中年男性の「疲れ」の正体は、意外にも“好みの女性のタイプ”と繫がっていた――!? 最新研究と識者の見解を基に、取材班が「好きな女性のタイプ別、疲れの原因診断」を独自開発。複雑に絡み合った疲れの原因を解き明かしていこう。

疲れの原因のヒントになるのは「好みの女性タイプ」?

中年の謎の疲れの原因は「好きな女性のタイプ」に隠されている!...の画像はこちら >>
ツラかった猛暑は終わった。だが、この季節は気が抜けて、“謎の疲れ”に悩む人も多い。「疲れを取りたい」と休日に寝だめをしたり、弾丸旅行で温泉に行ったりしても、なぜか週明けには疲れたまま……。

そんな人は、そもそもの疲れの原因を認識し直すべきかもしれない。そして、そのヒントになるのが、意外にも「好みの女性タイプ」だという。医師で脳生理学者の有田秀穂氏が解説する。

「疲れというと筋疲労などの肉体的な原因を思い浮かべますが、現代社会で多いのは圧倒的に“頭=脳の疲れ”です。それらの疲労の裏には、実はセロトニンをはじめとした脳内ホルモンの動きが原因になっていることが多い。例えばドーパミン優位な人は刺激中毒なので、燃え尽き症候群的な疲れ方をしている傾向が強い」

有田氏によれば、疲れだけでなく、性格の形成にも脳内ホルモンは深く関与している。

「日常の繰り返しや生活習慣の積み重ねが脳内ホルモンの働きに影響を与え、それはやがて『性格』として表れます。つまり、疲れ方と性格はともに脳内ホルモンの働きに左右されているものなので、強い関連性があるのです」

好みの女性タイプは自分の性格の有効な分析手段に

すなわち、自分の性格傾向がわかれば疲れの原因解明にも近づくことになる。とはいえ、自分の性格ほど理解が難しいものはない。そこで有効な分析手段となるのが好みの女性タイプなのだ。恋愛学を教える早稲田大学の森川友義教授が話す。


「アメリカの人類学者、ヘレン・フィッシャーは、体のなかにある4種類のホルモンが主導的に性格を決めているとしたうえで『どの脳内ホルモンが優位になっているかで恋愛傾向が変わる』と指摘しています。つまり、自分がどんな女性に惹かれるかを知れば、そこから逆算して、どの脳内ホルモンが優位に働いているか、さらにそれらによってどんな“疲れ原因”があるのか……という分析も可能かと思います」

セロトニン、ドーパミン、テストステロン、オキシトシンの4種類それぞれのホルモンに対応する「4つの女性タイプ」から疲れの原因がわかるというのだ。その分類は以下のとおり。

①朝ドラヒロイン風はつらつ女子好きのあなたは……セロトニン体質
②女優風キラキラ女子好きのあなたは……ドーパミン体質
③バリキャリ風ギラギラ女子好きのあなたは……テストステロン体質
④良妻賢母風もちふわ女子好きのあなたは……オキシトシン体質

主要ホルモンの種類

中年の謎の疲れの原因は「好きな女性のタイプ」に隠されている!? 脳科学が解明する“4つのホルモンタイプ”とは
20250927_sp_2479
①脳内ホルモン
癒やしホルモン:オキシトシン
興奮ホルモン:ドーパミン
元気ホルモン:セロトニン

②性ホルモン
ツヤと安定の女性ホルモン:エストロゲン
筋肉と性の男性ホルモン:テストステロン

※フィッシャーの4タイプでは、セロトニン・ドーパミン・テストステロン・エストロゲンを使用しているが、今回は男性向け診断のため、エストロゲンは除き、代わりにオキシトシンを追加した

中年の謎の疲れの原因は「好きな女性のタイプ」に隠されている!? 脳科学が解明する“4つのホルモンタイプ”とは
好みの女性タイプでわかる[男の疲れ原因]診断


疲れの原因を知るカギになるのは「4つの脳内ホルモン」

ストレスや頭の疲れと深く関係する脳内ホルモンには、主にセロトニン、ドーパミン、テストステロン、オキシトシンの4種類がある。この診断について、心理カウンセラーの下園壮太氏が解説する。

「人間はどのホルモンも持っているので、各タイプは完全に独立したものではなく、あくまで傾向。実際にはグラデーションのように出ているものだと思ってください。私の現場感覚では、日本人男性ではセロトニン体質が最も多く、2人に1人ぐらい。テストステロン体質とオキシトシン体質はそれぞれ2割、ドーパミン体質は1割程度だと思います」

