みなさんは、「もしも空が飛べたら」何をしますか?
「もしも○○だったら」と空想すること自体に意味はないと分かりながら、人は空想から逃げられませんでした。
実際、私たちの暮らしは「空想」を現実にすることで発展してきました。
わずか数百グラムの金属板ひとつで、高度な計算、集合知へのアクセス、外国語の翻訳、写真や動画の撮影など、様々な「魔法」を使いこなしていますよね。
イギリスのSF作家クラークは「クラークの三法則」にて「高度に発展した化学は、魔法と区別できない」と述べていますが、全く我々の暮らしを200年前の人々が目撃したならば「魔法の国」と見紛うに違いありません。
そして、私たちはいま新たな「魔法」の誕生を目の当たりにしています。
AIの発達により、ただの素人でも一見専門家顔負けの出力を得られるようになりました。
この文章は私が手書きで打ち込んでいますが、その気になれば、これと同じような内容の文章を数秒以内に出力できる点で、AIは無限の可能性を秘めています。
気になるのが「AI時代に活躍できる人材とは?」でしょう。
そこで、様々なモデルを探ってみた結果、意外なキャラクターが「優秀すぎる」として浮かび上がってきました。
今回は「他力本願の人でなし」が輝くかもしれないAI時代の生き方について考えます。
これからの優秀さ
みなさんは『ドラえもん』をご覧になったことがありますか?いじめられっ子で、万年落第生ののび太、いじめっ子のジャイアンと腰ぎんちゃくのスネ夫、マドンナのしずかちゃんら少年少女4人組と未来からやってきた完全自立二足歩行猫型ロボット『ドラえもん』が様々な騒動を巻き起こす国民的人気作品です。
作品中では、しずかちゃんや秀才の出木杉が「できる人」として描写されています。
ペーパーテスト全盛で、AIなんてなかった時代と考えれば無理もありません。
ただ、元号が令和へ移り変わり、知識偏重評価体制に疑問が呈されるようになった現代としては、多少時代遅れにも見えます。
いまは、AIによって知識を外部委託できる時代。
計算ができなくても電卓を持っていれば仕事ができるように、知識なんてなくても、使い方さえ誤らなければ、活躍できます。
もちろん、知識のファクトチェックなど課題は残りますが、その程度の問題は、やり方さえ覚えれば誰でもクリアできる。
つまり、これからこそが「地頭」が問われる時代なのでしょう。
AIに最も適応できるキャラは?
そういった意味で『ドラえもん』世界を見渡すと、今度は意外なキャラクターに焦点が当たります。それは、本作の主人公であるのび太。前述の通り万年落第生、テストの点数は1ケタ台ですが、「ひみつ道具」の悪用に関しては彼より優秀であるはずのしずか・出木杉両名の追随を許さない。
そもそも我々が躍起になって知識を得ていたのは、知識がなければ、結びつけるべきポイントが明瞭にならず、「考える」ことができないからでした。
逆を言えば、知識が外部から供給されるようになれば、これからは「初見の事象に対していかに早く適応し、独創的かつ実用的な結び方を発想できるか」で勝負が決まります。
「ひみつ道具」なんて、我々の常識の外を行くようなものばかり。
それでも、それら道具を一瞬で受け入れて、シャバにいられるギリギリの倫理観でグレーゾーンまっしぐらの実用性を追求できるのは、確かに「AIに適応できる人材」の条件を満たすのではないでしょうか。
世界史の視点で「AI騒動」を考える
実は、過去にもAIのように画期的なかつ実用的すぎる発明が、既存権力や既存の価値観を大きく揺らがした例は、既に存在します。それこそ「銃火器の登場」。13世紀あたりまでの戦争と言えば、もっぱら近接戦闘が主。
そのためには、金属製の高価な武具を揃えたり、それなりの時間を武術の鍛錬に充てたりしなければいけません。
しかし、14世紀・15世紀頃から戦争において大砲や火縄銃など銃火器が使われるようになりました。
もちろん現代ほど威力を持ち合わせていないものの、「狙って引き金を引けば、あとは銃弾(砲弾)が勝手に仕事をしてくれる」「遠距離攻撃なので、従来の戦術が通用しなくなった」ことは、騎士階級の没落を招いたのです。
結果として、今でも剣術などは生き残っていますし、軍隊では一通りの格闘術も学びますが、銃の優位性は一層際立っているように見える。騎士階級の反抗もむなしく、技術革新の波には抗えなかったのですね。
ペーパーテストに執着するとどうなるか
となれば、おそらくこれから起きることもこれと同じ。つまり、従来のペーパーテストに特化した人材や、知識の詰め込みによって実績を生んできた旧式の学習塾・進学校などは、軒並みAI利用を禁止するでしょう。場合によっては「AIなんて価値がない」とか「自らの手で生み出したものこそ価値がある」と唱えて、反AI運動を展開するかもしれません。
ですが、この波の裏で、偏差値下位~中位層の中でも目ざとい学校の先生方は、虎視眈々と下剋上を狙って、AIを活用できる人材の登用と育成を進める。
また、トップオブトップの学校は、生徒も先生もこうした技術に明るい場合も多く、こちらも首位陥落は起こりにくいでしょう。
結果として、10年~20年後には、今はパッとしない学校から大量の海外大進学者が排出されるようになり、ペーパーテストに執着する時代に取り残された学校は、せこせこと参考書を解かせて旧式の知識偏重人材を生み出し続ける。
そんな未来が、なんとなく見えてきます。
知識自体がもつ意味を考えて
ここまで私は「知識なんていらない」といった立場を貫いてきましたが、とはいえ、このコラムを書くにあたっては、様々な知識を必要としました。AIは無限の知識をもたらしてくれますが、「どんな知識が存在するか」は予め知っておいた方が、やはり作業が速く進む。
そういった意味で、勉強は無駄になりません。
ただ、「自分のやっている勉強が、どんな意味を持つのか」と問われて即答できないような「一問一答クイズ人間」の出る幕は、大道芸以上の意味を持ちませんから、確実に減っていくでしょう。
知識と考え方。
前者がなければ活躍できなかった世界から、どちらかがあれば活躍できる世界へ広がっていく。これこそが、「発展」のあるべき姿なのかもしれません。
<文・布施川天馬>
―[貧困東大生・布施川天馬]―
【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。MENSA会員。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa)
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