41歳でセクシー女優デビューした、白河花清(しらかわ かすみ)さん。
デビューまでの経歴は「美容師」「モデル」「配信ライバー」「グラドル」と華々しく、正直に言って「なんでセクシー女優に?」と不思議に思ってしまうほど。


さまざまなことにチャレンジをして、充実した人生を送っている……と思われた白河さんですが、実はインタビューをしているうちに、けっしてその人生が順風満帆ではなかったことが判明。

現在の「白河花清」を作り上げた、その半生をじっくり語ってもらいました。

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シングルマザーで、子どもは3人

――白河さんはデビューが2022年、41歳のときですね。「人妻で2児の母」は本当ですか?

白河花清(以下、白河):実はシングルマザーで、子どもは3人いるんです。デビュー当時はまだ業界のことを信用できていなかったので、ちょっとカモフラージュしました(笑)。

――そうだったんですか。では41歳でデビューした理由は?

白河:デビュー前は別名でグラドルをしていたんですが、なかなか知名度も上がらず、仕事もなくて。続けるのが難しいと思っているところに、セクシー女優デビューの話が来たんです。

3ヶ月くらい悩んだんですが、結局飛び込んでみることにしました。

――決意した理由は、どのあたりにあるんですか?

白河:40歳って、大きな節目だと思うんです。そうしたら「ほかの40歳がやっていないようなことをやりたい」と思えてきて。「全部脱いで勝負するのも、アリじゃないか」と考えたんですよ。

――しかし、この世界に怖さはなかったですか?

白河:実は、もともとこちらの業界には興味があって。
女性としてもっと自分を磨きたい!と覚悟を決めました。

それにシングルマザーだと、パートナーがいないじゃないですか。でも、外で性欲を発散させるのは、少し子どもに後ろめたくて。だけどセクシー女優だと「仕事だから」と割り切れるので、ちょうど良い場所を見つけたな、という感じです(笑)。

美容師時代は「カリスマ美容師」として大活躍

“シングルマザーで3児の母”が41歳でセクシー女優デビューした理由。「私を虐待してきた母親を見返したい」
美容師時代は「カリスマ美容師」として大活躍
――もともと、白河さんは美容師として活躍していたんですよね。

白河:はい。美容専門学校を出て、美容師になりました。髪の毛だけじゃなく、社内ではメイク講習のリーダーをしたり、広告の海外ロケに会社代表として参加したり、美容に関すること全般に携わっていたんです。

――月間の最高売り上げが、280万円。当時「カリスマ美容師」が流行しましたが、まさに白河さんもそのひとりだったわけですね。そのまま現在も美容師として活躍していておかしくない経歴ですが……。

白河:そこは結婚と出産が理由です。

ふたりめを出産したときに、子育ての時間が取れなくて、まずはパートタイムになったんですよ。
でも結局、辞めることにしました。

会社は「辞めちゃうの?」と惜しんでくれたんですけど、子育てしながらだと売り上げが上がらないんですよ。お客様が来る土日や夜の時間帯になかなか働けないので。

――女性の社会進出における問題点の、まさに実例ですね。

白河:私もすごく葛藤はしました。

女性が仕事でキャリアや経験を積んでも、こういう選択をしないといけないときがあるんだ、と。

離婚後はモデルとライバーの二刀流に

“シングルマザーで3児の母”が41歳でセクシー女優デビューした理由。「私を虐待してきた母親を見返したい」
離婚後はモデルとライバーの二刀流に
――その後、離婚されてシングルマザーに。3人のお子さんを抱えて、大変だったのではないですか?

白河:大変ですけど、新しいことを始めるチャンスかな、とも思って。

まずはアパレル関係の会社に勤めながら、モデルの仕事を始めました。

髪の毛やメイクは美容師時代にできるようになったから、今度は服のコーディネートについて学びたかったんです。

それとほぼ同時に、配信アプリを使ってライバーのお仕事も始めました。配信なら、アパレルの仕事から帰ってきて、子どもが寝てから始められるので。

――なかなかハードな働き方ですね。
もともと人前に出るのはお好きだったんですか?


白河:実は、めちゃくちゃ苦手だったんです(笑)。

配信のお仕事は、そんな苦手を克服しようと考えて始めた部分もあるんですよ。

――なるほど、お仕事はお子さんたちのためだけじゃなく、白河さん自身の成長に結びつくようなものをチョイスしたわけですね。

白河:常に新しいチャレンジをして、自分を更新していきたい、と思っています。

限界って、作ろうと思えば簡単に作れるんですよ。でも逆に、限界を作らないと思えば、いくつになっても新しいことができるんです。

ライバーとしても大成功。最高投げ銭額は680万円

――いやー……素晴らしい向上心で、思わず言葉を失ってしまいました(笑)。そしてライバーとして、かなり成功したそうですね。

白河:月間の投げ銭額が最高で680万円。毎月そんなにあったわけじゃないですけど、150万円程度はキープしていました。

……ライバーとして所属している会社に払う分と税金で、かなり持っていかれちゃうんですけど(笑)。


その会社のランキングでは、常に上位を保っていました。

――ライバーとして食べられるようになるのも大変、と聞きますが、それはすごいですね。では、グラドルを辞めるときにライバーに戻る選択肢もあったのでは?

