「そんなにうるさくないのに」店員から3度も注意されたワケ
小学5年生の男のコの母親である都内在住のAさんは、先日巻き込まれたクレーム騒動についての話をしてくれた。事の発端は、子供が通うサッカークラブの練習後に、子供たちと親たちが近所のファミレスに立ち寄って食事をしていたことだったという。「練習後、子供たちはゲームをしたりサッカーの話をしたり、親たちはお酒も少し飲んでママ会のような感じで盛り上がる。そんなご飯会が練習後の恒例になっていたんです。子供たちも小学校4年生以上で騒がしいといっても走り回ったりはせず、男子特有のバカ話で盛り上がるくらいでした」
これまで注意されたこともなく、その日も周りには同じようにワイワイ会話を楽しむグループもいた。しかし突然、店員から「すみません、他のお客さまのご迷惑になりますので、もう少し静かにしていただけますか?」という声掛けがあった。子供たちは「はーい!」と返事をして少しおとなしくなったものの、数分後には同じように会話が盛り上がり始めたという。
すると、また店員がやって来て「申し訳ありませんが……」と注意をしてきた。
「正直、そんなに大声で話していたわけでもなく、このくらいで注意されるの?って思うレベルではありましたが、その日に関しては少しでも賑やかそうな全てのグループに注意をしていたんです。その後、隣にいた大学生くらいの男のコのグループはムッとして『そんな騒いでないじゃん』『話しちゃダメなのかよ!』と少しキレて帰ってしまいました」
店員が注意するきっかけになった「クレーマーの存在」
結局、Aさんたちグループは3度注意され「それならもう帰ろう」と店を出ることにした。「会計のときに顔を知っている店員さんに『そんなにうるさかったかしら?』って聞いたら、『今日はちょっとデリケートな方がいらっしゃいまして……』って、眉間にしわを寄せて話してくれたんです。それで、クレーマーみたいなのがいたから仕方なく注意してたことに気がつき、納得しました」
サッカークラブに対してクレームが…
だが、ここで話は終わらなかった。数日後、サッカークラブの監督から父母のグループLINEにこんなメッセージが届いたのだ。「皆さんにご連絡です。先日、近所のファミレスでの騒ぎに関するクレームが入りました」
父母たちは練習前の時間に呼び集められると、監督とコーチが厳しい表情で話を始めた。
「先日、ファミレスで店員から何度も注意されたのに無視して騒がれた方がいるとクレームが入りました。楽しく食事をしたりおしゃべりしたりすることは構いませんが、節度を持っていただきたいです」
練習している施設のGoogleマップのクチコミにまで
Aさんたちは、これは私たちのことだと思い、監督とコーチにその日の事情を話し、どういったクレームがきたのかを聞いてみることに。するとそれは意外な形でのクレームであった。「私たちのチームは区の施設を借りて練習しているのですが、クレームは施設の担当者に入ったんです。それもご丁寧にメールと電話で。しかもGoogleマップの評価で区の施設に星1つと『マナーの悪い子供が多く、親もマナーが悪い。公共の場で騒ぐし、注意しても聞かない』とまで書かれていました。でも、これって区の施設じゃなくて、ファミレスの話じゃないですか。対応した施設の職員も『ちょっとクレーマーっぽいかも』と監督たちには伝えてきたそうですが、クチコミの書き込みはなんとかならないかと頭を抱えたそうです」
監督が粘り強く謝罪した結果
クレーマーなら毅然とした対応を取ればいいのだが、施設の職員は区から委託を受けた業者。こうした低評価の書き込みは、継続して委託を受ける際に支障になりかねないと判断した委託業者は、サッカーチームの監督とコーチに対応を求めたという。その後、Aさんたちと監督、コーチ、施設の職員で話し合いを行い、監督から謝罪の電話、施設の職員から謝罪のメールを送ることになったようだ。
「電話に出たのは男性で、神経質な感じの方だったようで、ずっと監督をまくし立てたそうです。ただ、監督も粘り強く謝罪と説明をして、最終的には謝罪を受け入れたとのことでした」
その後、クチコミは削除された。
「ユニフォームを着ているときは、クラブの一員としての自覚を持つ必要があります。周囲への配慮も含めて、社会のマナーを学ぶ場です。クラブの名前、個人の名前がわかるものを持っているときの行動には注意しましょう」
Aさんは「クレーマーなんて無視すればいいのに」と当初は思っていたのだが、多くの人が関わることで問題は複雑になり、深刻なものになっていくのだと身にしみたという。
確かに公共の場で騒ぎすぎるのは良くないことだ。加えて団体や個人が特定されるようなものを持っていたなら、なおのこと。とはいえ、ファミレスでワイワイ食事を楽しんでいたらクレームが来るとは……。なんとも世知辛いことだと感じたのは、筆者だけだろうか。
文/谷本ススム
【谷本ススム】
グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター
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