では、これらの脳内ホルモンがなぜ好みのタイプに繫がるのか。「類は友を呼ぶと言うように、人間は同じホルモン体質の異性に惹かれやすい」と語るのは、脳科学専門コンサルタントの佐藤洋平氏だ。

「つまりドーパミン体質の男性の場合、同じドーパミン体質の女性に惹かれるといった具合です。これを『類似性の法則』と呼びます。人は体温や血糖値などを一定に保つ恒常性があるので、自分のホルモン体質を生かせる相手や環境を望む傾向があるからです。
もちろん、自分にはないものを持つ相手に惹かれる『補完性の法則』もありますが、全体では、自分と似ている相手を好む傾向のほうが強いと言えるでしょう」

実はこういった脳内ホルモンを基にしたタイプ分析は一部のマッチングアプリにも転用され、マッチング精度を高める目的でシステムに組み込まれているという。

加齢によって疲れの質も変化

中年の謎の疲れの原因は「好きな女性のタイプ」に隠されている!? 脳科学が解明する“4つのホルモンタイプ”とは
20250927_sp_2610
また男性の場合、各ホルモンの活性化に影響しているのが、性ホルモンであるテストステロンだ。テストステロンは加齢によって減少するが、それが性欲だけでなく、疲れの原因に関わってくる。前出の脳生理学者・有田氏も、ホルモンの重要性について、こう続ける。

「若い頃は昇進やマイホームなど、即物的な目標を達成して得られる“ドーパミン的幸せ”を追いがち。女性から得たい刺激も、高嶺の花を手に入れたいという“恋”のような気持ちだったり、性行為のようなテストステロン的刺激を追い求めがち。ただ、それらの動きが鈍くなる中高年期以降は、その2つに連動してセロトニンの働きも弱まりやすいんです」

それに加え、現代社会はセロトニンが弱まり、ドーパミン中毒になりやすいような仕組みになっている。

「朝から晩までパソコンやスマホに向かうことで大脳皮質の認知機能が疲弊し、眠れなくなってしまう。十分な睡眠が取れないと、慢性的な疲れに繫がり、うつっぽい思考や行動になったりするんです。それがセロトニン不足を引き起こして、悪い循環に陥ってしまう原因になります」

その体内の変化は、女性の好みの変化でも窺い知れる。

「テストステロンの減少は、性欲や性格にも変化をもたらします。相対的にオキシトシンの作用が強まると、女性には若さや性的魅力より癒やしを求める傾向が強まります」(前出・森川氏)

この「疲れの原因診断」をやることで、若い頃はドーパミン・テストステロン的疲れだったものが、いつの間にかセロトニン・オキシトシン的な疲れに変わっていた……といった変化に気づく一助になるかもしれない。


【脳生理学 有田秀穂氏】
東邦大学医学部で坐禅とセロトニンについて研究。退職後、名誉教授に。メンタルヘルスケアを学ぶ「セロトニンDojo」主宰
中年の謎の疲れの原因は「好きな女性のタイプ」に隠されている!? 脳科学が解明する“4つのホルモンタイプ”とは
脳生理学の有田秀穂氏

【早稲田大学教授 森川友義氏】
国連勤務などを経て現職。政治学者として少子化対策を考え、独自に恋愛を学問的に分析する「恋愛学」を確立し全国で多数講演
中年の謎の疲れの原因は「好きな女性のタイプ」に隠されている!? 脳科学が解明する“4つのホルモンタイプ”とは
早稲田大学教授の森川友義氏

【心理カウンセラー 下園壮太氏】
元・陸上自衛隊衛生学校心理教官。自殺予防、惨事ストレスコントロールを教える。’15年に定年退職後、現職。講演、メディア出演多数
中年の謎の疲れの原因は「好きな女性のタイプ」に隠されている!? 脳科学が解明する“4つのホルモンタイプ”とは
心理カウンセラーの下園壮太氏

【脳科学専門コンサルタント 佐藤洋平氏】
オフィスワンダリングマインド代表。認知や情動の脳機能を研究、学術支援やメディア運営を通じて「人間とは何か」を多方面に探究
中年の謎の疲れの原因は「好きな女性のタイプ」に隠されている!? 脳科学が解明する“4つのホルモンタイプ”とは
脳科学専門コンサルタントの佐藤洋平氏

取材・文/週刊SPA!編集部

―[好みの女性タイプでわかる[男の疲れ原因]診断]―
編集部おすすめ