開放的な気分になり、ワンナイトでついハジけてしまった……という体験をしたことがあるという人も少なくないのではないだろうか。
「ひと夏のお遊びのつもりが、相手がめちゃくちゃ“ヘラってる”男で……」
こう話すのは、都内のキャバクラに勤務するレナさん(仮名・25歳)だ。
好みの男とラブホに行ったキャバ嬢の顛末
「3年前の夏に知り合いのバーでアルバイトしていたAくんという男の子に手を出しちゃったんです。そこのバーは元ホストのオーナーが経営していて、スタッフも元ホストとかチャラそうな男の子ばかりでした。当時、遊んでいた私はAくんと連絡先を交換して店に飲みに行くようになったんです」連絡先を交換したからといって「決して恋心はなかった」というレナさん。だが、そう思っていたのはレナさんだけだったようで……。
「水商売の世界ってタイプの子がいればすぐに手を出しちゃうのが普通なんですよね。何回か店に通って、Aくんのことを誘うチャンスを狙っていました。そんなある日、Aくんだけが出勤していて他にお客さんが全然来なかった日があったんです。これはチャンスだと思って営業終了まで店で待って、仕事終わりのAくんを飲みに誘ったんです」
狙っていたAくんと飲んだ後にラブホに行き、目的を果たしたレナさん。しかし、事が済んで話しているとAくんからは意外な言葉が……。
ひと夏のお遊びのつもりが「付き合ってほしい」
「なんと、『付き合ってほしい』とAくんから言われたんです。こちら側としては遊びのつもりだったので耳を疑いましたね。話を聞くと、Aくんは元カノに相当ひどい振られ方をしたらしく女性不信に陥っていたんです。こっちは遊びのつもりでも相手が本気になってしまい付き合うことになる……男女逆ならありそうな話だが、レナさんは渋々受け入れるしかなかったという。だが、「実際に付き合ってみるとAくんのメンブレ(メンタルブレイク)度合いがヤバかったんです……」と語るレナさん。一体、何があったというのか。
過去の恋愛を引きずりまくり

レナさんはどちらかというと竹を割ったようなさっぱりとした性格。そのため、Aくんの女々しい話についていけなかったという。
病みブログを書き散らす彼氏
さらにレナさんをドン引きさせることは他にも。「Aくんの店ではHPにスタッフ日記というものがあったんです。内容としては『今日は出勤しています』という営業的な内容ばかりでした。でもAくんは個人でブログを書いていて、そのリンク先を日記に貼っていたんです。興味本位で覗いてみると、今まで裏切られた過去の失恋話を小説のように書き綴っていたんですよね。ぶっちゃけ、気持ちワル!と思いましたね……」
それを見てしまったレナさんはAくんと徐々に距離を取るようになったという。
ついには自分との恋愛話まで…
「『彼女と連絡がとれなくて辛い』『ご飯が食べられなくなって5kgも痩せた』とかそういうことを書くようになったんです。さすがにもうこれ以上は付き合ってられないと思い、Aくんに別れを告げました。まぁ、勝手にAくんのことを遊んでいると思ってノリで手を出した私も悪いんですけれど、さすがに女々しすぎて無理でしたね……」その一件以来、水商売の男相手だろうと軽々しく手を出すことはしなくなったとレナさんはいう。水商売=チャラい、遊んでそうと思われがちだがAくんのように病んでいる男性も意外と多いのだ。
<取材・文/カワノアユミ>
【カワノアユミ】
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano