肥満、高血圧、不眠、うつ、耳鳴り、体の痛み、さらに現代病といわれるアトピーや花粉症……不調の原因は「四毒」だった!?健康本の著者夫妻が、日々の食事から体内に入る「四毒」の危険性に警鐘を鳴らす!

米国の国策で「四毒」は日本に流入した!?

小麦、植物油、乳製品、甘いもの「四毒抜き」で現代病が治る?5...の画像はこちら >>
 新しい健康法として話題の四毒抜き。SNSを覗くと、「体が軽くなった」「甘いものを欲さなくなった」「目覚めがよくなった」などの文言が並ぶ。

「四毒抜き」とは小麦、植物油、乳製品、そして甘いものの4つの食品群を体に害を及ぼす毒とみなし、食生活から抜くことで健康の回復を図る考え方だが、実際のところはどうか。


「日本の病を治す」をテーマに掲げるYouTubeチャンネルが登録者55万人超、10月に健康本『四毒抜き実践ガイド』を上梓したばかりの歯科医師・吉野敏明氏と、夫人で歯科医師でもある純子氏。かねてより日本の食に危機感を抱き、警鐘を鳴らしてきた2人が、「四毒」の裏に潜む米国の国策を暴いた。

吉野敏明氏(以下、敏明氏):まず言いたいのは、30年以上の臨床経験から明らかになったのは、「四毒」の食品が普及した結果、自己免疫疾患やアレルギー、脳梗塞や心筋梗塞、高血圧や糖尿病、がんといった疾病が増加しているという事実です。

小麦、植物油、乳製品、甘いもの「四毒抜き」で現代病が治る?55万登録YouTuber歯科医師夫妻が語る“四毒”の正体とは
大ヒット健康本[四毒抜き]の真実
吉野純子氏(以下、純子氏):牛乳を飲むとお腹を壊す人は多いですよね。というのも、日本人の成人の80%は乳糖不耐症といわれる。つまり、特定の食物を消化・分解できないのです。

 日本人には、小麦に含まれるグルテン不耐症も多い。それだけでなく、植物油や甘いものにも多くの日本人は不耐症なんです。

免疫の暴走、動脈硬化、がんを「四毒」が誘発?

小麦、植物油、乳製品、甘いもの「四毒抜き」で現代病が治る?55万登録YouTuber歯科医師夫妻が語る“四毒”の正体とは
銀座エルディアクリニック院長・吉野敏明氏
敏明氏:食物不耐症というのは食物アレルギーと似た症状ですが、免疫の過剰反応ではなく、少量を食べたくらいでは症状が表れないことも多い。

 だから、長年にわたり食べ続けてしまう。ところが、小麦に含まれるグルテンは免疫を暴走させ、植物油の不飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は、動脈硬化を引き起こす。

 乳製品は摂りすぎるとPMS(月経前症候群)や乳がんなど、特に女性に悪影響を及ぼします。また、甘いものは体内で炎症の要因になるのです。


小麦、植物油、乳製品、甘いもの「四毒抜き」で現代病が治る?55万登録YouTuber歯科医師夫妻が語る“四毒”の正体とは
銀座エルディアクリニック副院長・吉野純子氏
純子氏:こうした疾病が増えたのは、戦後のこと。そして、「四毒」の食べ物を日本人が日常的に食べるようになったのも、実は戦後なんです。

小麦、植物油、乳製品、甘いもの「四毒抜き」で現代病が治る?55万登録YouTuber歯科医師夫妻が語る“四毒”の正体とは
大ヒット健康本[四毒抜き]の真実
敏明氏:そもそも日本人は歴史的に「四毒」を食べてこなかった。ところが、先の戦争が終わると、大量の余剰食料品を抱えた米国は、国策としてまず小麦と植物油を日本に輸出した。

 その頃の日本は食糧難でしたが、その後も米国の輸出は増えていく。大量の食料を消費しきれなくなった日本は、学校給食にこれを回した。米国の同盟国である韓国も、台湾も給食は米食。パンなのは日本くらいのもの。

