夏クールでは、人気映画シリーズの続編にあたる『ちはやふる-めぐり-』(日本テレビ系)が放送され、青春を感じさせる爽快なストーリーで反響を呼んだ。
そんな同作以外にも今年に入ってから1月クールの『御上先生』(TBS系)のヒットを皮切りに、『なんで私が神説教』(日本テレビ系)、『世界で一番早い春』(MBS系ほか)、『僕達はまだその星の校則を知らない』(カンテレ・フジテレビ系)といった学校を舞台にした作品が相次ぎ、学園ドラマが復調の気配を見せている。


この流れに乗って、近年世に出るチャンスが少なかった10代から20代前半にかけての初々しい女優たちに注目の的が集まっている。彼女たちの中から、広瀬すず、浜辺美波、河合優実に続くようなドラマ界のニューヒロインは現れるのだろうか。

そこで、テレビドラマに携わる業界人3名に、22歳以下で今後ブレイク間違いなしだと思う若手女優を教えてもらった。

業界人が語る「ブレイク間違いなし」の若手女優。「朝ドラで国民...の画像はこちら >>

朝ドラ『あんぱん』で国民のハートを掴んだ原菜乃華

まずは、キー局でドラマ製作を務める40代の男性プロデューサー・A氏に若手のブレイク女優を聞いた。

「主演クラスの女優としてブレイク必至なのは、原菜乃華(22歳)さんでしょうね。先日まで放送していた連続テレビ小説『あんぱん』(NHK)でヒロインの妹・メイコ役を演じる彼女は、天真爛漫で歌を愛する三女をイキイキと演じている。

メイコは、ただ明るいだけのキャラクターだと浮いてしまう難しい役。

しかし、原さんは声のトーンや多彩な表情の変化で、絶妙なバランスを取ることができる。

また、高橋文哉さん演じる健太郎のギターに合わせて歌ったシーンは、透き通る歌声がSNSでも話題に。ドラマの空気を一瞬で変えることができる声も唯一無二の武器だと思います。

『ちはやふる-めぐり-』(日本テレビ系)でも、緊張感ある試合中で仲間に声をかけるチャーミングな笑顔や全身で喜びを表す姿がとても印象的でした。今後は、主演女優として各局のドラマに出演するでしょう」

朝ドラから深夜枠ドラマまで、明るさとキュートな声で話題をさらった原菜乃華。王道ヒロインとして飛躍するのは時間の問題だ。


等身大の演技と憑依力で魅了する片岡凜

業界人が語る「ブレイク間違いなし」の若手女優。「朝ドラで国民のハートをつかんだ」ニューヒロインとは
片岡凛公式Instagramより
 また、A氏は原菜乃華とは違うタイプのブレーク候補女優も2名挙げてくれた。

「注目しているのは『いちばんすきな花』(フジテレビ系)で、多部未華子さん演じる主人公・ゆくえの高校時代を演じた、涼しげなルックスがチャームポイントの片岡凜(21歳)さんですね。

出演自体は決して多くはなかったのですが、人間関係に悩む多感な主人公を自然体に演じており、大きな存在感を放っていました。

また、『嘘解きレトリック』(フジテレビ系)第5話で演じた、謎めく女性・品子役は圧巻でした。

清楚で優しいキャラ、弱々しいキャラ、クールな佇まいのキャラを表情や動き、声色だけを使って見事に演じ分けていた。

役に憑依できる演技力はズバ抜けている。王道ヒロインとは違う方向性で、一気に化ける可能性がありますね」

透明感と迫真の演技で引っ張りだこの早瀬憩

業界人が語る「ブレイク間違いなし」の若手女優。「朝ドラで国民のハートをつかんだ」ニューヒロインとは
早瀬憩公式Instagramより
「もう一人は、映画やドラマの出演が続く早瀬憩(はやせいこい、18歳)さん。

映画『違国日記』では新垣結衣さん演じる主人公の姪・朝役を演じ、10代特有の繊細な心境とお茶目な一面を使い分けていたほか、少しずつ主人公に心を開いていく様子も丁寧に表現していました。

朝ドラ『虎に翼』(NHK)でも、よねの壮絶な少女時代を演じ、自ら髪を切る動作一つにまで感情を込めていた。説得力のある演技でドラマや映画界に欠かせない存在になるでしょう」

王道路線の原菜乃華とは対照的に、独特な存在感と卓越した演技力で見せる片岡凜と早瀬憩からも目が離せない。

来年の朝ドラヒロインも控える清純派の上坂樹里

業界人が語る「ブレイク間違いなし」の若手女優。「朝ドラで国民のハートをつかんだ」ニューヒロインとは
上坂樹里公式Instagramより
次に、キャスティングにも関わるドラマ制作会社勤務の30代女性プロデューサー・B氏にも意見をもらった。

