日系自動車メーカーのディーラーに4年間勤務していた経験がある宇野源一と申します。
私事ですが、このたび新車を購入しました。
いま乗っている車を買ったのは7年前。実はついこの間3回目の車検を通したばかりだったのですが急に車への熱が上昇してしまい、検討開始から3週間で契約しました。元ディーラー勤務の私としても納得できる、かなりいい条件で契約できたため、そのノウハウを伝授します。

新車購入の鉄則①:相見積もり

元ディーラー営業マンが明かす「新車を安く買う」「下取り車を高...の画像はこちら >>
今回購入した車は日産セレナのe-POWER。セレナからセレナへの乗り換えです。日産のディーラーは地域にもよりますが「プリンス〇〇(地域名)」、「〇〇(地域名)日産」、「日産サティオ〇〇(地域名)」というようにお店が複数あります。

実は、それぞれのお店の経営母体が異なるため、同じ車でも出される見積金額に差が出る可能性もあります。少々面倒ですが、複数の店舗を訪問し、見積もりをとることをおすすめします。

今回、私は自宅近くにある店舗と以前から付き合いのある店舗で見積をとりました。付き合いのある店舗は自宅からも遠いので、条件によっては取引店を変えるつもりでした。今回、値引きについては自宅近くの方が条件が良かったのですが、車の納期、いま乗っている車の売却時期など総合的に判断し、付き合いのあるお店で購入を決意しました。

新車購入の鉄則②:契約書類をあらかじめ用意しておく

各店舗の見積や条件が出揃ったら、商談の最終段階です。「今日契約する」という心意気でディーラーに行けば、応対してくれる営業マンの入れ込み方が変わります(実際に私が営業マンの時はそうでした)。

こちらの本気度を示すために必要なのが「契約に必要なものをあらかじめ持っていく」ことです。
今回、私は契約するつもりで実印、印鑑証明、車庫証明に必要な書類一式を持参しました。「もうここで決めるから」という意思表示をするためです。印鑑証明については現金や銀行ローンで車を買う際に必要です。ディーラーローンであれば住民票があれば大丈夫です。購入方法によって揃える書類を決めましょう。印鑑証明も住民票もマイナンバーカードがあれば近隣のコンビニエンスストアでも取得できますので、用意していなくても大丈夫かもしれませんが、少なくとも印鑑はあった方がいいでしょう。

余談ですが、最近の自動車の契約は電子契約です。契約書に捺印する、というよりは車の登録書類に捺印するために印鑑を用意することになります。

番外編:下取り車を少しでも高く売るために…

元ディーラー営業マンが明かす「新車を安く買う」「下取り車を高く売る」コツ
車の値引きもさることながら、下取り車がある場合は、その車の査定金額も気にかけておきたいところです。私が乗っていたセレナは7年8万km走行していたので、ディーラー下取では満足のいく金額ではありませんでした。そのため、一括査定サイトと大手中古車買取業者への査定依頼をして合計4社に車を見てもらいました。中古車買取業者は「近日中の買取」で好条件が出やすいので、新車の納期がとても重要です。
可能であれば買う車の納期を確認し、納車に合わせて車を手放す方式が取れれば理想的だと思います。

私の車はディーラー査定では85万円でしたが、買取店の提示が110万円だったため、そちらに売却することにしました。

——今回紹介したノウハウは「買う車種が決まっていること」が必須条件となります。メーカーやディーラーによっては県内に1社しかない場合もあります。県境に住んでいる場合は県を跨いでの商談も良いと雑誌などで言われていますが、手間や時間も考慮したうえで商談することをおすすめします。

<文/宇野源一>

【宇野源一】
埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801
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