―[ひろゆきの兵法~われら氷河期は[人生後半]をどう生きるか?~]―

「老害」ーー中年をこれほどまでに傷つける言葉はない。そのため、老害にならないように細心の注意を払いながら生活している中年も多い。
就職氷河期世代はこれまでの人生においてさまざまな困難を乗り越えてきたわけだが、40-50代になって「老害との向き合い方」など新たな難問にぶち当たっている。人生後半も過酷な彼らは、いかに生き抜いていくべきか? 同世代のひろゆき氏が考える。

老害と呼ばれたくない! 孫正義や柳井正から老害にならないコツ...の画像はこちら >>


 氷河期世代くらいの年齢になってくると、「老害と呼ばれていないか? というか、老害になっていないか?」と心配する人がいるようです。

 自分が若い頃、年配の上司に新しいやり方を否定されたり、意見を押し通されたりした経験がある人も多いのでしょうね……。だからこそ、自分が年長者になったときに「老害と思われたくない」と感じるのだと思うのです。

 ただ、老害には「良い老害」と「悪い老害」があると思っています。そもそもですが、それなりの地位にいる人は「老害」になります。逆に部下も権限もない人は、老害にはなりません。地位の高い年長者が若手から邪魔になっていると思われたときに「老害」という表現を使われることがあるからです。

 部下がいれば、やり方を修正したり指導をするのは普通にあることです。無能を放置していたら職場にとっては害でしかないですよね。

 つまり、無能な部下を注意した結果、陰で「老害」と言われているのだとしたら、それはまったく問題ないというか、むしろ健全。
「老害と思われたくない」と考えて、若手に媚びる上司のほうが人間としてヤバいです。

孫正義さんが、老害と言われない理由

 人間は年齢に関係なく変なことをすれば、年配なら「老害」、若手なら「若造」と言われます。ただ、年配で地位が上の人は追い出すことが難しいので、「老害」として陰口を言われ続けるわけです。

 でも、年配でも圧倒的な成果を出していたら、会社にとって害ではないので、老害と呼ばれないどころか、「あの人すごいよね」となります。

 たとえば、ソフトバンクの孫正義さんは70歳近いですが、第一線で現役バリバリの活躍をして成果を出しています。もし孫さんがいなくなったらソフトバンクグループは回らないので、孫さんを「老害だ」と呼ぶ人はいません。

 ユニクロの柳井正さんも同じくで、76歳になった今でも「感動パンツ」みたいなネーミングを考えたり、第一線で仕事をしているそうです。柳井さんが若手の出してきたネーミングを却下して、「感動パンツ」というネーミングを通した可能性もゼロではないですが、実際に感動パンツというネーミングは一定の認知と評価を得ている。つまり戦力になっているという証拠。

 仮に若手の意見を抑えたとしても、成果が出ていれば「良い老害=老害ではない」ということですね。そう考えずに、「老害にならないための立ち居振る舞い」みたいなことを意識して若手に媚びることを考えるのは、本末転倒です。

 年長者として圧倒的な結果を出すのが、能力と経験とコネのある人のやるべきこと。
成果を出せない高齢者が老害と呼ばれたくないからと、「若い人への理解もありますアピール」をするほうが、よっぽど老害だと思うのですね。

 そう考えると、老害にならないコツは、若者に好かれることではなく、成果を出すことか、成果が出せないならさっさと身を引いて若手に席を譲ることなんじゃないかと。それが会社のためだし、社会のためにもなりますから。

構成・撮影/杉原光徳(ミドルマン)

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【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』
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