 これがいまだに続いていることが問題です。日本人は小学生の頃から「四毒」を毎日のように口にして、大人になっても食習慣を変えずにいる。

小麦、植物油、乳製品、甘いもの「四毒抜き」で現代病が治る?55万登録YouTuber歯科医師夫妻が語る“四毒”の正体とは
大ヒット健康本[四毒抜き]の真実
純子氏:中毒性が高いのも一因でしょう。これら4つの食物は、“脳内麻薬”のドーパミンの分泌を促します。
ドーパミンは食による快楽をもたらすだけでなく、短期記憶をなくす効果があるので食べ続けてしまう。

 日本人の食生活は、中毒状態と言ってもいい。一方、お米を食べると“幸せホルモン”のオキシトシンが分泌される。ひと言で言えば、「四毒」を抜いて、昔のように和食を食べれば健康を取り戻せるんですよ。

敏明氏:食生活が原因で日本人の健康が損なわれている現状に対して、これを治すべき医療が西洋医学に偏重しているのも問題です。だから、日本の大多数の医師は対症療法ばかり選択する。

純子氏:例えば、アトピーや花粉症は、戦前には見られなかった。これらは免疫の過剰反応による炎症で、食事の影響も大きいと指摘されてます。

 ところが、多くの医師は免疫抑制剤による対症療法を行うばかりで、免疫過剰という根本を治療してない。このように今の日本の医療は、よかれと思って逆のことをしている。

「未病」を治すのが「四毒抜き」の食生活

小麦、植物油、乳製品、甘いもの「四毒抜き」で現代病が治る?55万登録YouTuber歯科医師夫妻が語る“四毒”の正体とは
大ヒット健康本[四毒抜き]の真実
敏明氏:僕は18世紀から続く家系の出身で、先祖には鍼灸や漢方薬業を生業にしていた人も少なくない。昔は現代のような医療機器も医薬品もないから、病気を治す方法なんてなかった。

 病気にならないようにするしかない。
東洋医学の「未病」の考え方です。中国最古の医学書『黄帝内経』には、「聖人は既病を治すのでなく、未病を治す」とあります。

 西洋医学の対症療法は万能どころか、問題が多い。僕は対症療法をやりたくないから、「四毒抜き」を勧めてるんです。

純子氏:最近は日本でも、大手食品メーカーが小麦粉ではなく、米粉の餃子を販売してます。ただ、こうした試みはまだ少ないのが現状です。

敏明氏・皮肉なことに米国ではオーガニックが人気で、食品メーカーも「四毒抜き」に近い健康志向に大きくシフトしている。結局、ビジネスなんですよ。でも、メーカーが儲かって、消費者の病気が減るなら結構なこと。日本も早晩そうなるでしょうが、それまで「四毒抜き」を実践してもらいたい思いも今回の執筆理由の一つです。

純子氏:実際の調理では、まずサツマイモやカボチャ、トウモロコシといった血糖値を上げる食材は避ける。

 また、ケチャップやマヨネーズ、ウスターソースには大量の植物油、甘味料が含まれるので、天日塩、塩こうじや醤油こうじ、白だしなど天然由来の調味料を使うといいです(記事末尾参照)。


 献立は、日本の伝統的な和食がベスト!

敏明氏:とはいえ、いきなり1日3食を「四毒抜き」は難しい。まず1食だけ、“ゆる四毒抜き”でも大丈夫ですよ。

四毒抜きのために選ぼう!

血糖値を上げない食材



魚介類、キノコ類、肉類、海藻類

四毒抜きおすすめ調味料



天日塩、塩こうじ、醤油こうじ、こうじ味噌、白だし

四毒抜きレシピ



揚げない鶏唐揚げ
小麦粉の代わりにそば粉を使うのがポイント。オーブントースターでじっくり火を入れる。「そば粉はグルテンフリーなので、小麦粉より粘りが少ない。油で揚げるよりカラッと仕上がります」(純子氏)

【銀座エルディアクリニック院長・吉野敏明氏】
歯科医師。岡山大学歯学部卒業後、東京医科歯科大学などを経て現職。『国を癒す医師』(青林堂)など著書多数

【銀座エルディアクリニック副院長・吉野純子氏】
歯科医師。北海道大学歯学部卒業。一般社団法人未病治療コーディネーター協会代表理事。Jキューブ代表取締役

取材/山本和幸 取材・文/齊藤武宏 撮影/長谷英史 写真/PIXTA

―[大ヒット健康本[四毒抜き]の真実]―
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