大人の社交場・銀座のクラブにホステスとして勤めているみずえちゃんと申します。
出張中のお父さんたちは浮き足立っている
銀座のクラブは出張中のビジネスパーソンが羽を伸ばす場でもあります。その中には「一応、ホテルの部屋はツインです」と浮き足立っているお父さんも……。
ホテルのお部屋がツインであることを、本当にただ教えてくれただけなのかもしれません。でも多くの場合は下心があって、スケベなことがしたいし、するつもりで宿泊しているホテルについてわざわざ話題にしているはずです。
ところが、それではなかなか「スケベなこと」まではたどり着けません。なぜでしょうか。
では、さっそく解説します。
「一応、ホテルの部屋はツインです」ごときでどうにかできるわけないでしょ
出張先のキャバクラやクラブで出会った女の子に
「一応、ホテルの部屋はツインです」
と、何やら期待のこもった目で訴えているそこのあなた。
加えて
「部屋から夜景が見れるんだ」
「お風呂からは東京タワーが見えるよ」
「一緒に飲みなおさない?」
と、張り切っているそこのあなた。
もちろんスケベなことがしたいし、あわよくばしようと思っているけれど、そのような意図については明確に言及しないことで、いざという時の「逃げ道」を残しているつもりなのでしょう。さらには賢く、スマートにふるまっているつもりでさえある。
しかし、おそらく多くの場合はこうです。
その日の売上次第では、「一緒に飲みなおさない?」まではお付き合い可能なホステスも中にはいます。ちゃんと夜景を見て、バスタブ越しに東京タワーも見て、ワインをあけて、でもちゃんとドレスもパンティも脱がないまま帰ります。
おおかた、彼女にとってこのようなお誘いは日常茶飯事。いざという時の「逃げ道」を用意しているようなあなたたちおじさんを散々相手にしてきています。その百戦錬磨を「一応、ホテルの部屋はツインです」ごときでどうにかできるわけありません。
言われてもいない「Yes」を言われた気になってしまう滑稽さ
宿泊中のホテルの部屋で「一緒に飲みなおさない?」と誘ったのに対して受け取ったはずの「Yes」の意味を、飲みなおすどころか、ベッドインからさらにその先にまで勝手に拡大してしまうのは大問題です。
とはいえ、私たちもおじさんからの「Yes」を聞く前に「食事はそれすなわち同伴である」「誕生日なんだからシャンパンがあって然るべきである」「アフターに付き合ったのだからタクシー代をよこすべきである」と決めてかかっているし、当然のような顔でそれらを受け取っているので、どっこいどっこいではある。
できる男は「しよう」とは言わない
ならば、最初から「しよう」と単刀直入に言えばよいのかといえば、多くの場合、それも不正解です。
皆さんが吉沢亮か横浜流星、もしくは彼らに相当するレベルの美男子であれば「しよう」でOKです。しかし、読者の皆さまはこのケースに十中八九該当しません。
吉沢亮でも横浜流星でもない、ただのおじさんの「しよう」に応じる女がどのような女であるか少し想像してみてください。ただの超ヤバい女です。
では「できる男」はどうしているのかというと「しよう」とは言いません。
言葉なんかいらない関係をまず作りましょう
あなたが吉沢亮でも横浜流星でもない、ただのおじさんならば、言葉なんかいらない関係をまず作りましょう。
彼女のことが好きだし、彼女も私のことが好きかもしれない。何度かデートを重ね、手に触れるなどもしたが、どうやら彼女はさほど嫌がってはいないようだ。今年のクリスマスは何をプレゼントしようか——とか、そのようなあらゆる段階をすっ飛ばして「しよう」じゃダメダメのダメです。
ここまで読んで「めんどくさい」と感じたあなたは、おとなしく「そういう」お店を利用しましょう。手っ取り早くスケベにアクセスできますし、なにより格安です。
入室後の「NO」を無視してはいけない
最後に。彼女と「言葉なんかいらない関係」を築き、ホテルにチェックインまでできたとします。そこでいい感じのムードになって……という段階で、彼女が「帰る」と言うなら、どうか帰らせてあげてください。
スケベの直前までアクセスできたのに「帰る」と言っているんです。よほどのことです。
あなたの口がよほど臭かったとか、近くで見てみたら毛穴がボコボコで気持ち悪かったとか、ムダ毛がボサボサのまま放置されていて不衛生な印象を受けたとか、あなたのガサツなしぐさや言動にイラっとしたとか、理由は多々あると思います。
全部あなたが悪いです。歯医者に行け。肌をケアしろ。ムダ毛を処理しろ。人の気持ちを考えろ。以上。
めんどうを避けるなら孤独を受け入れるしかない
多くの女性は「一応、ホテルの部屋はツインです」ごときではびくともしませんし、かといって単刀直入に「しよう」と言えばよいのかというと、そうでもない。
まずは「言葉なんかいらない関係」をちゃんと築きましょう。その上で、チェックイン後に彼女が帰ると言うなら、どうか帰らせてあげてください。悪いのは全てあなたです。
「めんどくさい」と感じたあなたは、おとなしく「そういう」お店を利用しましょう。
<文/みずえちゃん>
【みずえちゃん】
1989年生まれ。新潟県長岡市出身。関西外国語大学卒業後、大阪市内の広告代理店に勤務する傍ら、キャバ嬢デビュー。結婚、離婚、地方の激安キャバクラを経て、現在は銀座ホステスとライターを兼業。X(旧Twitter):@mizuechan1989
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