―[ゼロ恋愛 ~経験値ゼロから学ぶ恋愛講座~/堺屋大地]―

 こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。
 筆者はLINE公式サービスにて計1万件以上のチャット恋愛相談を受けてきました。
また知人経由で対面の相談を受けることも多く、性別・年齢問わずさまざまな方の恋のお悩みをうかがい、知見を深めているのです。

 2020年国勢調査によれば、日本人の「生涯未婚率」(50歳時の未婚割合)は年々上昇しており、女性は17.8%、男性に至っては28.3%にも及びます。そんななかで、恋愛がうまくいかないという方々にも筆者の知見が少しでも役に立てばなによりです。

「40歳過ぎてもパーカーを着続けるのはおかしい」“SNS女子...の画像はこちら >>

妹尾ユウカ氏の主張にビビッてしまった40歳男性

※この記事は本人の許可を得て掲載しています。ただし、プライバシー保護のため実際のエピソードから一部変更しています。

 今回のご相談者は恋活中のアヤトさん(仮名・男性・40歳)

 アヤトさんはヒゲが似合うワイルド系の高身長イケメン。

 建築士の資格を持っており、年収500万円台なので収入もまずまずで、傍目から見ると普通にモテそうなのですが、しいて言うなら自分に自信がないのが欠点というタイプです。

「『40(歳)近くになってパーカーとか着てるおじさんって、けっこうおかしいと思うんですよ』っていう発言で、論争を巻き起こした妹尾ユウカさん(28歳)というコラムニストがいるじゃないですか。

 僕は妹尾さんのその発言を聞いてビビッてしまって、持っていたパーカーは全部処分したんですけど、彼女が今度は『おじさんが人と話すのやめてくれない?』と言っていたんです。

 ある男性インフルエンサーが、《妹尾さんのコラム読んでると、おじさん人と話すの怖くなっちゃうんだよね。悪いんだけどもう連載やめてくれない?》とポストしたのに対して、妹尾さんが《いや、おじさんが人と話すのやめてくれない?》と反論していたんです。

 この一連のやりとりを読んで、僕は20代女性に話しかけられなくなったのはもちろん、30代女性にも話しかけるのに躊躇するようになってしまいましたよ(苦笑)」(アヤトさん)

「パーカーを着続けている人はモテる」ワケとは?

 これまでも恋愛になかなか積極的になれなかったというアヤトさんですが、この妹尾ユウカ氏の発言に振り回されて、女性とのコミュニケーションにとても臆病になってしまっているようでした。

 そこで筆者はアヤトさんに次のようにお伝えしていったのです。


 最初に結論から言いますと、

【パーカーを着なくなった人はモテず、パーカーを着続けている人はモテる】

 “コーディネートにパーカーを取り入れればモテる”というファッションの話ではありません。

 どういう意味かというと、いちいち一個人の主張に揺さぶられて自分のスタイルやポリシーを曲げるべからず、ということです。

 例えば妹尾氏のパーカー発言に、普段からパーカーを愛用している堀江貴文氏やひろゆき氏は反論していました。

 堀江氏やひろゆき氏がパーカーを着るのはやめるようなことはなかったわけですが、そういった“誰か”の声に惑わされず、自分のスタイルを貫けるタイプの男は、確実に一定の割合の女性からモテるものです。

“10~20歳も年下の彼女”持ちの男は意外といる?

 今回の妹尾氏の「おじさんが人と話すのやめてくれない?」という発言はまさにそうで、この言葉を真に受けて能動的に女性に話しかけることをやめてしまったら、モテる・モテない以前の問題で、恋愛が成立しなくなるでしょう。

 この妹尾氏の主張と近しいのが、近年よく話題になる「おぢアタック」です。

 35歳以上の男性が8歳以上年下の女性に対して恋愛的アプローチをするという行為を指す言葉で、相談者のアヤトさんも当然、「おぢアタック」という概念を知って、年下女性との恋愛に尻込みしてしまっています。

 しかし、妹尾氏の今回の主張だけでなく、極論を言えば「おぢアタック」だって無視してOK。

 筆者のまわりには、30代後半から50代前半の男性で、年齢が10歳も20歳も下の彼女がいる人が何人もいます。パパ活などではなく純粋な恋愛関係です。そしてその場合、むしろ年下彼女のほうが夢中になっているパターンが多いです。

 そういった男性たちはえてして恋愛強者なので、“10~20歳も年下の彼女がいる”という話を一般論化したいわけではないのですが、そういう男性が存在しているのも事実なわけです。

 さて、そんな“10~20歳も年下の彼女がいる”男性たちが、妹尾氏の主張や「おぢアタック」を気にしているでしょうか?

 答えは「NO」。
気にしちゃいません。

 いちいち気にしていたら、年齢差がかなりある年下女性との恋愛なんて成立してないからです。

 もちろん非常識なレベルの自信過剰やセクハラまがいのアプローチは厳禁ですが、年下女性の感情を慎重に見極めつつ、節度を守って口説くなら、筆者は「おぢアタック」も“アリ”だと考えています。年の差恋愛はしちゃいけないなんて法律も常識もルールもないんですから。

妹尾ユウカ氏の発言は適当にスルーするのが正解

 妹尾氏は主語が大きい発言をして注目を集めるのが常套手段なので、こういう特定の層(今回のケースは中年男性)に“呪い”を掛けたがるタイプの人の意見には耳を傾けず、適当にスルーしておくのが正解です。

 ちなみに筆者の主張には、「生存者バイアス」がかかっているように思えるかもしれません。年齢差がある年下女性と付き合えているという成功事例だけを挙げて、失敗事例から目を背けているようにも見えるでしょう。

 ですが、決してそんなことはありません。

 そもそも「100%全ての女性から好かれること」なんて不可能。「100%全ての女性から嫌われないこと」は可能ですが、「好かれる」≠「嫌われない」なのは言わずもがなです。世の中の全女性から「好き」「付き合いたい」「抱かれたい」と思ってもらえる男性なんて、存在しません。

 それは逆に考えると、ある一定の層から「好き」「付き合いたい」「抱かれたい」といった強い好意を抱いてもらうためには、違う価値観の層の女性から嫌われる覚悟も必要ということ。

 要するに、妹尾氏に共感・同調する女性は一定数いるでしょうが、そういった層から嫌われる覚悟を持ったうえで、彼女たちの価値観や主張を無視するのが、恋活がうまくいくコツなのです。


 “10~20歳も年下の彼女がいる”という男性は、成功体験だけしか味わっていないのではなく、女性から嫌われるという失敗体験もしっかり味わっており、それでもなおトライ&エラーをし続けられる男性ということでもあります。

“嫌われる覚悟”を持つ男性が少ないからこそ――

 アヤトさんは筆者の話した内容は理解・納得できたようですが、「それでも今すぐに“嫌われる覚悟”は持てそうにありません(苦笑)」とのことでした。

 たしかに一定層に嫌われることに怖さはあるでしょうから、“嫌われる覚悟”を持つためには大変な勇気が必要です。

 けれど、世の中に“嫌われる覚悟”を持っている男性が少ないからこそ、その壁を乗り越えられる一部の男性は、恋活が抜群にうまくいくものなのです。

<文/堺屋大地>

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【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。本連載意外に『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載、『コクハク』(日刊現代)で芸能コラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。公式SNS(X)は@SakaiyaDaichi
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