「すでに有名ではありますが、『御上先生』(TBS系)で注目を浴びた上坂樹里(こうさかじゅり、20歳)さんはブレーク間違いなしかと。

パッチリとした大きな目とあどけないルックスはもちろん、品の良さを兼ね備えた貴重な女優さんですよね。

中でも『御上先生』で演じた東雲温役では他の若手俳優とは比べものにならないほど役に入り込んでいて驚きました。

とある騒動を起こした元中学教師の娘で、静かな性格ながら次第に感情を吐露し出すキャラクターを表情豊かに表現。


さまざまなジャンルのドラマや映画で活躍できるタイプだと思います。来年の朝ドラ『風、薫る』(NHK)も非常に楽しみです」

成長著しい元・仮面ライダーヒロインの松本麗世

業界人が語る「ブレイク間違いなし」の若手女優。「朝ドラで国民のハートをつかんだ」ニューヒロインとは
松本麗世公式Instagramより
そんなB氏は、自らが関わる作品でキャスティングを検討している若手女優についても教えてくれた。

「2023年に放送された『仮面ライダーガッチャード』(テレビ朝日系)でヒロイン・九堂りんね役を演じて話題になった松本麗世(17歳)さんです。

『仮面ライダーガッチャード』では正義感の強い真面目なヒロインをひたむきに演じていましたが、『なんで私が神説教』(日本テレビ系)では一転して、クラスのヒエラルキー上位にいる少し棘のあるキャラクターを巧みに演じていた。

小動物のような愛らしいルックスは華があるし、非常に努力家で作品を重ねるごとに演技の幅が広がっている。将来のブレークを期待せざるを得ない逸材です」

学園ドラマで印象的な役どころを演じたことで評価を上げた上坂樹里と松本麗世。メインの配役でなくても関係者の心には響いたようだ。

強烈な目ヂカラで視聴者を引き込む當真あみ

業界人が語る「ブレイク間違いなし」の若手女優。「朝ドラで国民のハートをつかんだ」ニューヒロインとは
當真あみ公式Instagramより
最後に、深夜ドラマや舞台脚本を手掛ける、アイドル好きでもある20代女性シナリオライター・C氏にもブレイクしそうな女優を聞いた。

「オーラがすさまじく、演技力も着実に伸びている當真あみ(18歳)さんは、ニューヒロイン候補の筆頭でしょう。

なんといっても、彼女の魅力は目。『ちはやふる-めぐり-』(日本テレビ系)ではセリフ回しや仕草だけではなく、キラキラと輝く大きな目を使って競技かるたにのめり込んでいく女子高生の感情の起伏を鮮やかに表現。

2022年放送の『妻、小学生になる。』(TBS系)でも男性が憑依した中学生役を目つきや視線を変えることで演じていた。あれほど強い目力を持つ女優さんはいないと思います」

演技未経験ながらも高いセンスを感じる櫻坂46・的野美青

業界人が語る「ブレイク間違いなし」の若手女優。「朝ドラで国民のハートをつかんだ」ニューヒロインとは
的野美青がセンターを務めた楽曲・櫻坂46「Make or Break」 (TYPE-A)
また、C氏はドラマ未出演ながら「演技を見てみたい」と期待を寄せる国民的アイドルメンバーの名前を教えてくれた。


「最新シングルでセンターを務めた櫻坂46・的野美青(まとのみお、18歳)さんの演技を楽しみにしています。

低音ボイスとクールな印象から女性ファンからの支持も厚い彼女は、イラストやレゴブロック作りが趣味で、芸術的センスや表現力が豊か。

グループの冠番組『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京系)で“妄想ドラマ”企画が実施された際も、他のメンバーは棒読みでセリフを言うなか、抑揚の付いたセリフや間(ま)を意識した演技を披露。演技未経験とは思えないほどのクオリティーでした。

櫻坂46では守屋麗奈さんや藤吉夏鈴さんがドラマや映画に出演していますが、的野さんにもそのチャンスが回ってくれば、クールで自然体な演技力が評価されると思います」

このように、ドラマ関係者たちが太鼓判を押す10~20代前半の若手女優を紹介してきた。

すでに数多くの作品に出演して人気を博す演技派女優からドラマ経験のないアイドルまでさまざまなジャンルから名前が飛び出す結果となった。

ぜひアナタもドラマや映画をじっくりと見て、将来性を感じるニューヒロインを発掘してみてはいかがだろうか?

<文・木田トウセイ>

【木田トウセイ】
テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。
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