白河:それが、改めてライバーの「投げ銭システム」を考えたら、なんだか申し訳ない気持ちになっちゃって。

なかには食費を削ったり、借金したりして投げ銭する方もいるんです。

私の生活のために無理している方がいる、と思うと切なくなってしまって……。だったら新しい世界、セクシー業界に飛び込もうって。

ネグレクトの母親に虐待を受けた幼少時代

“シングルマザーで3児の母”が41歳でセクシー女優デビューした理由。「私を虐待してきた母親を見返したい」
ネグレクトの母親に虐待を受けた幼少時代
――優しいんですね。子どもの頃から、他人のことを考えるタイプでした?

白河:内気で、手のかからない子ではありました。弟の面倒を見るなど、自立心は持っていたと思います。

――ご両親との関係は?

白河:……実は、両親は再婚していて、私は母親の連れ子なんです。

母親はネグレクトで、私より弟を可愛がっていました。

けっこう言葉の暴力もありました、「産みたくて産んだんじゃない」とか「お前は前の旦那に土下座されて産んだんだよ、だから私の言うことを全部聞け」とか。

――それはツラい……よくグレなかったですね。


白河:よく言われます(笑)。私はグレて反抗するよりも、家の中で自分の存在を消すタイプでした。

目立たないようにして、自分を守る感じです。そして心の中で「強い人間にならなきゃ」「早く自立したい」と思っていました。

よく「モチベーションがすごい」とか「有言実行だよね」とか言ってもらえるんですが、そのあたりは当時味わった悔しさをバネにして、どこか「見返してやりたい」って考えているのが大きいと思います。

母親に植え付けられた容姿へのコンプレックス

――実家ではいつ頃まで暮らしていたんですか?

白河:美容の専門学校を卒業するまでです。卒業してすぐ、家を出ました。

内緒でひとり暮らしの準備をして、有無を言わさず出て行った感じです。それから、ほとんど実家とは関わりを持っていませんね。

――そこからカリスマ美容師として活躍するようになるんですから、スゴイです。

白河:……そもそも美容師になったのも、母親から容姿に関して悪く言われていたのが原因なんです。

デブとかブスとか言われ続けて、自分に自信を失って、高校生のときには拒食症にもなって。

少しでも「かわいくなりたい」っていう気持ちが、美容関連のお仕事を選ぶきっかけになったんだと思います。


――きっかけはツラい思い出かもしれませんが、そこから第一線で活躍できたのは、白河さんの強い精神力があってこそですよ。美貌を保っているのも、努力の賜物ですよね。

白河:でも、お金は子どもたちのために使いたいので、私はジムに通うとか、サプリとかくらいで。もちろん美容にお金をかけたい、とも思いますよ。でも最優先は、当然子どもなので。

ただ、食事にはストイックですね。「これは食べない」とか「この食材は多めに摂る」とか、そのあたりは考えています。

セクシー女優は40代でも需要がある業界

“シングルマザーで3児の母”が41歳でセクシー女優デビューした理由。「私を虐待してきた母親を見返したい」
セクシー女優は40代でも需要がある業界
――セクシー女優のお仕事は、いつまで続けるか決めていますか?

白河:実はデビューするときは「3年で辞めよう」と思っていたんですよ。でも4年目に突入しちゃいました(笑)。

ファンの方も良い方ばかりで、事務所の環境も良くて、セクシー女優以外にいろいろなお仕事にもチャレンジできて。

だから継続しようって気になったんですけど……子どものことを考えると「そろそろかな」とは思っていますね。でも実際はどうなるか(笑)。

――では白河さんにとって、セクシー女優デビューは正解でしたか。

白河:大正解でしたね。働きやすいですし、子どもとの時間も取れますし。それに40代でも需要があって、いろいろな魅力をうまく引き出してくれる業界でもあります。

本当に私は、セクシー女優デビューに対して1ミリも後悔はないですね。

<取材・文/蒼樹リュウスケ、写真/杉原洋平>

【蒼樹リュウスケ】
単純に「本が好きだから」との理由で出版社に入社。雑誌制作をメインに仕事を続け、なんとなくフリーライターとして独立。「なんか面白ければ、それで良し」をモットーに、興味を持ったことを取材して記事にしながら人生を楽しむタイプのおじさんライター
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