新人グラビアアイドルのねぎとろまるさんは、身長150cmと小柄ながらバスト130cm(Mカップ)。先日、ABEMA『ダマってられない女たち』に出演し、Mカップゆえの苦悩を語ってインターネットを中心に大きな話題となった。

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彼女は巨乳であることが原因でイジメに遭い、小学校・中学校と不登校の引きこもりに。高校に入学するも初日で退学した。そんな彼女が、グラドルとしてコンプレックスを武器に変えるまでの軌跡に迫る!(記事は全2回の2回目)

専門学校の成績は最下位。担任に退学をすすめられて…

「胸の大きさに悩み続けた」元引きこもりの歯科衛生士がコンプレックスを“武器”に変えるまで
ねぎとろまる
高卒認定を自力で取得し、歯科衛生士を目指す専門学校に入学した彼女。ずっと不登校で引きこもりだったが「週5通えるようになりました」と当時を振り返る。

「学校には女の子だけ。そしてすごく仲の良い友達もできて、3人でずっと行動していました。メンタル面でもとても支えてもらって、彼女たちに会いたいから学校に行けた部分は大きいです」

中高生時代は巨乳すぎる体型のコンプレックスを友人に相談しても「気にしすぎ」「考えすぎちゃう?」と流されていたが、専門学校の友人は全て受け入れてくれたようだ。

だが、1年が終わる頃、ある事件が起こった。

「担任の先生に呼び出されて『学校にいてもいいけど、お金の無駄。やる気がないなら辞めなさい』と怒られたんです」

当時のねぎとろまるさんの成績は最下位。だが、もともと外に出るのも難しかった彼女からすると「毎日頑張って通っているのに」という思いもあっただろう。


「夜間学校で私が最年少で、みんな昼間働いて学校に通っている子ばかり。中には43歳の人もいました。だから、“引きこもりが学校に通えているだけで偉い!”なんていう私とは、モチベーションが全然違うんです。現実を突きつけられて、過呼吸みたいになって泣いてしまいましたね。それで担任を見返してやろうって思いました」

泣きながら「生まれ変わります!」と宣言したねぎとろまるさんは、勉強に打ち込んだ。成績は上がり、「学年で3番以内に入るようになりました」というからすごい。

「担任に『やるやん』って言われて嬉しかった。ビリギャルっぽいでしょ(笑)。学校には友達もいるし、勉強も結果がついてくると楽しいし、資格を取るという目標もあって、いつの間にか胸のことを考える時間も減っていました」

「胸の大きさに悩み続けた」元引きこもりの歯科衛生士がコンプレックスを“武器”に変えるまで
ねぎとろまる
3年で学校を卒業し、国家資格を取得。歯科衛生士として就職したが、ここでまた巨乳であることが彼女の足を引っ張ってしまった。

「ここまで大きいと、いくら気をつけても患者さんの顔に当たってしまうんです。胸の大きさのせいで、他の歯科衛生士よりも患者さんに近づかないと口の中が見れないっていうハンデもありました」

やりがいも感じていたが、1年勤めた頃である。
「急に糸が切れた……」と、ねぎとろまるさんは仕事を辞めた。

「辞めたいっていうより少し休みたいなって。引きこもりが急に週5学校に通って就職して。ちょっとメンタル的に無理がきたんだと思います」

「同じような体型の人に勇気を与えたい」


しばらく何もせず、「ぼーっとしてた」と話す彼女だが、ふとネットサーフィンをしていると、愛用している洋服のブランドがアンバサダーの募集をしているのを見つけたようだ。

「アンバサダーになると洋服が無料でもらえるというのに惹かれました。あとは、低身長で巨乳の私のような体型にコンプレックスを持つ人に勇気を与えられれば……と思って応募しました」

アンバサダーに無事合格。応募するために作ったSNSのフォロワーは200人程度だったが、大阪のぽっちゃりバーにスカウトされ、初めて接客業を体験する。

「歯科衛生士と違って接客のみで不安でしたが、純粋に楽しかったです!まだまだ巨乳コンプレックスを引きずっていたので、胸が小さく見えるブラをつけて服で谷間を隠していました。それでもお客様はみんな優しかったです」

現役グラドルから「グラビアやってみたら?」

「胸の大きさに悩み続けた」元引きこもりの歯科衛生士がコンプレックスを“武器”に変えるまで
ねぎとろまる
バイト先のバーに彼女に会うべく、「Fantia」(ファン向け動画販売サイト)で活動しているグラドルたちが来店し「グラビアやってみたら?」と声をかけてくれたようだ。

「上京したてで精神の波もあったから、すぐに『はい』とは言えなかったけど、改めてやり方をDMで聞いたら、長文で親切に教えてくれて(涙)。別に露出をそこまでしなくても大丈夫だってことも知れて、思い切って挑戦してみることにしました」

「コンプレックスだった巨乳が武器になる」と気づいたねぎとろまるさんはこう語る。

「あんなに隠していた胸が仕事になるっていうのが驚きでした。もちろんお金になるっていうのは純粋に助かりましたが、学生時代散々からかわれてきた私を見て『こんなに喜んでくれる人がいる』っていうのがいちばん嬉しかったです」

前向きに活動を続けていたが、先日、ABEMAに出演したことでSNSで大きな話題を呼んだが、ネガティブな声も目についたという。

「メディアの影響力はすごくてフォロワーや応援してくれる人が増えたのは嬉しかったんですが、誹謗中傷がすごかったんです」

「今は胸を使っているじゃないか」「奇形児すぎてキモい」「結局話題作って金を稼ぎたいだけ」「悩んでるのにグラビアやってんのかい」などと、心無い書き込みが多数あった。


「番組をきちんと見てくれた人は『大変だったね』『これから頑張ってね!』と好意的に捉えてくれました。でも番組の内容をまとめただけのネット記事を見た人たちが好き勝手言いたい放題で。昔から言われてきた悪口とリンクして、辛かった頃の記憶がフラッシュバックしてしまいました」

ネットの声に落ち込むも「自分のコンプレックスが誰かの癒やしになっていて嬉しい」


現在は自分のメンタルと向き合い、YouTubeなど自宅でできる仕事を中心にこなしているねぎとろまるさん。今回の件で落ち込むことはあっても「グラビアの仕事は辞めないです」と話す。

かつてコンプレックスだった巨乳をポジティブに転換した彼女に、コンプレックスに悩んでいる最中の人に向けてメッセージをもらった。

「身体的特徴は言われたり、見られたり……辛いですよね。でも今はSNS時代、批判する人もいれば、わかってくれる人、評価してくれる人も必ずいます。思い切って発信してみることで、視野が広がる可能性もあります。そんなに気にしなくていいんです。一歩だけ前に踏み出す勇気。何かきっかけがあれば、ぜひ一歩進んでみてください」

ねぎとろまるさんは、「私、偉そうすぎませんか……?」と少し困ったような顔で話す。

思春期に悩まされ続けた大きな胸だが、「とらなくて良かった。
自分のコンプレックスが誰かの癒やしになっていることがうれしいです。これからも頑張ります」と微笑んでいた。

<取材・文/吉沢さりぃ、撮影/髙坂雄貴(超次元電視いと、まほろば)>

―[ねぎとろまる]―

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720
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