DOMOTOの堂本光一が10月11日、4年ぶりとなるソロライブツアー「KOICHI DOMOTO LIVE TOUR 2025 RAISE」の神奈川公演を横浜アリーナで開催した。KinKi Kidsから改名後、初のソロ活動で、新アルバム『RAISE』を引っ提げて全国4都市11公演を巡るツアー。
この日披露したアンコールを含む全28曲のセットリストには、堂本光一の新たな挑戦が髄所に感じられた。
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オープニング。生バンドとコーラスの重厚なサウンドが鳴り響くと、ペンライトが消された暗闇のなか中央ステージに黒マント姿で現れた堂本。1曲目はアルバムのリード曲の「The beginning of the world」。壮大な演出による曲のラストで、12名のダンサーとともにこぶしを高く突き上げてライブが開幕した。

堂本光一、4年ぶりソロツアー。“RAISE”で見せた新境地
堂本光一
4年前に開催したソロライブツアー「KOICHI DOMOTO LIVE TOUR 2021 PLAYFUL」は、コロナ禍の影響でスタンディングや声出しの禁止など制限があった。完全開放となった今回のライブでは、「PLAYFUL」の世界観を再現したブロックも披露。4年前のライブ映像を背負いながら、「Time to go」「Tik Tik Tik」などをパフォーマンス。鮮やかな照明とレーザー光線がステージを彩った。

その後のMCでは、「初めてライブに来た方もいらっしゃいますか。ありがたですね。いいんですか、timelessの寺西くんじゃなくて(笑)、いいのね。
アイツも急に見つかって、急に事務所の対応が変わったからね。あんまり言うと、『そういうの言わないで~』ってなるから」と、堂本らしい茶目っ気トークも健在。

24年間続き、自身の代名詞であった主演舞台「Endless SHOCK」が昨年末にその歴史を閉じた。今年で46歳だが、若干の老化を感じてきたこともあるようで、「家で携帯を触ってて、『これでスケジュールは完璧じゃん』と思ったあとに『あれ、携帯どこやったっけ?』って探してる。あとは、『あとでこれやろう』と思って別のことを始めた5秒後にはそのことを忘れてるっていうね。皆さんもあるでしょ? 本当に怖い!」と話すと会場から笑いが起こった。

堂本光一、4年ぶりソロツアー。“RAISE”で見せた新境地
堂本光一
だが、ステージに立つとそのパワフルさは衰えを知らない。横浜アリーナでの公演は3日間で計5公演あることに触れて、「SHOCKをやっていたときは3日間で6公演とかありましたよ。だから、屁でもねえぜ!と尋常じゃない汗をかきながら言っておりますけど(笑)。ただ、昔からそうなんです。『光一なら大丈夫っしょ』という何かがある。まあ、わたくしは根がM気質なもので、それを言われると頑張っちゃうんですけどね。
今しか作り上げられない空間がありますから、楽しんでいきたいと思います」と気合いを入れた。

ファン人気の高い『ホテル・ミラージュ』は独特なリズムとオリエンタルな雰囲気で華麗なダンス、手拍子で会場を盛り上げる。また、‘03年にリリースされた薄荷キャンディーの収録されたカップリングで自身が作詞・作曲を担当した「I」は、経験を重ねて表現力と甘美に溢れた歌声を届けた。そして、後半ブロックでは「Danger Zone」「LOVE CRIES」などラップを織り交ぜ、激しい炎のなかで圧巻のダンスパフォーマンス。「愛の十字架~Promise 2U~」「Because of you」では、会場にT字の“浮き橋”が出現。高さ約15メートルから2階席のファンの歓声にも応えていた。

7月21日、デビュー28周年記念日に自身のYouTubeチャンネルで生配信を行い、翌22日からグループ名を「DOMOTO」に改名すると発表した。「急遽作ったファンクラブに入会していただいて、こうして滞りなくコンサートが開催できることにも感謝しております」とファンに想いを届けた。

本編ラストは再び、「The beginning of the world」をパフォーマンス。この曲には、これから自分はどんな曲を表現すればいいのか、悩んだ末に見つけた希望。ここから幕が上がって新たなスタートなんだ、という強い決意を込めた。ダンサーに持ち上げられた堂本が、オープニングよりも高く拳をかざして、圧巻のライブを締めくくった。


ステージとは、常にそのときの集大成をぶつける場所。どんな状況で歩みを止めない堂本光一のエンターテインメントをこれからも楽しみしたい。

取材・文/吉岡 俊 撮影/後藤 巧
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