上昇トレンドの終盤、いわゆる“高値圏”での値動きは、多くの投資家が判断を誤りやすい場面だ。勢いが続くのか、反転するのか、その見極めには、勘や雰囲気に頼らず、チャートの形を冷静に読み取る力が欠かせない。
今回は、『「1問1答」で身につく!株チャートドリル』などの著書を持ち、マネックス証券、マネックス・ユニバーシティ室長で投資教育を行う福島理さんに、実際のチャートを例に、「このあと上がるのか、下がるのか」を判断するための基本の見方を教えてもらった。
高値圏で株価が上下。この後どうなる?
まず、実際のチャートを見て、この後上昇するか 下落するか(「売り」か「買い」か)、考えてみてください。アステラス製薬の株価は1,400円台から1,800円超えまで上昇してきました。高値圏でこのようなチャートが形成されたとき、その後どのような相場になるでしょう?
下降トレンドへの転換のサインを見逃さない
この問題の答えは、「売り」です。
2つの山(1番天井・2番天井)をつくり、その間の安値=ネックラインを下回った時点で「上昇から下降へのトレンド転換」が確定します。
図のチャートでは、2024年9月に高値(1番天井)をつけて下落し、その後、押し目買いが入って再度上昇するものの、2024年11月も同じような価格帯で下落しています。
これは、前回の高値近辺までくると「もうこれ以上は上がりそうにない、売っておかないと下がるのでは」と考える投資家が増え、下落したと考えられます。
さらに「ネックライン」も下回って、ダブルトップが形成されました。
売買の判断力を高める
【福島 理】
(ふくしま・ただし)マネックス証券、マネックス・ユニバーシティ室長。日本テクニカルアナリスト協会国際認定テクニカルアナリスト。金融リテラシー向上のための教育活動に従事。テレビ、ラジオのほか、雑誌やWebでコラムを執筆。著書に『1時間でマスター!マンガと図解でわかる 新NISAの教科書』(扶桑社)、『勝ってる投資家はみんな知っている チャート分析』シリーズ(扶桑社)がある。
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