大谷翔平、20打席ぶりの安打で勝利に貢献
2-1のスコアが示す通り、ドジャースは第1戦こそ薄氷の勝利だったが、第2戦は5-1と完勝。先発した山本由伸が先頭打者にいきなり被弾したものの、その後は2安打、1四球とほぼ完璧な投球を披露し、メジャー移籍後の初完投をこの大一番で記録した。打っては、ドジャース打線が第1戦の7安打2得点から、第2戦は11安打5得点と上昇気流に乗った。テオスカー・ヘルナンデスとマックス・マンシーがそれぞれソロ本塁打を放ち、トミー・エドマンとキケ・ヘルナンデスといった脇役陣が2安打ずつの活躍。ムーキー・ベッツを除く先発野手8人が安打を放った。
さらにドジャース打線は、6つの四死球に盗塁と犠打を絡める多彩な攻撃でブルワーズ投手陣を攻略。いい流れで本拠地での3連戦を迎えることができそうだ。
そんなドジャース打線において、やはり気になるのが、リードオフマン大谷翔平の調子だろう。
前日まで3試合連続無安打に終わり、ブルワーズとの第1戦は2つの敬遠を含む3つの四球で勝負を避けられていた大谷。そして迎えた第2戦、大谷は3-1とドジャースのリードで迎えた7回表に1死三塁の場面で打席に立つと、7球目をミートしてライトへ適時打。大谷にとって4試合ぶり、実に20打席ぶりの安打を放ち、チームの勝利に貢献した。
打率.147・三振率37.5%の大不振…
これが自身2度目となるポストシーズン(以下、PS)だが、大谷のバットは湿り切っている。PS初戦となったレッズとのワイルドカードシリーズ第1戦こそ2本塁打を放ちチームを勝利に導いたが、その後は下降の一途。特にフィリーズと相対した地区シリーズは4試合で、18打数1安打と全く打てなかった。特にサウスポー相手に苦戦し、三振の山を築いた。それだけに、ブルワーズの左腕アーロン・アシュビーから放った20打席ぶりの“1本”が本来の調子を取り戻すきっかけとなってもおかしくないだろう。
しかし、待望の安打が生まれたとはいえ、大谷はこの日も5打数1安打、3三振。投手とタイミングが合わず、明らかに振り遅れての空振りも目立っており、完全復調にはもう少し時間を要しそうだ。
改めて大谷のPS成績を振り返ると、ここまで8試合に出場し、34打数5安打(打率.147)。長打は本塁打の2本だけで、40打席で合計15三振を喫している。三振数を打席数で割った三振率は37.5%に上っているが、これは今季レギュラーシーズンの25.7%を大きく上回っており、特に速球の対応に苦しんでいる印象だ。
打球方向割合から紐解く「大谷の調子」
また、大谷は引っ張る意識が強くなっているのか、レギュラーシーズンに比べると、1.5倍以上の頻度で打球が右方向へ飛んでいる。【大谷翔平の打球方向割合、2025年】
打球方向:左 / 中 / 右
レギュラーシーズン:19.0%/37.8%/43.2%
ポストシーズン:22.2%/11.1%/66.7%
PSは8試合のみのため、統計を取るにはサンプルが少ないものの、3本に2本が右方向への打球。左方向に飛んだ割合はレギュラーシーズンとほぼ変わらないが、センター方向への打球がレギュラーシーズンの3分の1以下という少なさだ。
大谷の打撃の調子を測るバロメーターともいえるセンターから左方向への打球。NLCS第3戦以降に、これが増えていけば、一気に調子を上げてくるだろう。逆に引っ張る意識が強すぎると、復調には時間がかかってしまうかもしれない。
大谷の復調が2年連続世界一のカギ
ドジャースは移動日を1日挟み、本拠地ドジャースタジアムで第3戦を迎える。まだ両軍の先発投手は発表されていないが、ブルワーズはおそらくルーキーの剛腕右腕ジェイコブ・ミジオロウスキーか、36歳のベテラン左腕ホセ・キンタナの先発が予想される。大谷は今年7月にミジオロウスキーと対戦したが、その際は3打席で2打数1安打。初打席で130m超えの特大弾をライトスタンドに放ち、怪物ルーキーにメジャーの洗礼を浴びせている。
またキンタナに対しては、通算5打数1安打と抑え込まれているが、唯一の安打が本塁打だった。今季はPSで左腕相手に全く結果を残せていない大谷だが、キンタナは多彩な球種と制球力で勝負する技巧派タイプ。それだけに大谷もサウスポーに苦しむ現状を打破するのに最適の投手といえるかもしれない。
果たして大谷は、自らその打棒を復活させ、いいリズムで先発マウンドに上がることが予想される第4戦を迎えることができるか。チームの2年連続世界一に向けて、打者・大谷の完全復調は欠かせない。
文/八木遊(やぎ・ゆう)
【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。
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